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授業が終わりいつものように食堂でルネやリカルドたちと勉強会に参加していたら、実家からの手紙を使いの者が持ってやってきた。


「ディアンヌ様、こちらをお読みください」

「お父様から?何かしら…」


封筒にはロベール家の紋章が入っていて中の手紙は間違いなく父親の筆跡であった。開いて見たその手紙には


«ディアンヌ。本日皇宮から呼び出しの知らせがあった。詳しくは家で話すからすぐ帰ってきなさい »


「え?」


意味が分からず、手紙を何度も読み返し悩んでいると


「読めない字でもあったのか?」


リカルドがからかいながら手紙を覗き込んだ。


「は?」


リカルドが間抜けな声を出す。

ね?とディアンヌがリカルドの方を向き腕組みをして考え込む。


「なんなの?2人して…」


ルネがお茶を飲みながら立っている2人に声をかけたので、ディアンヌが手紙をルネに見せると


「え?」


同じ様な返答がかえってくる。


「呼び出しにディアンヌが何か関係あるの?」

「分からないわ…とりあえず帰らないとダメなのね?」


後ろにまだ残っていた使いの者が首を縦に振り馬車を待たせておりますお急ぎくださいと急かした。


「とりあえず1度帰って話を聞いてくるわ。明日は家から学園に来るわね」


とその場にいた友人たちに手を振りディアンヌは家に戻った。






しかし次の日、ディアンヌは学園に戻ってこなかった。



昼休憩の食堂でディアンヌが来るのを待っていたカールだが、あまりにも遅いので心配になってきた。


──体調でも悪いのか?何も連絡はないが…


しばらく待っていても来る気配がないので教室まで行こうと立ち上がると、リカルドがカールを見つけて寄ってきた。


「カール様、ディアンヌは今日学園に来ていません」

「は?来てないって寮だろ?」

「いや…それが…」


リカルドは昨日授業後にあった出来事を説明した。


「皇宮からの呼び出し…」


カールは片手を口元にあて少し下向きに目線を落とし考える。


──ミア様の事があるにしろ、侯爵だけでなくなぜディアンヌまで…


ふと昨日ここで交わした会話が蘇る。

『頼み事があるんだ』そう口にした人物…アルベルトは今日休みだった。


「アルベルト…あいつか」

「カール様?」

「俺も家に戻る!リカルド馬車の用意を頼む」


カールはそう言うと同時走り出していた。リカルドが何か叫んでいたが聞いている時間も惜しかった。

特別クラスの教室に戻り帰り支度をし、急いで出ようとしたら入口でブランカとぶつかりそうになる。


「カール様如何しましたか?」

「ああ済まない。急ぎ用があり家に戻るから学園側に申し出を頼んでもいいか?」

「構いませんが…そんなに急ぎの用件なのですか?」

「ディアンヌが学園を休んでいるが、何かありそうなのだ」


ピクっとブランカの眉が動く。カールの様子からよからぬことがおきているみたいだと感じ道をあける。


「後のことはおまかせください。ディアンヌ様をよろしくお願いいたします」


カールは走って学園入口まで行くと、ちょうどリカルドが馬車を連れてきていた。


「リカルド助かった。すまない」


カールは馬車に飛び乗り急ぎ家に走らせた。

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