コント「泥棒」
泥棒「ごそごそ。ごそごそ。あぁー良い物ないのかこの家は…。お!これはなんだ!?…ちっ。ただの宝くじ券かー。…ってええ!?宝くじぃ!?うわこれ二等当たってんじゃん!!マジで!?いやっほーーー」
家の人「誰だ。」
泥棒「わぁぁぁ!!こ、この家の人ですか!?」
家の人「見りゃ分かるだろう。こんなパジャマ姿ですまないな。」
泥棒「分かりませんよ!あ、えっと、俺は泥棒です!」
って言っちゃったー!本当のこと言っちゃったー!!なに丁寧に自己紹介しちゃってんだ俺は!
家の人「そうか。何の用だ?」
スルーした!スルーしたよこの人!もしや寝ぼけてるのか?夢の続きだと思ってるのか?ここは話を続けておくか…。
泥棒「え、えっと、高価そうな物を取りに来ました。」
馬鹿ー!!何言ってんの俺ー!!またしても丁寧に告白しちゃったよー!もう少しマシな話があっただろー!?これは流石に気づかれ…
家の人「それならそこの引き出しに宝石が入っているぞ。その横には指輪が入っている。預かり物だがね。」
気づかれなかった!?しかも答えてくれた!?
泥棒「ええ!?そんな情報提供いいんですか!?うわーやったーーー」
家の人「あと君の後ろに、昔ながらの土器がある。預かり物だが三千万相当だ。今日届いたんだ。」
振り返ってみたら暗くて見えなかった大きな土器!古き良き土器!素人の俺の目からしても値が張りそうって分かる土器!ドキドキする土器!
泥棒「マジっすか!?恩に着るよ家の人!!」
持ってきたポーチには入らなそうな宝の山!せっかくだから手拭いも拝借して、全部盗んでやろう。しかしこの場合、盗むっていうのかな?
家の人「そうそう、とっておきの装置を君にあげよう。」
泥棒「ええっ!?いいんですかぁ!?」
どんだけ寝ぼけてるんだこの人!!装置ってなになに気になる響き!ここもしかして隠れた研究所か何かだった?田舎のじーちゃん家に似てたから、入りやすそうって思ったんだけど。あえて周りに溶け込んだってことかな。ふふふ…、それを見抜いた俺、すごい。
泥棒「どんな装置なんですか?」
家の人「この台の上に両手を置いてみて。」
泥棒「こうっすか?」
わくわくしながら俺は両手を置いてみた。指紋認証で開いたりするのかな?両手が必要だなんて厳重だなぁ。あれ?でも今日初めて触る俺で開くの?もしかして俺………選ばれた勇者とか!?
ガシャン
泥棒「え。 …えぇ……?」
家の人「どうだ?すごいだろう。」
泥棒「や、え、確かにすごいけど……これ手錠っすよね?」
台から直で鉄のベルト。離れようにも手首が痛くなるばかり。動けないんすけど。
家の人「だって君、自分で自分のこと「泥棒」って言ったでしょ。だったら警察として逮捕しなくては。」
…はい…?
泥棒「は!?警察!?こんな平凡などこにでもありそーな家…」
家の人「よく見なさい。交番って書いてるでしょ?」
知らねぇよ台所の勝手口から入ったんだから!!
家の人「はい、逮捕。」
泥棒「そ、そんなのってありかよぉ~!!」
終わり
楽しそうだったので参加いたしました。
文章の部分は泥棒の心の声です。