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7/9

数年後に始まった

お久しぶりです。

本作、書くのにかなり精神力が要るので、亀筆となってしまいます。

申し訳ないです。

 裁判が終り数年後。

 私は檻の中での生活に慣れていた。

 今までの地獄に比べれば、食事は出るし、暴力も無い。ここは正に天国だった。

 そして、あと数カ月を待てば、あの子に会える。

 生まれた時に一度抱いただけ。手紙と写真でしか成長を見られなかった自分の子ども。

 今はもう、自分で走り回って遊んでいる年頃だ。

 『我が子の為』

 それ故に純然たる狂気と犯罪に手を染めた女は皮肉にもその狂気と同一の愛でここまでやって来た。

 我が子の為……………それが彼女を支えていた。



 そんなある日、面会希望をする人間が来た。

 自分に家族は居ない。友人もいない。一体誰だろうと思いながら、誰かと訊いて見ると、刑事らしい。

 如何やら、事件について教えたい事があるそうだ。

 別に断る理由も無かったので承諾。

 今の私は、その時の軽率な判断が憎い。



 「お久しぶりです。刑事さん。」

 「お久しぶりですね。どうですか?その後。」

 「えぇ、お陰様で。罪を反省する機会を頂いて有り難う御座います。

 未だ刑期を終えていない身で言うのもおかしいですが、刑を終えても罪を償い続けようと思っています。」

「そうですか。

 ……実は今日、あなたの所に来た理由は、あなたが過去に犯した罪についてです。」

 「はい。」

 「当時、我々はあなたの事件の捜査に行き詰っていました。

 『このままでは迷宮入り。』そうまで言われていたのです。

 が、我々警察は貴女に辿り着いた。

 何故か、解りますか?」

 「いいえ………何故?」

 「手紙で情報提供が有ったんですよ。

 貴女が人殺しをしたという証拠。貴女宛ての手紙と共に……………ね。」

 そう言って刑事は薄汚れた封筒を懐から取り出した。

 「時間差で送られる様になっていました。

 どうぞ。ああ、中身は見ていませんよ。」

 こちらに差し出された封筒を開くと、中には何度か見た事のある文字が書かれていた。


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