契約編
【契約】
1.私法上、相対する二人以上の合意によって成立する法律行為。
債権の発生を目的とするもののほか、身分上の合意や物権的な合意も含まれる。
典型契約・非典型契約・混合契約、有償契約・無償契約、諾成契約・要物契約等に区分される。
また、より広く合同行為も含めた、複数の意思表示によって成立する法律行為を意味することもある。
2.約束をかわすこと。
また、その約束。
3.ユダヤ教・キリスト教における神の特別な意思。
また、それによって結ばれた神と人との関係。
2002年冬
結婚の報告と彼女を両親に紹介するため郡山へと向かいました。
福島が初めてな彼女のために、親父の運転で父、母、僕、彼女の4人で猪苗代湖へと向かいました。
僕と親父とは血の繋がりはありません。
僕が大学生の頃、母と再婚し、養子に入りました。
名字も本籍も変わっています。
何事も無く和やかな雰囲気の中、無事観光は終了し、実家へと戻りました。
夕飯を食べ、奥の松の吟醸酒を傾けながらようやく本題へと入りました。
結婚する事自体は暖かく祝福されたものの、やはり先方の希望には難色を示しました。
長野に住むことには反対はされなかったものの、養子になるか名字を変える事に対しては反対。
彼女の本家を継ぐ事にも反対。
しかし話しを続けた結果、最低一年は姓を変えない事。
養子に入らない事を条件に彼女の実家で暮らして良い事。
彼女の実家を継ぐ事は許せない事。
以上の条件が飲めるのであれば結婚を認める事が決まりました。
2003年初春
条件を飲んだ彼女の両親と僕の両親の顔合わせが、伊那の彼女の実家で行われました。
滞りなく進むかに思われた顔合わせはしかし、彼女の母親の発言で一変しました。
養子に入るか名字を変えてほしい。
実家を継いでほしい。
以上の二点を再度持ち出しました。
納得などしていなかったのです。
これに対し親父は。
我が家の長男を養子に出す事はできない。
その点を守れれば名字をを変える事は本人の意思に任せる。
同じ理由でそちらの跡取りにする事は認められない。
守れるのであれば、どこに住もうと本人の意思に任せる。
条件が飲めないのであれば結婚は認められない事を再度確認。
重ねて、初めに確認し今日に至った筈ですが、と念押ししました。
さすがに分が悪いと感じたのか、彼女の母親は渋々条件を受け入れました。
ここに、僕の結婚は正式に決定されました。
僕の両親が帰った後、彼女の母親はつぶやきました。
ちょっと焦っちゃったかな?話すの早かったかも。
まったく諦めてなどいなかったのです。
1年間は東京で新婚生活を過ごし、その後、伊那へと引っ越す事が決まりました。
2003年5月より新居へ引っ越し。
翌6月12日
結婚届け提出。
登録の本籍は彼女の実家の住所となっていました。
こうして二人は夢の国を目指して歩き始めたのです。
まだ見ぬ幸せな世界を目指して…