第二話
読んでくれる人には申し訳ないです。遅くなりました!続きをどうぞ!
今朝の出来事から早くも時間は、午後六時をまわったとこだ。会社の人達はもう定時で上がっていった。今は俺を含め数人しかいない。
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「お疲れ様で~す。」
「あっ!お疲れ様です!」
社員の言葉に返す俊介。
「あぁ……!ふぅ、後は俺だけか。もう九時か~……あと少しだし!もうひと頑張りするか!」
座ったまま背伸びをしながら深く深呼吸をする。
「っとその前に……ちょっと1本だけ煙草吸うかな」
薄暗い廊下を一人歩き喫煙スペースまで、少し重たい体を進ませる。
「ふぅ~それにしても今朝は何かとバタバタしたな。小町さん……キレイな人だったな~あんな人が彼女なら幸せだろうな~……はっ!何を言ってるんだ!俺は!仕事!仕事」
喫煙所から戻ると、俺のパソコン以外にもう一つパソコンが付いていた。さっきは確かに俺だけのパソコンしか付いてなかったはずなのに。
「あれ?俺しか残ってないと思ったのに、まだ誰かいるのかな?」
辺りを見回すが人ひとりいない。まぁ、いいかと気にせず自分のデスクに向かう。
カタカタカタカタ……
俺のいる付近だけ照明がついて、静まり返った社内にキーボードのタップ音が鳴り響く。見ての通り残業だ。今日に限って企画書の提出があったなんて……そもそも部長も部長だ。時間は定時の少し前に遡さかのぼる。
「よ~し!今日も頑張ったな!後はデータ整理して終わりだ!」
「おーい。石田くん、ちょっといいかね?」
部長が俺に問いかける。やっべー!俺なんかミスしちゃったか~?少し焦りながら部長の所まで行く。
「はい……何でしょう?まさか、どこか間違ってましたか?」
「いやいや、そんな事はない。十分頑張ってくれてるよ~」
少し笑みを浮かべながら話す部長。ふぅ……良かった。どうやらミスでは無いらしい。少しホッとした。でも何だろう?こんな帰り際に……
「それでね。この前言っていた件の企画書提案あっただろう?言い忘れてたが、あれ実は明日の朝までなんだよね~。悪いけど今から石田くんやっといてくれるかな?無理なら得意先に無理を言って、少し延期してもらうが……」
「え?そうなんですか……分かりました。何とかします!」
「あ、ホント?良かった~。言い忘れてたワシが悪いけど助かるよ~。いや~ねワシは今から愛人と御デートなもんで……そんじゃ。よろしくたのんだよ~」
テヘペロと言わんばかりのウィンクをして、五十代後半とは思えないスピードで帰っていった。
「・・・・・・・・・・・」
部長ぉぉぉおおぉぉ!!
言い忘れてたって何ですか!無茶苦茶じゃないですかー!そもそも愛人と御デートってなんすかぁぁ!!そんな事部下に言うもんじゃないでしょう!!!それに何ですか!最後の!テヘペロってぇぇ!!JKのイン〇タですかぁぁああ!
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とまぁ、こんな事があった訳ですよ!まったく!部長には困ったもんだ。
さっ!気を取り直して仕事しよう!後もう少し!
バサッ!
書類が何枚か落ちる音がした。それに気付き、音のした方を振り返った。
「あ、すいません!こんな時間に人がいたからビックリしちゃって……」
少し不安そうにしながら話す女性の声。
「小町……さんですよね?まだ残ってたんですか?俺だけかと思いました」
「あ、はい!今朝はありがとうございました!えっと……」
「い、石田です。石田俊介!いえいえ!全然大丈夫です。」
「石田さん!ありがとうございます!こんな時間まで仕事ですか?」
「ええ、企画書が明日の朝までに提出しなきゃならなくて……でも後もう少しで終わるんで大丈夫です」
「大変ですね!」
「ホントですよ。部長が言い忘れててこんな事に……それより小町さんは何を?」
「帰り際に資料庫を整理してて、気になってずっと片付けてたらこんな時間に……」
テヘへと恥ずかしそうに言う。
資料庫をこんな時間まで整理してたのか。何ていうかそんなにかかるか?まぁ、でも見た感じきっちりしてそうだしちょっと可愛い。
「ハハ!何ですかそれ!こんな時間までわざわざ。面白い人ですね」
あれ?俺ってこんなに女性と喋れたっけな?なんか小町さんは話しやすいというか、なんというか……
「気になるとほっとけなくて……つい集中しちゃうんですよね。ていうか、同じ部署なのに何であまり私の事知らなかったんですか?」
「それは……俺、あんまり女の人と喋るのが得意じゃなくて……それで会社の女性とは挨拶か仕事絡みの会話ぐらいで……」
「そうなんですね!私は大丈夫なんですか?」
「えっと…。まぁ、はい……」
「ふふっ。なら良かったです!あ、お茶でも入れましょうか?」
「すいません。ありがとうございます!じゃコーヒー頂きます」
カタカタカタカタ……
……気になる。コーヒーを入れてくれたのは有難いけど、何でずっと隣に居るんだ……もう遅いし、先に帰っても良いのにそれも退屈じゃなさそうに。
「ん、ここ!打ち間違えてますよ!」
「あぁ、ありがとうございま……ずっ!!」
コーヒーを吹き出しそうになる。覗き込むようにして髪の毛をかきあげながら教えてくれる。顔が近い!!何でこんな俺に。しかもちゃんと喋ったのは初めてなのに。距離感が……なんか急に緊張してきた。
「何か変でした?」
「い、いえ!大丈夫です!ありがとうございます」
仕事しながら、空き時間にコツコツ書いてるので更新速度が微妙なとこです。