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テンプレの神様ようじょ♪

 リンリンリン♪リリリリン♪

 何処からか電話の着信音が聞こえる。

 今時には珍しい無個性な着信音だ。


「・・・・・・え?」


 友紀が目を開けると周りには何もなかった。

 ただ真っ白な世界が広がっていた。

 リンリンリン♪リリリリン♪

 そんな何もない世界で電話の着信音だけが聞こえる。

 友紀はその音の発信源に目を向ける。

 そこにはポツンと一台の公衆電話が置かれていた。

 音はそこから聞こえてきていた。


「・・・?」


 友紀は首を傾げながらもボックス内に入って行った。

 友紀がボックス内に入ってもいまだに公衆電話は鳴り続けている。

 ・・・これとらなきゃダメ?

 友紀がとらなければ永遠になり続けそうだ。

 リンリンリン♪リンリ・・・

 ガチャ。

 友紀は受話器を取り耳に当てる。

 すると


「おはようございますです!!ボクは戦闘係第13班の神様ことアリア・キリク・サリアですよぅ!!」


 軽快な女の子の声が聞こえてくる。

 友紀はその声の大きさに思わず耳から受話器を離す。

 離れた受話器からは女の子の声が漏れ出ている。


「あなたは世界を救う乙女戦士の一人に見事選ばれました!!西園寺 友紀ゆきさ・・・」


 ガチャン。

 最後まで聞かずに受話器を置く友紀。

 リンリンリン♪リンリンリン♪・・・ガチャ。

 間髪を入れす再度かかってきた電話に、ため息をつきながら出る友紀。


「・・・なんでいきなり切っちゃうんですかぁ!!あれですか!?今どきの女子高生はあれなんですかぁ!!」

「あれが何だか知らないけど、俺は友紀ゆきじゃなくて友紀とものりだ。」

「・・・わはぁっと?」


 なんか変な発音の英語が聞こえてきた。

 それから何やら電話の向こう側でガタンゴトンテテレテッテッテーという音が・・・て誰だ!今レベルアップした奴は!


「と、と、とものりぃ?なんか、お、男みたいなカッコイイ名前です・・・ね。声もちょっとだけ低く・・・て。と、とても凛々しくていい声ですですぅ!」


 ・・・こいつ、間違いを認めない気だな・・・。

 俺は受話器見つめて思う。

 ・・・神様って全知全能ってわけじゃないんだな。

 とりあえず


「男みたいじゃなくて男だ!と・も・の・り!」


 追い打ちをかけるために再度伝える。


「そ、そんなぁ!また・・・またボクは・・・どじを?」

「なんか知らないけどお疲れ様。そしてさよならだ。ドジっ子神様。」


 ガチャン

 とそんな音を鳴らして俺は受話器を置いた。


 ◇♦◇♦◇♦◇◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦



 カーカーカー♪

 カラスの鳴き声が聞こえてくる。


「・・・・・・・・・」


 目を開けると・・・見慣れた天井だった。

 カラス?ここはスズメ一択だろうが・・・。


「・・・くぇrちゅいおp@!!!。」


 友紀は寝起き特有のよくわからない声をあげながら体を起こす。

 そして眠たい目をしぱしぱさせながら手で目元をこすりあげる。


「・・・・くぁあ。」


 俺は欠伸をかみ殺す。


「・・・何だったんだか。さっきの夢は。」


 友紀が頭の中でさっきの変な夢について考えをめぐらせていると

 ~~♪~~♪

 友紀の携帯が鳴りだした。


「誰だよ。こんな朝早くから電話かけてくるバカは・・・」

「はい。もしも「いやぁ!名案を思い付きましたです!!な・・・ピッ。」


 俺の言葉を遮って聞こえてきた、つい先ほど聞いた声が聞こえてきたため電話をきってしまった。

 ・・・自家発電しすぎたか?

 友紀がそんなバカなことを考えていると

 ようじょ♪ようじょ♪ようじょ♪ボクはつるぺたなようじょぉ~だよ♪だよ♪

 聞き覚えのない着信音が枕元に置いてあった友紀の携帯電話から聞こえてきた。

 ・・・俺は無言でそんな変な着信音をならす愛機に目線を落とす。

 そこには"神様"の文字が。

 ・・・なんでもありかよ・・・。

 俺の背中になぜか冷や汗がたらりとたれる。

 てか、番号全部0とか・・・。

 これ、とらないと一生なるんだろうなぁ。はぁ。

 ピッ。


「何回切ったら気が済むんですかぁですぅ!!」


 そのあざとい声が聞こえた途端に切りそうになったがなんとか堪える。


「切っちゃうも何も・・・何の用だ。ドジっ子。」

「ボクは名案を思い付いたのです!」


 夢の中の最後とは違い言葉が軽快に跳ねている。

 本当に嬉しそうだ。


「そうか。切っていいか?」

「ダメです。」


 にべもなくダメ出しされる。ちっ。


「そうか・・・。」

「そんなんです!!いやぁ。やっぱりボクは天才なのですよ!」


 自画自賛かよ。このようじょ。

 俺には今話している神様がドヤ顔をしてる姿がありありと浮かんできた。


「皆にはお前はドジだ。アホだ。マヌケだ。ぶち込みたい!とか言われてるけどやっぱりボクは違かったよ!!」

「いや。ドジで、マヌケだろ。男と女間違えてんだから。」


 ・・・最後の奴。俺はツッコマないぞ?

 アリアは俺の言葉を無視して話を続ける。


「てことで、西園寺 友紀とものりくんは西園寺 友紀ゆきちゃんになってもらいますです!!」

「いや。ちょっと待て。何言ってんの?」


 友紀とものり友紀ゆきになるってどうゆうことだ?


「乙女戦士は女の子しかなれないんだもん。これは必然。ですてぃにーですよね!」

「え?ちょっと、お前何言ってんの!?」

「ほにゅわぁ~。」

「人の話を聞けぇぇぇぇぇ!」


 ダメようじょは俺の言葉を全く聞かずに何やら気の抜けた声を上げる。

 その声が終わると同時に俺の体が青白い光に包まれる。

 っ!

 俺はあまりの眩しさに目を閉じる。


「いきなり何すんっ!?」


 俺は変なことをしたアリアに、文句を言おうと声を張り上げた瞬間に違和感を感じた。

 そして俺は、恐る恐る指を喉にあてる。

 ・・・喉仏が・・・ない?

 そして俺はごくりと喉を鳴らしそろろそろりと目線を下に向ける。


「!?!?」


 そこには見事にたわわに実った二つのメロンが圧倒的な質量を伴って存在していた。

 その二つのメロンはまるで我儘に自己主張するかのようにシャッツを上に上にと押し上げていた。


「・・・ふ、ふざけんなぁぁぁぁ!!何してくれてんだ!お前!」


 携帯に向かって張り上げた声は、とても自分の声と思えない耳に心地よいアルト。

 俺はそのことにさらに泣きそうになる。下は確認しなくてもわかる。

 妙に軽いのだ。まるで男のシンボルが存在していないかのように。いや実際していないのだろう。

 俺の16年連れ添った相棒が。昨日も熱く語り合った相棒を!!この馬鹿のせいでぇぇぇ!


「ふひゅぅ。でももど・・・」


 俺の言葉に何か返そうとしたアリア。

 しかし俺はその返事を聞く前に部屋のドアに張り付く。

 たったったったった。

 そんな軽快な階段を上る音が聞こえてきたからだ。

 そして友紀がドアに張り付いたと同時に

 ドンドンドン!!

 と強くドアが叩かれる。


「と、とも。いきなり大声出してどうしたの?大丈夫?」


 ガチャガチャガチャ

 ドアノブが激しくガチャガチャと動く。


「くっ!」


 俺はそれを必死に抑える。今の姿を見せるわけにはいかない。なんたって今の俺の姿は女なのだから。

 ちらりと横の等身大の鏡を見ると、そこには必死にドアノブを抑える、さらりとした少し藍色がかった長い髪。くっきりとした大きな目。すっと通った鼻筋。愛らしくぷくりとした瑞々しい唇。それに加えて体系もスラリとした長身で出るところはきちんと出て、くびれはきゅっとしておりお尻は程よい大きさの10人が10人。美しいと答えるよう美少女が存在しているからだ。

 必死にドアノブを抑えるその美少女の大きな胸がぷるぷる揺れている。

 自分の姿とはいえその姿に俺は・・・・・・・何も感じることができない。

 あ。きれいだな。と思うくらいだ。

 相棒ぉぉぉぉぉぉお!!と叫びたい。

 とにかく、いきなり俺の部屋に女の子がいるのだ。だれもこの美少女が俺だとは気付かないだろう。

 神様に女にされました!といって誰が信じる。俺だったら引く。

 ・・・見られたら・・殺される・・・。

 俺が女の子を部屋に入れたとあの姉に知られたら間違いなく殺される。

 友紀の体に尋常じゃない冷や汗が流れる。

 ドンドンドン!ガチャガチャ!

 なおも激しくドアがガタガタと揺れる。


「ねえ。とも!開けてよ!どうしてあけてくれないの!?」

「な、何でもないから。無性に声を、しまっ!!」


 俺はつい声をあげてしまう。女の声を。


「誰!?今の声!!ともの部屋に女!?」


 ガチャガチャガチャガチャドンドンドン!!!

 さらにドアが激しく揺れる。


「入れなさい!!ともぉ!いるのぉ!?開けなさい!!」


 ドアでの必死の攻防。

 俺は床に落ちている携帯に向かって怒鳴る。


「おい!アリア!!」

「修羅場?わくわく♪わくわく♪」


 携帯から楽しそうな声が聞こえてくる。


「ふざけんなぁ!いいから戻しやがれぇ!!」

「!?やっぱり誰かいるのね!!とも!ともぉ!」


 ドンドンドン!

 ガタガタとドアが揺れる。今にも壊れそうだ。


「早くしろぉ!」

「えー。」

「早くしてください!」

「しょうがないですです。胸の中央を意識して男にもど・・・」


 俺はアリアが言い終わる前に実行する。

 ピカッ

 再び全身が青い光に包まれたと思ったら体が男に戻っていた。


「よし!ごああ!」


 バキャ!

 安心したのも束の間。俺の体が横合いから衝撃を受けて吹っ飛ぶ。


「何処の誰!?私の大好きな弟をたぶらかした女狐は!?・・・あれ?」


 ドアを蹴破って入ってきたのは一人の女。

 少女が女性になりかけている時特有の妖しさを持つ、黒い髪の女の子だ。

 長身で黒いセミロングの髪。きりっとした目に凛々しい顔つき。剣の似合いそうな女騎士然とした雰囲気をもっているプロポーション抜群の女の子だ。


「く、黒亜くろあねぇ。」


 俺はドアの下から這い出て、部屋に入ってきた姉に声をかける。


「あれ?女狐は?・・・あれ?」


 部屋のあちこちを物色する黒亜。


「携帯の新しいアプリだよ。俺に彼女なんてできるわけないだろ?まして家になんっうぉ!」


 ぎゅ・・・ドス!


「っつあ!」


 俺はいきなり抱き付いてきた黒亜を弾き飛ばす。


「何ドア壊してんの。黒亜ねぇ。これで何個目?」

「ともに悪い虫がついたんじゃないかって心配になって。」


 ぎゅ、ドカッ!


「だから抱き付くな!」

「いいじゃない。弟は姉の玩具なんだよ?」


 最悪の扱いだ。だが今さらだ。もう昔から何回も言われてきて慣れた。


「本当にかの「ああ?」・・・何でもありません。」


 俺が彼女と言おうとした瞬間ギロリと黒亜に睨まれる。


「ねえ。とも?」

「ん?なにっぁ!」


 どさっ。

 俺は黒亜に勢いよく押し倒された。

 仰向けに倒れた俺に姉さんが馬乗りになる。


「くっ!」


 体を動かすがぎっちりと固められていて動かない。


「ともは彼女なんて作れないよね?だって、ともは平凡でバカで顔だってそこまでかっこいいわけじゃないんだから、彼女なんてできるわけ・・・ない。」


 ぎりぎりぎり


「いたいいたいいたい!嘘です!見え張りました。すみません。彼女なんていません。いたらあんなアプリとっていません!」


 お腹に黒亜の柔らかいお尻の感触を感じるが、黒亜がこちらをじっとみてくるせいで楽しむことができない。そもそも姉だし・・・


「・・・じゃあ、とも。いつもの罰言って?」


 にこりとこちらに笑いかけてくる黒亜。


「・・・言わなきゃダメ・・・ですよね。はい。わかってました。」


 断ろうと思った瞬間、わき腹に鈍い痛みが走る。

 黒亜が俺の脇腹を指でぐりぐりしているからだ。地味に痛い。


「くっ・・・」


 俺は頬が赤くなるのを感じる。


「く、黒亜姉ぇ。あ、愛してる。」


 だあ!!恥ずかしくて死にたい!何が悲しくて実の姉にこんなことを言わなきゃならないんだ。本当に罰としてよくできてる。

 これだったら前のマッサージのほうが楽だった。

 黒亜は友紀の言葉を聞いてほんのりと頬を染めている。


「うん。・・・私も愛してる。」


 なぜかそんなことまで言ってくる。


「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」


 お互い無言になる。

 ぷちっ


「・・・・・いやいやいや!何脱ごうとしてるだ!?」


 俺は制服のシャッツのボタンをはずし始めた姉の手をつかむ。


「・・・とも。・・・お互いにもう子供じゃないんだよ?・・・こんなことも・・・・起きちゃうよ?」

「いや?おきないよ?何言ってんの?俺たち姉弟ジャン?」

「こんな些細なこと神様も世間様も見てないよ。」


 些細なことじゃないし、何よりまだその神様と絶賛通話中だから!!電話切れてないしたぶん聞こえてるから!


「ほら、法律で禁止されてるし。」

「私が将来変えるし。」


 姉さんなら、本当にできそうで怖い。


「ほら、とものここも、きゃあ!!」


 どさ!

 俺は渾身の力を振り絞り馬乗りになっていた姉を吹き飛ばす。

 友紀の顔が真っ赤になっている。


「触んじゃねぇ!!」


 俺のその言葉に黒亜は頬を染めながら


「・・・成長・・・した?」

「今すぐここから出てけぇぇぇぇ!!!」


 俺はビシッと部屋の外を指さす。

 なんか泣きたくなったきた。


「今日学校で朝早くから生徒会の仕事があるんだろう?」

「むぅ。・・・しょうがないか。続きはまた今度ね。」


 そういって名残惜しそうに黒亜が俺の部屋から出ていく。


「うぅ。また、ドアが無残にお亡くなりになられた。」


 蝶番のところがいかれており、買わなければならないだろう。

 どうして黒亜姉ぇは家ではこんなことばっか。

 学校にいるときの姉とは大違いだ。別人かと思うくらいだ。

 俺はいまだに床に落ちている携帯を手にとり耳にあてる。


「息災か?神様。」

「ZZ・・・・はっ!!・・やっと終わりましたですね!」


 寝てたよな?今こいつ完全に寝てたよな?・・・・まぁ、だからなんだって話なんだけど。


「ああ。終わったよ。尊い方の命が散ったが。」


 これでしばらく部屋でピカピカできない。ちくせう!


「ぱわふるなお姉さんだったのですぅ。」

「神様の力で何とかならないか?俺にくっついてこなくさせるとか。」

「ふっ。神様はですね。むやみやたらに奇跡を起こしちゃいけないんですです。」


 アンニョイな口調で言ってきたアリア。

 ステイクールだ。俺。ステイクール。ようじょに切れたら大人げないぞ?


「・・・俺を女にしたのは奇跡に入らないのか。」

「えっと・・・それは・・あぅ・・・・そう!!あなたが女の子になったのはですてぃにー。そう。ですてぃにーだったんですぅ。奇跡ではなく起こるべきにして起きた、まさに世の定めだったんです!」


 最初口ごもっていたのが後半になるにつれて勢いづいてきたアリア。


「はぁ。」


 俺はそのアリアの様子に思わずため息をついてしまう。・・・・まぁ・・・


「で?俺は何をすればいいんだ?その乙女戦士ってのは。」

「怒ってないです?」


 恐る恐るといった感じで聞かれる。・・・一応罪悪感はあったんだな。俺は妙なところに感心する。


「正直怒鳴り散らしたいが、まあ、一応男に戻れるしルールくらい聞いておいてもと思ってな。」

「そんなことお安いご用ですです!!じゃあるーるを・・・あれ?はうあぅあ!!しまったです。見たかったあにめがはじまちゃうですぅ!」

「は?そんなことよりルー・・」

「るーるなんてどうでもいいです!それより、またねです!!あのあにめ長いのでちょっと電話できないけど、あでぇおす!!!」


 プッ!ツーツーツー。

 ・・・ステイクールだ、俺。神殺しなんて痛い単語を思い浮かべるべきじゃない。


「あいつ。まったくもって使えねぇ。」


 俺はおもわずそう吐き捨てる。


「ん?」


 取り合えず制服に着替えようとパジャマを脱いだ時、胸の中央に小さな青い幾何学模様が浮かんでいた。

 ためしにそこの部分に意識を集中させると、青白い光とともに俺は再び女の姿になっていた。


「・・・完璧に女だな。」


 自分の胸をみてつぶやく友紀。

 パジャマを脱いだため、その二つのメロンを隠すものは何もない。薄い桜色の突起も何に邪魔されるわけでもなく視界へと飛び込んできた。

 ごくっ。

 おもわず喉を鳴らし、俺は手を自分の胸へと伸ばしていく。

 むにゅ。


「ん。」


 !!な、なんだ!?俺はとっさに口を押える。軽く触っただけなのにおもわず甘い声がでたぞ!?


「こ、これが女の・・・んっ・体・・あっ・・んん!」


 手にぴったりと張り付くようなしっとりとした肌触り。

 力を込めればそれに合わせて変幻自在に形を変える柔軟性に弾力性。どれも未知の感覚だった。

 しかし、女のほうが感度がいいってのは本当だったのか。


「んん!」


 俺はしばらく自分の胸を弄り回していたが、しばらくすると下腹部が熱を持ってきたことに気付く。

 男のそれとは違う秘境。

 ・・・・ごくっ。

 俺は生唾を飲み込み・・・そして・・・


 ◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇♦◇


「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・・・何やってんだ俺。」


 そこにはぐったりとだるそうに体を横にして落ち込んでいる友紀の姿があった。

 時折いまだにぴくぴくと痙攣しており、行為の激しさが窺われてくる。


「や・・・やりすぎたな。」


 俺はそんな体をノロノロと立ち上がらせる。


「冷静に考えれば自分の体だよな。・・・何興奮してんだ?」


 黒亜がまだ家にいたのに。てか危なかったし、それでもやめなかった俺も俺だが。

 友紀は溜息を吐きながら鏡を見る。

 そこには長いつやのある黒い髪を乱し、薄紅色の上気した顔に、とろんとした目つきの口を半開きにして荒い息を吐く若い乱れきった女の姿があった。

 ・・・いつもだったら腰にずんとくるような光景なのに素直に喜べない。自分の体ということもあるが、なにより相棒がいないからだ。物足りないのだ。・・・・相棒。俺はお前が相棒でよかったよ。

 にしても、


「疲れたなぁ。」


 友紀は溜息を吐く。


「学校はまだ急げば間に合うけど、行く気分じゃなくなったしなぁ。」


 かといってこのまま部屋にいるのもつまんないし・・・・!!

 俺の脳裏に妙案が思い浮かんだ。


「よし!銭湯に行こう!」


 いまの俺は女になれるんだ。これを利用しない手はない。ちょうどシャワーも浴びたいし、なにより


「女の裸が見放題だ!」


 友紀は顔をにやけさせる。

 そこ?笑うなよ。男の性だ。仕方ないだろう?

 誰に言っているのかわからないが俺は内心でにんまりと笑う。

 体が女なので喜びは一塩であるし、たぶん物足りないと感じるだろうが、そこは後で元に戻って若い妄想力でカヴァーだ!

 くっくっく。なんか心に来るもんがあるな。だって女湯だぜ?女湯に男の俺が入るんだぜ?

 ・・・・待ってろよ。俺の楽園パラダイス。俺の欲望を満たしてくれ!







ただ神様ようじょが名前を間違えたことを書きたかった。


一部過激だけど・・・大丈夫だよね?

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