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ギルドについて

「さてアルマよ、気分はどうだ?」

「無茶苦茶頭が痛みます・・・・・・」


 頭に大きなコブができたところをさすりガルドの質問に答えているアルマがいた。

 地面が沈むほどに叩きつけ、やり過ぎたと冷や汗をかいたが霊装を纏って居たおかげか、はたまた彼女がただ単にタフだったのかは分からないが普通の人間が受ければ脳震盪だけの騒ぎではないというのにコブができてるだけで済んでいる。


「ホッホッホ~いい戦いを見させてもらったのぅ~。実に天晴!!アルマちゃんは惜しかったのぅ~。もう少し頑張っておればこの規格外の男を倒せたのにのぅ~」

「ふぇ?規格外って何のことですか?」


頭をさすり何のことだと疑問で答えた。


「おやぁ~こちらに来る前に冥界で協力者の実力は聞いておらんのかいのぅ?」

「・・・・・・ええ。冥界で知らされていたのはディル様の名前と顔を知ったことと、結構強いということしか聞いていません」

「ホッホッホ~そりゃ~災難じゃったな。ディルという男はギルドの中でも元老院から依頼を受けるほどの実力者だからのぅ」


「・・・・・・ギルド?・・・・・・元老院?」


「なるほどのぅ~ギルドについても冥界では話はされていないようだのぅ~。さてアルマちゃんにはこれからそのギルドのメンバー員として入ってもらいたいのじゃ」


ディプト長老は唐突に、アルマをギルドのメンバー員に入るよう勧誘を始めた。


「あのー私、当初の目的はディル様の協力として地上界で活動することでして、ギルドと言うところに入る訳ではないのですが・・・・・・そもそもギルドが一体どういう所なんでしょうか?」

「アルマちゃんがギルドに入るのは今後の活動にメリットがあるから進めておるのじゃよ」

「メリットですか?」

「左様、まずはギルドについてリリアという子から聞くとよいじゃろう」

「お〜いリリアよ〜ここへ来て説明をやってくれんかのぅ〜」


長老はリリアという名の子を呼びだした。

直ぐに宿の奥からバタバタと足音が次第に聞こえてきた。


「お待たせ致しましたー!私がこの村のギルド受付窓口を担当させて頂いておりますリリアでーす!皆さん宜しく!」


全員が座る広間にリリアはその姿を現し、元気ハツラツに挨拶をしてきた。


「うはぁーあなたがもしかして死神さん?綺麗な黒髪でとっても美人さんだぁー!私はリリアって言うんです!あなたのお名前は?」

「アルマ・・・・・・死神のアルマよ・・・・・・」

「アルマさんって言うのですね!きゃー名前も美人過ぎてなんだか私・・・・・・興奮してきました・・・・・・ハァハァ」


一人異様に舞い上がるリリアに対し、アルマは引いた顔をしている・・・・・・いあ普通するだろうなアルマでなくても。


「こらリリアよ!変な気を起しておらんで仕事をきっちりせんかい!」

「むぅーそこまでお説教しなくてもいいじゃないですかー」


帆を膨らませていたリリアは次第に落ち着きを取り戻し、「ゴホン」と一つ咳払いをした後、心を入れ替えるように凛とした顔に変わった。


「さて先ほどは取り乱してしまい失礼しました。私がアルヴァンド地区のギルド受付窓口を致しますリリアです。これからアルマさんにギルドについてのご説明をさせて頂きます」

「まず最初にギルドについてご説明します。ギルドは様々なものがありますが、大抵ギルドと呼ばれる機関は私たちが運営している冒険者ギルドに当たる所です。ギルドは世界各国認証の元で運営を行っているいわば国際機関であります」

「次にギルドでの活動内容は次に当たります。未開拓地への探索および魔物討伐、もう一つは悪魔の退治を率先して行うといった様々な活動が行われています。ギルド員となった方々にはこれらの依頼を請け負って頂き処理をしてもらいます。依頼の請負方法などの内容については改めて説明させて頂きますので今は割愛させてもらいますね。ここまでで何か分からないことはありますか?」


リリアがアルマに質問を投げると「大丈夫」と頷き返事をした。


「では次にギルド員のクラスというものについて説明します。ギルドでは各々の実力に合わせてクラスを分ける方針をとっています。大きな理由としては魔物の種類によって強さが異なることです。自身の実力よりも上の魔物と戦うことは自殺行為に等しいので、ギルドではそういった危険を避けるよう魔物にランク付けを行い、上位クラス限定といった依頼を発注しています」

「次にクラス順位です。灰→緑→黄→赤→青→(ブロンズ)白金(プラチナ)(シルバー)(ゴールド)といった色合いによってランクが決まっています。銅までクラス昇格しますとまだ誰も立ち入った事のない地域への入場制限が解除されるなど様々な待遇が変わっていきます」

「ちょっと質問いいかしら?」

「はいどうぞアルマさん」

「クラス白金の次に当たる銀と金はクラスの扱いが同等みたいなんですけども間違っていないんですか?」

「アルマさんいい所に気が付いてくれましたね!実はこちらのクラスは間違ってはおりません。銀と金はランクは同等扱いになっておりますが、金銀と別れているのには特別な理由があります」

「特別?」

「はいそうです、まず金色についてですが金は魔力又は戦闘の技量がトップクラスを誇り他のクラスの実力者を遥かに凌駕する実力を兼ね備えています。また魔物や悪魔等の討伐としたエキスパートでもあり、他のクラスでは太刀打ちできない魔物相手に最前線で戦闘を行います」

「次に銀ですが、ちなみにですがアルマさんの協力者となるディルさんはクラスは銀に当たります」


俺のランクが銀であると聞かされたアルマであるが疑問そうに首を傾げている。


「銀や金ってクラスはどのぐらい凄いのかよく分からないのでなんとも言えないんですけど、それってすごいことなんですか?」


始めてギルドやクラスについての話を聞いたのだ、至極当然の質問であるだろう。


「そうですねーまず金銀クラスですと銅のクラスでさえ天と地の差と言われるほど歴然とした強さがあると言われています。簡単に言うと人間をやめましたと呼ばれる人達です」

「えっディル様人間をやめられているんですか!?」


何か衝撃を受けたようにアルマは深刻そうな顔をして俺を見つめてきた。


「おい・・・・・・真に受けるなよ・・・・・・」

「あはは、アルマさんってやっぱり面白いですね!さて話を戻しますが銀のクラスに位置する人は金とほぼ同等に近い実力を持っていますが大きく異なるのが依頼を極秘裏こなすという点です」

「・・・・・・極秘裏?」

「はい極秘裏です。銀クラスは依頼の受注は指令書という形で依頼をこなすことが多いクラスです。主に偵察や潜入など裏方で与えられた任務を確実に遂行が多くいです。銀色は光の反射次第でどの色にも変化することができる所以から任務で必要とあればクラスの色を自由に変更することが許されたクラスでもあります。極秘裏で活動することが多い故に私は銀についての詳しい活動内容はこれ以上わかりません。それでも知りたいというのであればディルさんに直接聞いてみてください」


そう言われアルマがこちらに何か物知りたそうな顔して見てきたが教える気など一切ない。

できれば俺自身のクラスも知らせて欲しくはなかったのだが仕方ないことだろう。


その後リリアによる講習は続き、ギルドに関する基礎知識をみっちり叩きこまれていたアルマは少し疲れ気味であった。


「・・・・・・ということを是非とも覚えておいて下さい。最後となりましたがアルマさんのギルド登録が完了しましたのでこちらのバッジを身に着けて下さい」


アルマに渡されたのは緑色をしたバッジでありクラス緑を証明するバッジであった。

先ほどの試験でアルマの実力はおおよそ銅クラス程の実力はあるのだが、ギルド規約上たとえ実力があり上位の魔物と渡り合える程であってもギルドクラス最下位から始めなくてはならないルールが存在する。

また剣術や魔術など他の運営団体から高い称号を得ていた者であってもギルド入団時には例外なく緑クラスから始める必要があり飛び級でクラス昇格するシステムはないのである。


「アルマさんにはギルドの規定によりクラス緑から活動を行って頂きます。これから上位のクラスに昇格目指して頑張って下さい」


リリアはここで何かを思い出したかのかハッとした顔で説明を始めだした。


「ああ、そうそうすっかり忘れそうになっておりましたがここでアルマさんがギルドに入ることによるメリットについて説明しておきましょう。まず1つは様々な地域への入場手続きが容易に行える点です。一般の方は通常、他国へと入国する際には審査が非常に多いですが冒険者ギルドは国際的に多くの国と連携して運営を行っておりますので、依頼を受ける際に他国へ渡る必要がある場合は入国審査が一般の方より容易である利点があります。2つ目はなによりもディルさんがシルバークラスであるということです」

「ああ・・・・・・なるほどな、俺がシルバーだからアルマと俺が共に行動することを条件であれば青クラスまでの依頼を緑のアルマも受注することができるってことか」

「その通りです。緑クラスのアルマさんは通常、緑以上の依頼をこなすことが不可能ですが例外としまして銅クラス以上の方と同伴することを条件として青までの依頼をアルマさんも受注することが可能です。

なにより受注ランクを多く取れるということは様々な地域へと移動できるメリットがあるということです」

「それが適応されるのはつまりギルドに入っている人が条件になるので入るほうがいいということですね」


残念と思っていたおつむの割に理解力に関しては回転が早い。

そのままその頭の回転が早い状態を維持してくれればいいのになと思う。


話が終わり、横で話を静かに聞いていたガルドが腰を上げた。

「ようやくギルドについての説明が終わったようだな。ディル、君が死神の協力者になるにあたり盟約の儀を行いたい。正式な死神の協力者になる儀式だ」


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