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到達、魔王城領域

 カリナたち、アルカナヴァンガードは〝聖地・ドラゴンの墓場〟を出立し、隊列を編成して魔王城に向けて一斉に進軍を続ける。

 朝日はまだ登らず、薄明かりに包まれている。まさに静寂の中の進軍である。

 対して、彼らの前方には、魔王ヴァルガリアスの居城たるダークフォージ本城が禍々しき気配に包まれてそびえている。

 さらにはダークフォージ城の周囲には関連施設や、魔族たちの居住地が打ち立てられ、一つの都市の如き規模を醸し出していた。

 

「あれこそが魔王の拠点! あれこそが魔族の根拠地! 今こそ叩き潰す時! 旗を立てよ! 我らの旗を!」

「はっ!」


 魔法剣士騎士団アルカナヴァンガードの複数の長槍兵が、手にする長槍の切先を点に向けて垂直に立てる。そして、槍に装備された魔導装置を作動させると――

 

――ヴワッ!――


 その槍の穂先に近い部分から〝光の帯〟が旗のように広がった。純白の光の旗がたなびき、そこに金色の十字が輝いている。

 純白地に金十字――それがアルカナヴァンガードの軍旗(バナー)だった。

 その輝きは地平線の彼方からも目に映る。

 

 一方――

 魔王城の周囲の外縁部を巡回警備する魔王軍兵士が騒然となっていた。

 

「あれは? ま、まさか?」

「アルカナヴァンガード! 勇者カリナの軍勢か?!」

「馬鹿な! 進軍途中で姿を消したと聞いていたぞ?! 撤退したのではなかったのか?」

「し、しかし現に――」

「言い訳はいい! 本城司令部に伝えろ! 迎撃準備!」

「はっ!」


 そして、ダークフォージ本城周辺の警戒塔では、現状を冷静に把握していた。


「勇者の一団を確認! 総数2000程度、増援は無いものと想われます!」

「アルカナヴァンガード単独か――、こちらが総力で立ち向かえば、造作もない」


 そして、本城司令部から命が下る。

 

「守備隊全軍に告ぐ! 勇者の一団を撃退せよ! 今まさに好機! 全力で叩き潰せば、勇者もろとも葬りされる! 勇者カリナを討ち滅ぼせ!」


 そして、魔王城本城と、その関連施設の門がひらいた。そこから怒涛のように黒い軍勢が雪崩出てきたのだ。

 歩兵が、騎兵が、魔導士が――、魔の者たちの軍勢が現れたのだ。

 現状が、カリナ率いる魔法剣士騎士団アルカナヴァンガードのみなのだと思いながら。

 だが、それこそが〝思う壺〟だったのである。


§ 


 カリナのアルカナヴァンガード――

 その観測役の斥候兵が叫ぶ。

 

「報告! 魔王城城門開きました! 軍勢進軍してきます!」


 それに対してカリナが答える。


「目視総数は?」

「おそらく最低でも1万はかたいと」

「敵、大型攻撃勢力としての魔獣は?」

「視認される数は10体ほど」

「城塞側からの砲撃は?」

「未だありません! 歩兵を中心に陸上戦で対抗するものと想われます!」

「――そうよね、魔王の寝床の間際で大砲を撃ちまくるわけにはいかないわよね」


 カリナは静かに不敵な笑みを浮かべる。


「こちらの描いたシナリオ通り!」


 カリナがそう、叫んだ時だった。

 

――ドォンッ! ヒュゥゥゥゥ――


 爆音と風切音が続く。そして――

 

――ゴォオオオオンッ!――


 爆音が大地に鳴り響く。砲弾が打たれたのだ。しかも〝カリナの背後〟から。

 今まさに、来たるべき者たちが追いついたのである。

 そう――援軍である。


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▼ 勇者カリナの、その後の物語

魔王軍との最終決戦を終えた少女勇者カリナ。
次に彼女が辿り着いたのは、AIと戦闘機械が支配する未来世界――。

『勇者カリナ/未来戦線クロスロード』を読む

―魔王を倒した少女は、AI戦争の未来世界で、聖剣精霊と豪剣人機とともに人類を救う―

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