4話
生前、20歳で死んだボクは、自分のことを俺って言ってた。けど今は魂だけになってだんだん記憶が幼くなってきたようで、今は「ボク」って言うのがしっくりくる。
さぁ、名残惜しいけど、そろそろボクは逝くね。
スーッと魂が呼び出しに応じるように、家族から離れ、今、また僕の目の前には女神様がいる。
「え?なんで?なに?この大号泣!」
「だってだって、快斗と快斗の家族ってすっごくいいじゃない。本当に仲良しで、大好きで…びぇーーっ」
いやいや女神様、あなた鼻水垂れてますからね。涙拭きすぎでしょ、目腫れますよ?
「女神様、ありがとうございます。家族とお別れ出来ました。次はボクが女神様の願いを叶える番ですね。あ!そうだ、女神様の願いってなんですか?ボク聞いてなかったや」
ボクは少し早口で話す。
だってそうしないと
――泣いてしまいそうだから。
「泣いていいわよ、私の胸、特別に貸してあげるわよ」
そう言って胸を張る女神様だけど、ささやかすぎる女神様のちっぱいにはうずくまれそうにないので、全力で遠慮した。
しかも、鼻水垂れてるじゃん。ばっちーじゃんか。
「酷い!好きで小さいわけじゃないのに」ってゴニョニョ言っている女神様を無視する。
「女神様、ボクへの願いはなんですか?ボクが女神様の願いを叶えられるかは分かりません。けど、女神様はボクが家族とお別れしたいという願いを叶えてくれました、ボク女神様のお願いが叶えられるように精一杯努力しますねっ」
なんだかブツブツ言っている女神様は気を取り直しながらボクに告げる。
「快斗、あなたへの願いはひとつ。新たな生を受けて異世界に転生してもらいます。そこであなたはどう生きていくのか、んんっ、んっ、」
なんかもったいぶってるな。
「あ、いや、そんなつもりじゃ…って、何に転生してもらおうかしら?」
「え?」(おい、おい、何も決まってないのかよっ!)
「んんっ、あなたには私が管理する世界のひとつ、アークの星、そこにあるイスカダル国に行ってもらうわ」
「このアークの星には魔法があるのよ、あなた、魔法に憧れていたわよね?あら、そんなにキラキラ、ワクワクした目で見ないでちょうだい!…照れるわ」
えー、まほー!魔法!やった、使ってみたかったんだよね。
「そして、イスカダル国の、そうね、ちょうど産み月の女性がいるわ。その人のお腹の子は残念ながら産まれる前に死んでしまう運命なの。その命はもう消えてゆくわ。その命にあなたの魂を入れましょう」
「え?待って。アーク星のこと、何も知らないから教えてよ」
「ごめんなさい。もう時間が無いの。あの子供の命がそろそろ尽きるわ。大丈夫!貴族だし、あなたも魔法が使えるわ、前世の記憶も残しておくからっ。それと、そうね、名前が違うと大変よね。早く慣れるために同じ名前にしとくわね!カイト!あなたの新しい名前はカイト·ブラウン·マーシュね、嫡男よ、じゃあね」
え?まって?爵位は?なんの魔法が使えるの?え?待って!え?まだ聞きたいことがあるのにー、ね、女神様待ってってば!




