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「16、塔」と「17、星」

――――――――――


「16、塔」 『白羊と黒狼』


 白羊しろひつじは銀の瞳。

 いつも、坊やの友達。

 空には雲一つなく、光が落ち。

 丘に、青色の花が咲き乱れ。

 野原を紺色に染める。


 暗い森には黒狼。

 いつも、悪さしている。

 母樹ぼじゅから落ちた、苗木は育ち。

 真実の塔に、眠る幼子。

 隠して泣き声が響く。


――――――――――


「17、星」 『翡翠の星』


 輝く翡翠の乙女は、

 頬を薄紅に染めて、ついの羽を広げる。

 暗い紺碧の空を見上げ、

 双の丸みで蜂剣ほうけんを抱いて、生命を満たす。


 稲妻いなづまはこの道を流れ、

 大地に突き刺さり、樹木の子をはぐくみ。

 ほし巡りのころも

 盾となって、愛しい人を包む。


――――――――――


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