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「12、吊るされた男」と「13、死神」
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「12、吊るされた男」 『夜行の鳥』
夜行虫の群れを破る鳥。
羽ばたきを失いながらも、
開花を見守る者。
青々とした葉でありながら芯は毅く。
その時まで、穏やかな幻想を抱く。
甲殻から生まれ出でる探求の過酷。
その全能は業から離れ。
智天使の思惑による門の砦として。
昇華され、新芽の礎となる。
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「13、死神」 『辰砂の夢』
満たされた空は、有限の始まり。
七つの夜空の支配者が夢を掬い。
幻のような、ひとときの無限を与え。
現世に落としては、天道を失う。
壊れた刻は戻らず、螺旋の廻廊を通り。
天使の涙は、生命の泉となり。
辰砂の夢は、天上へと昇ると。
指極星のもと、輝きになる。
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