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「4、皇帝」と「5、教皇」
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「4、皇帝」 『黒い森と炎の皇』
盟約が起こす革命の微風。
地に染み込む黄昏の歌。
漣として押し寄せる渇望を背負い。
繋いだ血脈の誉れは揺るがない。
黒い森と赦しの炎の皇。
山津波の御祖の領地に赴き。
神水の笧として旅團の楯となる。
熾天使の祝福を賜りし者。
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「5、教皇」 『双葉と雛鳥』
手を繋いだ双葉は微笑む。
無垢な広間に、
真紅の紋が拡がり。
全てを擁く腕。
深海の娘子は、息吹を与える。
氷華が浮き上がり融ける。
瞳を濡らして、
蒼空の白雲を見た。
暖かな腕の中。
眠る雛鳥に兵も、賛歌を呑む。
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