表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女は「答え」を希う  作者: でしりっとる
Ⅳ章
69/72

昨夜のうちに何が起きたのですか?<Ⅳ>

 十分間飛行を続けて、今は使われていないであろう倉庫の一つに入る。屋根の一部が剥がれており、そこから入ることができた。建物の中であれば、突然【水人種(ウンディーネ)】が水中から襲って来ることはないだろう。わたしはサラを下ろしてから、感知魔法で近くに人の気配を感じないことを確認し、再度入ってきた穴から一度出て、倉庫の隣の水路へ降りる。


「ねえ、こっちまで上がって来られそう?」

「うーん……ちょっとそっちまでの道が見つかりづらいからこのままあげてくれないかな?」

「一応確認するけど、他の【水人種(ウンディーネ)】って追ってきていたりは……」

「それは大丈夫そうかな」


 わたしは右手を水に触れ、顔を出したスピネルの周りの水ごと操作して持ち上げ、再び倉庫の中へ入る。倉庫の中へ着地し、スピネルが入ったしずの球体を離れた位置にゆっくり下ろす。水の球体が床につくと魔法を解除する。重力によって水が下へ落ち、スピネルだけがそこに現れた。先ほどまで真っ赤だった体は、移動中に元に戻ったのか透き通った白い肌をしている。スピネルはこちらへ早足でかけてきて、わたし達の近くに座る。


「【水人種(ウンディーネ)】って本当に来ている服ないんだね……」

「服なんて液状にならないし、東名にすらならないし、体の水分吸われるだけで良いとこなんてないよっ!むしろ他の人種はなんできているの?」

「えっ……!?……裸を見せるのが嫌だから……?」

「……?何が嫌なのかわからない。だいたい──」

「ほら、そう言う話はまた後でね」


 会話が長くなりそうだったのでスピネルの言葉を遮った。二人の顔を確認して、話を始める。


「さて、まずはサラに話しておくのだけど、傷を見たところ、おそらく【獣人類(ハイビースト)】が襲ってきたものだと思うよ」

「【獣人類(ハイビースト)】……なんでここに?」

「そこまでは流石にわからないわ……私たちを追ってきたのか、【水人種(ウンディーネ)】を狙ってきたのか」

「なんで【水人種(ぼくたち)】が狙われるのっ!?【真人類(オリジン)】じゃない七種族って、協定結んでいるんだよね……?まあ、『協定』はしていても、『共闘』はしたことないらしいけど……」

「そこだよ。現状わたし達が【水人種(ウンディーネ)】の一部から疑いをかけられているけど、相手もそこまで考えて行動をしていない……と思う」


 わたしは個人的にたどり着いた結論を話す。


「多分だけど、【獣人類(ハイビースト)】……いや、【獣人類(ハイビースト)】を含めた過激派とも言える種族の人達は、【真人類(オリジン)】と戦おうとしないことが長年気に入らなかった……特に、この街のように【真人類(オリジン)】の住んでいる街にいるような【水人種(ウンディーネ)】なんて、はたから見れば『共存』しているようにしか見えないだろうからね」

「でも僕達は共存までは……」

「『はたから見れば』……ね。過激派からすれば、そんなことは関係ないんだよ。そして、【水人種(ウンディーネ)】の殺害と、【真人類(オリジン)】の殺害……もしこっちも関係しているなら、犯人は『【水人種(ウンディーネ)】と【真人類(オリジン)】を意図的にぶつけようとしている』ことになるかな」

「あれ……?【真人類(オリジン)】の人が溺れていたのって、それだけで【水人種(ウンディーネ)】が悪いってことになるの?」


 サラの言葉にスピネルがビクッと体を強張らせる。そういえばそのことはまだサラには話していなかったな。スピネルに視線を送ると、頭をブンブンと縦に振った。話して良いのだろう。わたしはスピネルが【真人類(オリジン)】を溺れさせてしまったことをサラに話した。


「なるほど……だから『お前が関わるとろくなことにならない』って言われていたんだね」

「だけど、【真人類(オリジン)】の人が【水人種(ウンディーネ)】をどう思っているかは今回関係ないかな。【水人種(ウンディーネ)】側が今回のことによって【真人類(オリジン)】を恨み、攻撃し始めたらそれで終わりだからね」

「でも、【水人種(ウンディーネ)】の人達も、傷とか確認すれば『【真人類(オリジン)】がやっていない』って気付くんじゃないかな……リリアちゃんが気付いた訳だし」


 サラの言葉にわたしは少し考える。そして、首を横に振りながら答える。


「気付くかは五分五分だと思うよ……この街の【水人種(ウンディーネ)】をまとめる人がいなくなって、どこまで冷静でいられるかっていうところだね。スピネル、この街の【水人種(ウンディーネ)】って西と東に別れているんだよね?各方向でまとめ役の人っているのかな?」

「一応いるよ。いや、いたよ……全員あの場で……」


 それはまずい。まとめ役が一気にいなくなり、この街の【水人種(ウンディーネ)】が混乱の渦に飲み込まれてしまう。それを狙い、【水人種(ウンディーネ)】を争わせるのが目的か。他に【水人種(ウンディーネ)】のまとめ役が、それこそ影響力のでかい──


「……もしかして」

「どうしたの、リリアちゃん?」

「いや、争わせるのも目的の一つだと思う。けど、その先の目的があるとすれば……」

「『すれば』?」

「この場に来るように誘導してるんだよ……【水人種(ウンディーネ)】の長、トルマリンさんを」

「「……っ!?」」


 そう、普段危険な場所は予知で避けているトルマリンを、【水人種(ウンディーネ)】と【真人類(オリジン)】が一触即発になりそうな場面を作り、それを止めるために来ることを狙って。そして、そこでトルマリンを討つために。

閲覧ありがとうございました!

評価・感想など頂けたら励みになります!

まだ至らぬ点が多いかと思いますが、

そう言った点もご指摘いただければと思います!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ