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魔女は「答え」を希う  作者: でしりっとる
Ⅳ章
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昨夜のうちに何が起きたのですか?<Ⅱ>

 わたしはスクーターから跳び、風を使って浮きながらスピネルのところへ寄る。治癒魔法を展開しながらコーラルに触れる。体が冷たい。【水人種(ウンディーネ)】の体温は低い方だが、それを加味しても冷たく感じ、生気を感じられない。三人分の血液が混ざっているのでわかりづらいが、既に致死量の血液が出ているようだ。


「……ダメだ。コーラルさんはもう……」

「そんな……!なんで……なんで…………!」


 スピネルはコーラルをさらに抱きかかえる。なんて声をかければ良いのだろうか。わたしは拳を強く握りしめる。どうしてコーラルさんが……。いや、悔やんでいても仕方ない。わたしは顔を上げ、まずはスピネルの近くに横たわっている見知らぬ男性の方へ近付く。


 こちらの男性はコーラル同様、腹部へ横に一つの大きな傷ができている。左目も鋭利なもので刺されたのか、そこからも血が溢れ出している。傷ができている箇所を詳しく確認する。まるで火傷したかのように傷口が赤みを帯びており、水ぶくれさえできている。


 続いてもう片方の男性の方へ近付いていく。こちらの男性は昨日の集まりの中にいた気がする。こちらは首の部分を一薙ぎにされていて、その傷は首を半分以上切り裂いており、傷周りには先ほどの男性同様火傷痕が残っている。また、こちらの男性の胸部と右腕一帯に別の火傷痕が広がっている。


 これら二つの傷、炎を纏ったもの、あるいは高温になった武器で攻撃を受けたかのような傷だが、この攻撃に覚えがある。だが、もしそうだったとしてどうして【水人種(ウンディーネ)】を狙ったのか。最後にスピネルの方へ再び寄る。コーラルをずっと抱いたまま、静かに泣いている。


「ねえ……もう、コーラルは目を覚まさないの……?」

「それは、コーラルさんをずっと抱えているスピネルが一番わかっているでしょ」

「……はは、そこは慰めてくれないんだね」


 なんて声をかけるか迷ったが、はっきり伝えるべきだと思い、スピネルだけに語りかけるように言葉を伝える。


「わたしは……わたしだったら、お世話になった人がこうなってしまったのなら、その相手を突き止め、色々と言ってやりたいと思うし、そこから先は……どうなるかわからないけど、多分わたしは……」


 わたしは……言うだけでは絶対済まない。済ませない。スピネルは顔を上げ、わたしと目を合わせる。


「そうだよね……うん、そうだよっ!絶対に一発ぶちこんでやるっ!」


 涙を拭き、スピネルがいつもの調子に戻っていく。わたしはスピネルにほほえみかけ、スピネルも目が赤く腫れた顔で覚悟を決めたように笑う。


「それじゃあ、傷の状態を確認したいから離れてもらっても大丈夫かな、と言っても、この傷に当てはあるんだけど……」

「うん、大丈夫だよ。……僕も少し当てがあるよ」


 わたしとスピネルはお互い頷き、その種族の名前を口にする。


「「【獣人類(ハイビースト)】」」


 【獣人類(ハイビースト)】。火属性が得意魔法であり、野生に生息している獣と同様に毛深く、爪や牙、そして身体能力が高い種族だ。

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