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魔女は「答え」を希う  作者: でしりっとる
Ⅲ章
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もっとやれんだろ!?<Ⅱ>

 攻撃はローブを貫き、わたしは寸前の所で躱す。だが、雷魔法の余波が残っており、痺れる痛みと共に避けた方向へ吹き飛ばされる。


「……っぐうぅ!!」


 吹き飛ばされ、咄嗟に風を使い体勢を戻そうとする。そこへダラグリウスの追撃が入る。


 五──いや、十回の突きがわたしを襲う。後ろに下がるが、エストックを持っている分先ほどよりもリーチが長く、三発ほど攻撃を受ける。


 攻撃を受けた所が痺れている。少し動かしづらいがまだ行動できる。


「あ?攻撃受けただろ?なんで無事なんだよ?」

「……無事に見えるかしら?麻痺して動かすのが大変よ」

「そういう意味じゃねえよ。なんで貫通してねえんだって話だよ」


 エストックでの攻撃は体に届く前に防御することができた。だが、最初の攻撃と同じように雷による余波が体を貫いた。


「まあいいや、これだけやっても五体満足なら、もうちょっとやっても死にはしねえだろ!」


 距離をつめて突きを放とうとする。わたしはそれに合わせて前に進み、懐に入る。


「なっ!てめ──」


 エストックに纏っている雷が顔の近くを通り熱を感じる。わたしは気にせずに魔法をぶつける。先ほどのダラグリウスの攻撃時に吹き飛ばされながら、魔法陣を八面体に配置した風魔法だ。


 魔法はダラグリウスの体にあたり、突風を巻き起こしてわたしもろとも吹き飛ばす。わたしはなんとか風魔法を使って着地をする。


 ダラグリウスは魔法で発生した竜巻によって、回転をしながら吹き飛ばされる。木々をなぎ倒しながら飛んでいき、止まる。流石に魔法を連発したので疲弊してきた。できればこのまま立ち上がらないでほしい。だが、期待とは裏腹にダラグリウスが立ち上がる様子が見える。


「がああああああああああああああ!!」


 距離は離れているのに、こちらにも聞こえる声量で叫ぶ。だが、すぐにはこちらに移動せずにゆっくりと歩んでくる。流石に与えたダエージも疲労も大きいのだろうか。

   

 まだ遠いが、お互いに視認できる距離に立つ。ダラグリウスも肩で呼吸をしており、左手と右足に大きな怪我を負ったのかぶらんと垂れ下がっている。


「てめえ……!」


 歯をぎりぎりと噛み締め悔しそうにしている。エストックを強く握りしめ、コチラに刃先を向ける。


「ぶっ殺す!ぶっ殺す!ぶっ殺してやる!がああああああああ!!……ああ!?」


 前かがみになり、突進しようとして、止まる。足に違和感を覚えたダラグリウスは後ろを振り向く。左足に見覚えのない重りがついている。


「さすがにそれを壊せるだけの力は残ってないはずよ」

「てめえええええええええ!!」


 先ほどまでの動き回っている状態では無理だっただろうが、弱り、隙だらけになったところへわたしが鋼魔法で左足に重りをつけた。


「これ以上暴れてもらっても困るし、これで──」

「うっせえなあ!俺は!まだ!負けてねがっ……」


 そろそろうるさいなと感じ、わたしは自身の速度を上げダラグリウスの懐に飛び込み、顎に一発入れた。その一撃でダラグリウスは気絶し、静かになった。


 ふう、と一息する。流石に疲れたなと感じ、電気を受けた場所を確認する。……よし、痺れはもう感じないし、見た目の傷もそこまで酷いものではない。これなら隠せるだろう。


 問題はローブだろうか、何箇所か焼け焦げ、貫通してしまっている。せっかくさらに買ってもらったのに申し訳ない気持ちになる。だが、こういった戦闘をする以上、服がボロボロになることは許容せねばなるまい。さて、どうやってサラに言い訳しようか。


「それと、こいつをどうするべきか……」


 しばらくしたら目覚めるだろう。今のうちに攻撃力と速度を抑制する魔法をかけて暴れることも逃げることもままならない状態にしておこう。そう思い、わたしは足と手に改めて鋼魔法で枷をつける。


 さて、今の時刻はどれくらいだろう。できれば夜明け前に色々と聞き出したいが、間に合わないようなら一度人目のつかないところに幽閉しておきたいが……。


 この辺にそんな場所があるのかと考えつつ、魔法で時刻を確認しようとする──が、殺気を感じ、慌てて飛び退く。


 ドガガガッ!と言う音とともに、わたしが先ほどまで立っていた場所へ雷をまとった何かが落ち、地面を抉る。矢だろうか。わたしはそれが飛んできた方向を向く。


「っ!!」


 わたしは即座に土魔法でその方向に壁を作る。壁が出来上がると同時に、追撃として撃たれていた矢が土壁に当たり、貫通してきた。壁を作る時に後ろに跳んでいたため、この攻撃も躱す。


 向こうの木の上からだ。目視でもギリギリ見えるくらいの距離から、弓を携えた男がこちらを見ている。雷魔法を使っており、この状況だ。おそらくあいつも【鱗人類(リザード)】なのだろう。


 流石に今の疲弊具合で、この男を連れながら逃げることも戦うことも厳しいだろう。いっそ眼帯を取るか……とも考えるが、他に敵が潜んでいる可能性を考慮し、引くことにした。


 後ろを警戒しながら街に向かって駆け出す。弓矢の男はそれ以上攻撃をする様子はなく、気絶しているダラグリウスの元へ向かっている。


 色々聞き出したかったが、今回は仕方ない。だが、少なくとも【鱗人類(リザード)】が関わっていそうと言うことがわかっただけでも収穫だろう。


 あとは、昼間に──サラがいる時に襲撃されなければと思う。相手はルーペンスの街とも関わっていそうだが、【鱗人類(リザード)】である手前、大ごとにはしたくないはずだ、と思う。そんなことを考えながら、街の石壁を駆け上がっていった。

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