表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お奨め作品レビューまとめ  作者: crazy’s7@レビュー&作品紹介師
2022’7
263/306

夢屋

蝦夷縞りす様作


【あらすじ引用】

 飄々と、どこか人を食ったような雰囲気のその男。

 無精ひげを生やし濃紺の着流しに草履履き。着流しの上、肩から掛けた黒い印半纏。両襟の中ほどに達筆かつ情緒あふれる白文字でこう記されている。


 夢屋、と。


 ありきたりな街でごく普通の日常を繰り返す十七歳の麻衣子。

『夢屋』を名乗る男が売る夢の小瓶に魅せられたことで、麻衣子の日常は崩れていく。


 少し不思議な、夢を売る男と、麻衣子の心の物語。

https://ncode.syosetu.com/n8000hp/

【作品URL】


【物語は】

 いつもの街でいつもと同じような日々を過ごす少女のモノローグから始まっていく。彼女は”変らない毎日”を好んでおり、この日もきっと同じ日常を送るはずだったのだろう。そんな彼女の目に留まったのは”夢屋”の文字だった。

 好奇心の赴くまま男に近づいていくのだが……。


【主人公と街並み】

 ノスタルジックな街並みを思い浮かべてしまう。

 しかし”いつもの”に違和感を覚え始める。

 ジャンルはファンタジーであり、タグには現代ファンタジーとある。現代が舞台であるのだろうと想像するが、読み進めていくと”おや?”と思う会話に遭遇する。

 ”夢”の部分がファンタジーだと思っていたが、もしかしたら違うのかもしれないと。

 主人公の言葉に、夢屋の男は”そうかい”としか言わないので、その違和感は解消されぬまま展開されていく。恐らくどこかでその謎は明かされるのだろうが、とてもミステリアスだ。


【夢屋と真実】

 この不思議な男がどこからやってきて、何処へ向かうのか明らかにはされていない。しかし男の言うことを信じるならば、主人公次第なのだろう。

 文中には、どちらにも取れる言い回しがあるため別の可能性も考えられる。

 夢屋に出逢うまでにも伏線と感じる部分は多いが、あることをきっかけにして、何故主人公がこの街にいるのか? この街はなんなのか? 明かされていく。

 徐々に雰囲気が変わっていく作品である。


【物語の見どころ】

 冒頭の方から、恐らく伏線がちりばめられている。

 ラストはタグにもある通りハッピーエンドとはなるが、彼女の心の変化に焦点があてられた物語だと思う。

 この状況になるまでに何があったのかは後半の方で分かるが、

 彼女が望んだことはなんだったのか?

 どうすれば良かったのか?

 そんなことも考えさせられる。

 この物語を読んで、”自分自身と向き合い、他人と本音で話せば未来が変わっていく”というメッセージを感じた。

 思っていることは伝えて初めて意味がある。自分一人で他人の気持ちを決めつけても、何も伝わらないということ。

 

 主人公は既にそのことに気づき、このままではいけないと思っていたに違いない。

 自分が変わらなければ、何も変わることはないということに改めて気づかされる物語です。あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?

 純文学が好きな方にもおすすめしたい物語です。

 あなたならこの物語の先をどう想像するだろうか? 

 お奨めです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ