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異世界ライダー  作者: 燃焼リング
第1章 異世界入門
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第7話 信用

実験から戻った…


ちなみになんの実験か分からんただの拷問みたいな気持ちになる実験も多い


今回は全裸に剥かれて変なカプセルに放り込まれ、呼吸器を付けられ緑色の科学溶液漬けにされるという俺からすればまったく意味の分からんただの屈辱的な実験だ

ドラゴンボールでフリーザ編の時に、ベジータとかが使ってた怪我がすぐ治るカプセルを想像してほしい

俺は怪我をしてるわけではないが…


なにが嬉しくて無表情のおっさんどもに全裸を見られなきゃならんのだ…


最悪だぜまったく…

頭痛が無いだけありがたいかもしれんが、何度も続いて慣れるのも嫌なものだ

露出癖が付いたらどうするんだまったく


本当に… さっさと出たいよ…



さっきまで殺してくれとまで思っていた俺もニタニタに協力の意思がみられることでかなりメンタルが改善された

先の事を心配して現状に文句言うくらいには前向きになれたな…


とある本によると、過去やトラウマの存在は否定できるそうだ

起きてしまったことに対して文句ばかり言うのは不幸で意味の無いことだから、幸せになりたいなら常に「今これから」のことに対して考えなくてはならないらしい


まぁもっともな意見だ、起きてしまったものはしょうがないしたらればの話など無意味だからな


だが特に意識したわけでもなくこんなとこに放り出されてみろ、文句の一つくらいでるだろう

まぁこの件に関してはなにか原因があるわけでも無いのだけど…


友人たちのツーリングの誘いを断るべきだったか?無いな…

俺も久しぶりにかっ飛ばしたかったし、事故ったのも自分のせいだ


でおっさんの言ってた「溝」の異世界に入った

俺は「迷家」と表現したがね

これに関しては原因なんて分からんし、おっさんの態度を見るにたまたまそうなったというのが有力だろう


そのあとのグチャドロ空間だが…

今思い出しても気分の悪い空間だ、空も地面も無かった

浮いているわけではない、ただ立ってるわけでもない不思議な感覚

人間地に足を付けろと言うけど、あれは正に地に足を付けていない状態だったな


あの時はおっさんの目を閉じてろと言われたのに興味本意で開いてしまった俺が悪い、おっさんは俺を助けようとしてくれたんだ

あのままおとなしくしてたら無事に帰れたのだろうか?今となっては確かめることはできないが…

いや、これがたらればというヤツだな


今更後悔しても無駄だな

それじゃあ「今これから」のことを考えるとするか…


例の「頭文字」だが…


D S T Y R 恐らくこれにするのが正しい


英語にすると単語が分からない、俺がたまたま分かるのはご都合主義すぎる


だから通常の日本語読みに対する頭文字でいいと思う


ただ…


そのまま読むと「ドスティア」

これが正しいとは思えんが…


難しく考えすぎなんだろうか?


もしこれが頭を柔らかくする某クイズ番組なら、俺は答えが出たときにモヤっとボールを1000個くらい投入してることだろう


これを俺だけでなく、他の人にも使われるやり方だとして…

そこまで難しくするはずがない

中には子供や学生、俺よりおっさんの人もいるだろう

だったら誰にでも分かりやすくなってるはずだ、そもそも俺みたいに悩むヤツが少ないくらいだろう


しかし…


くっそ… 俺って頭固いな…


もしアイツがニタニタ笑って俺が悶々とするのを楽しんでるなら、次会った時にスタープラチナを叩き込む、やれやれだぜ


それから眠れずに考えた

俺のIQは3くらいになってしまったんだろうか?

もっと柔軟に頭使っていかないとな

なんかでも、すぐそこまででかかってんだけどな… うーん…


悶々と、イライラと…

だんだんストレスが溜まり俺はあのニタニタ顔がやけにムカついてきた



あぁクソ!味方ならもっと早く言えよな!

できるならさっさと俺をここから「出して」くれよ!クソ!



いや!


その時なにかに気づく


「出して」…

起き上がりカードを見る


並べられたカード

「だ」いこん 「し」か 「て」のひら…


まさか?


「や」ぎ 「る」ービックキューブ


え?こういうことか!?頭文字って!


DSTYR(だしてやる)


“だしてやる”


出してやる


こ、これだ…


この時ニタニタが味方であると完全に認識した


ヤツには脱出のプランがあるんだ、俺の言葉をしゃべったということは同郷なのかもしれない

見捨てる訳にいかずこっちの世界の人間には分からない暗号使った


なぜだか知らないがアイツはここに溶け込んでいる


他の連中にバレないように周到にマッドサイエンティストのフリをして俺にヒントをくれた…


これじゃないか!?



解いてみると特段難しくもない子供騙しな問題だった

どんだけ掛けてんだよこのくらいに…

モヤっとボール不可避


それにしても「出してやる」か…


これは状況からいって助けてくれると見て間違いないだろう、まさかとは思うが「あっち」の方の出してやるではあるまい…

そりゃアイツは俺を見てニタニタとへばりつくような気味の悪い笑みを浮かべているが、俺をどうにかしたい「あっち」系の人なら、とっくになにかしてきてるはずだ


なにせ俺は予期せぬ方法でこの世界にきたイレギュラー

人権なんてものは存在しないんだ


男として大事なものが守られてホッとしている

異世界に飛ばされようが俺はノーマルで生きていきたい


それにそういう意味なら「出してやる」じゃないよな「ぶっかけてやる」だよな

過程をぶっ飛ばしてフィニッシュとはとんだ早漏だな


いやそうじゃねぇんだよッ!!!



少し… 取り乱したようだ…


まぁなんにせよ、信用してもよさそう… いや信用するしかないな


今俺にはなにもできん、ここで裏切られたら精神崩壊まで待ったなしだ


とりあえず、次のヤツのアクションを待とうじゃないか

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