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異世界ライダー  作者: 燃焼リング
第2章 異世界放浪
22/99

第21話 彼は日本人

翌朝… 


「もう大丈夫ならいくつか場所を調べてもらいたい、いいかな?」と斉藤に指令を受けた


昨晩の件で何となく頭の上がらない俺はそれを受ける

ぶっちゃけ大丈夫ではない、ただ後悔先に立たずだ… 次に生かそうとは考えてる


が…


「また知人に見つかるのはまずいんではないです?」


「飽くまで他人と言い張ればこの世界では大丈夫なはずだよ」


…?

まぁ大丈夫だと言うならそうなんだろう


すぐに出るため朝食をすぐに食べ終え、俺は景子さんにご馳走さまを言う

彼女はニコッと笑い「いってらっしゃい」と言ってくれた


はい「いってらっしゃい」頂きました


俺が童貞なら惚れていることだろう

彼女はあの笑顔で何人の童貞を手玉に取ってきたのか…

俺はそんな不純な考えを押し殺しながら「いってきます」と建物を出た



ところで今回はソフトスポット候補が三つもあるのか…


町外れにある廃屋の付近


中学校の裏にある木


国民的アニメでガキ大将他数人がたむろしてそうな空き地


共通点は… 無いな

何で前回は一日探してひとつだったのに今回は三つあるのか

スピリチュアルを尊重してるからだろうか?


ともあれこの辺のことを調べなくてはならない、これもすべて帰るためだ


一番近いのは…

空き地だ


俺は空き地へ向かう



この世界の町並み

科学をおざなりにしてるだけあって古風だ、まるで昭和初期の道を歩いているようだ

懐かしいなぁー… まさに昭和レトロ、夕焼けがよく似合いそうだ


そんな俺は平成生まれ




宗教が盛んというくらいだからそこらへんに修行僧みたいのが居たりするな… スピリチュアル関連としては、占い屋さんとかが多いって感じか

ここを「スピリチュアル通り」と呼ぼう


しかし宗教か、宗教にはいい思い出がないな


俺は普通に日本人並みには仏教だ、もっとも現代人は宗教のことを深く考えていないし俺もその一人だが…

元カノはある宗教でかなりの宗教家であった、そんな彼女とは長く付き合っていたが結婚には至らなかった


「結婚するならうちに入ってもらう」これが彼女の母親の出した条件、親父に相談した俺は自分ではどうしたいのかわからなくなっていた


「結婚したいなら勿論構わんが、まぁ本音を言うとその宗教はな…」という言葉を聞いて、俺は彼女と別れることを決意した

ただ父親に止めてほしいだけだったんだと気付いたんだ


だがそれでいいと思った…

結婚しても俺はいずれそれに対し文句をいい続けるし、子供に強要するのも拒否するだろう

彼女も彼女でそんな俺に文句を言うし両親にも俺を会わせづらい、子供にも刷り込みを行い結果別れることになる


お互い不幸にしかならない


故に別れるべきだ、と伝えると彼女も

「確かに宗教に関してはあなたに押し付けていたかもしれない」と認めてくれた、かなり泣かせてしまったがね


俺はその後彼女の数年を拘束したという罪悪感を感じて生きていた…


彼女との数年は幸せだったし、若かった俺は「愛の力でどうにでもなる」と豪語していた

まぁその時になってやっと愛の力は万能ではないと気付いたのだが…


昨晩の話ではないが宇宙人が来て宗教なんざ捻り潰してくれと思っていた


今の俺はそれぞれの宗教の神様は宇宙人だと思っている… 昨日のことで太古の昔から宇宙人が関わってるなんて聞くとそんな気がしてならないな


さてそんなことはいいんだが…


付いたぞ、例の空き地だ

この空き地では迷子になった子供がよく見付かるそうだ


俺は例の物を取り出す

そう、ソフトスポット探知機(携帯ラジオ)だ

電源を入れて確認する



ザー… という音のまま反応はない… ように見えるが点滅気味に光っている


あるのか?

それかもしかするとあった場所は少し残り香みたいのがあるとか…


う~ん…

学校の方へ行ってみるか



例の中学校

ここには七不思議みたいのがある

そのうちのひとつがこれ


校舎裏にある木、ちょうど真ん中の木は昔生徒が首吊りをして死んだ…


今でもその木には生徒の霊がいて、一人でその木に近づくと死者の世界に連れていかれる… 


とかなんとか…だったか?


さて… 

学校に入るのはまずいよな… いや正確には校舎に入るわけではないのだけど、裏に回ると教室から視線の集中砲火を受けてしまう…


どうしようかなぁ…?


俺は校門から少し離れたところで顎に手を当て考えた

するとそこでやけに熱い視線をぶつけてくる外人と目が合った


あ、ヤバイなぁ…変質者だと思われてるわこれは…


さっさと逃げて夜に出直すか?先に廃屋を目指してもいいんだし… やば、こっちきたぞ外人…ん?


「水橋さん…かな?どうもお久しぶりですねぇ」


は!?この男… 知っている!この流暢な日本語は!


「ルーク…」


「やっぱり水橋さんか~なんか雰囲気違うから間違ったかと思いました」


彼はルーク

竹口(たけぐち)ルーク(けん)


日本人とアメリカ人のハーフで見た目は95%アメリカ人だが、日本生まれ日本育ちで英語は嗜む程度だ


しかし参ったな… 知人に会うのはまずいから他人のフリする予定だったのに

いや、待てよ?


「早速だけどルークにお願いしてもいいかい?」


「あぁ、僕にできることならね!」

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