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異世界ライダー  作者: 燃焼リング
第2章 異世界放浪
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第15話 戦争の相手

話した結果

彼は俺という世界の異物を受け入れ、飽くまで水橋功一として見ると言ってくれた


「見た感じも話した感じも功一だから大丈夫でしょ」というのが彼の意見だ


こちらとしても友人がいるのは心強い

と言っても長くここにいるわけではないのだけど…


ただし言えないことは言えないとはっきり伝えた、ソフトスポットやこちらの協力者、その他諸々…

ソフトスポットに干渉すると戻れなくなるかもしれないし、斉藤たちのことを話すのは斉藤の許可がないからだ


そういう人がいる… とだけは話しておいたが


そろそろ帰ろうとしたとき、連絡をとれるか?と聞かれて携帯を出した…

しかしそもそも俺の携帯は使えるのか?物自体はこちらに馴染んでるとは言え、こっちにも俺が居るなら番号使えないんじゃ?


と思ったが不思議なことが起きた


番号は使えない… でも電話ができるのだ


ただしこちらから一方的にかけることしかできない、向こうには「非通知」とでる

メールはできないようだが…


不思議だ… 異世界特有のバグだろうか…



その後斉藤の元へ帰った俺は今日は起きたことを話す

怒られるかもしれないが、話しておかなくてはいけない


そして早速「友人一人に見付かった」と伝えた…

そのまま“徴兵”のことで仕方なく事実を話して信じてもらえたことを話すと、斉藤は特に怒るでもなく淡々と答えた…


「協力者ができたのか、それならこちらでも少し動きやすくなるかもしれないね… 

それにしても徴兵か、今日調べていてわかったことなんだが… それが始まったのはほんの去年からのことらしい」


あっさりしてるのな…

まぁいいならいいんだ


他には携帯のこと、これは斉藤にも原理はわからないがそういうことができるらしい

一方的にでも連絡がとれる協力者なら俺と智昭くんになにか頼むかもしれないとも言った


待ってくれ、あの人面白いことに見境ないからヤバイ気がするんだが…


そして斉藤は徴兵の概要について話してくれた


すごく厳しい徴兵ではなく、割りと配慮があるとのことだ


該当するのは20歳以上40歳以下までの独身男性である

結婚後1年以内に子供ができない場合、翌年にはその既婚者も該当する

免除されるのは妻の妊娠発覚から子供が小学生に上がるまでで、それまでにまた子供ができた場合はまた免除される


とまぁあまり詳しく覚えてはいないが大体こんな感じだ

未成年、女性は志願すればなれるとか


故に智昭くんはこれからしばらく徴兵されることはないだろうし、未婚子無しの俺と英一はさっさと励まないとまた翌年にはまた戦いに明け暮れなければならない…

もっとも、帰ってこれたらの話だが


そこで俺は戦争の相手が気になった


どういう状態なのか?第二次大戦がまだ続いてる訳ではあるまい


「日本が戦ってるのはどこなんです?」


「ドイツ… “ナチス”だよ」


なにナチスだって?

ナチスってあれかい?あのヒトラーと逆卍の?


「俺の記憶だと第二次世界大戦でナチスは…」


「そう“君”の世界ではね…

ここでは大戦中にイギリスに勝ったドイツはソ連に対し有利になり、中国韓国と次々に領土を広げた… アメリカとドイツの板挟みになった日本はアメリカの下に付き均衡状態が続いている… 

あのヒトラーというのは実に巧妙だね、君の世界のヒトラーとはなにが違うんだろうねぇ?」


…まるでヒトラーがまだ生きていそうな言い方だが

俺の中ではヒトラーなんてのは暴走チョビ髭オヤジだ「チクョウメェ~!」ってイメージが強い

それは俺の歴史的知識が中学生以下であるというのもあるが


そういえばある本でヒトラーは“聖なる槍”を持っていたと聞いたことがある、ある漫画では「ドイツの科学は世界一ィィィ!!」なんてセリフもあるし、あの戦時中に大真面目に不思議実験もたくさんやってたらしいからなんか秘密があるんだろうな、宇宙人と仲良しとかさ


もしかしたら赤の世界の“聖人”みたいなヤツがこっちにいたりして


「近いうちにこの町にも襲撃があるかもしれない、やはり調べれば調べるほど危険な世界だ… 今日の調べでソフトスポットも大体の位置は掴めたが、急がなくては」


もうそんなに進んだんだ… 

マジいらんな俺… 


斉藤は… 世界を渡り歩いてなにがしたいんだろうか…?

自分の世界に帰ろうとは思わないのか?家族とかいないのか?


いずれ斉藤の目的もわかるんだろうか… 俺はその目的のための踏み台に過ぎなかったり、その過程のほんの気紛れだったりするんだろうか…


だとしても… だ

俺は青い空の下に戻り、家に帰りいつもの生活に戻るだけだ



ところでいい匂いだ、カレーかな?


「夕食の用意ができましたよ」


「あぁそんな時間か、ありがとう北白河君」


あ、景子さん… 景子さん晩御飯作ってたのか…


景子さんの… ご飯… う!頭が!


「功一くん…」


「あ、はい…」


「もし嫌なら、無理に食べる必要はないわ…でも今回は味もしっかりしたつもりだから、よかったら食べて?」


「や!もちろんです!食べますよ!是非とも食べさせていただきます!」


そうして俺は景子さんの用意したカレーを受け取った、彼女もいささかソワソワしているように見受けられる

あのクールビューティーの景子さんだが、やはり俺の評価は堪えたらしい、すんませんでした土下座不可避


俺はゆっくりとカレーを口へと運びそれを噛み締める… 


んー…懐かしい… カレーって旨いよねぇ、ラーメンの次の次くらいには好きだわ(ランク変動あり)


「美味しいです」ニッコリ


「そう、良かったわ」


土下座はしなかったが、静かに笑う景子さんを見てこれは許されたと勝手に決めた

よし、これで問題解決だ



あ、肉食えた



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