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異世界ライダー  作者: 燃焼リング
第2章 異世界放浪
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第14話 徴兵制度

彼の名前は花川智昭


年齢は30才


結婚して娘が二人、嫁の名前は「花川(はなかわ)(はる)


仕事は街の観光職員


どこにでもいる幸せな中年… 

これが俺の知るこの男である


この“智昭くん”は俺を知っている、この事から俺の世界と同じく俺達は友人同士であるとわかる


ただ家族構成とか仕事とか向こうと同じとは限らない

独身かもしれないし奥さんが違う人で子供も男の子かもしれない


なら、迂闊に踏み込んだ話はできない… トラブルのもとだ


だが… とりあえず話をしてみたい


自分の知っている彼ではない

俺はそれでも久し振りの友人の姿に心を踊らせた、自分を知ってる人というだけで安心できたからだ


「“なんでいんのさ”だなんてずいぶんご挨拶ですねぇ、ちょっと傷付いたじゃないですかぁー」


なんて冗談混じりに言ってみる

彼は彼だがまったく同じではない、軽くジャブでいこう


「ハハッ!いやだって徴兵されたからさ、そう思うでしょそりゃ」


「徴兵…?」


「今ごろ戦場で銃ブッぱなしてるとこかと思っていたんだけど…」


徴兵か…

あの強制的に軍人にさせられるあれのことか


なるほど、斉藤が言っていたな戦争をしていると…

終戦してるかもなんて言っていたが、どうやらそんなことはないようだ…

ということはここの俺は戦場にいるわけか


さてどうする… 隠すか?


「あ、もしかして彼女妊娠してたとか?」


「え…?妊娠?」


嘘… 結婚もしてないのに妊娠させちゃういけない男なのか俺は、心当たりはあるけど…


「そうでしょ?徴兵とかクソ食らえだから励みますわって言ってたじゃん!」


マジか…

俺そんなやつなのか…


これはつまり子供もがいたら免除されるってことなんだろうか?

多分それで当たりだな、何故なら智昭くんは徴兵されていない


「子供できたら徴兵されないんでしたっけそういえば?」


「そうそう!行ったあとに妊娠分かっても帰れる!だから“英介”(えいすけ)にも言ったんだよヤりまくったほうがいいってさ!」


やっぱりだ!冴えてるぜ水橋!


そしてまた久し振りの名前を聞いたぞ

“英介”か… どうやらこの世界でも俺達三人は友人らしい


英介… 智昭くん同様ツーリングに行った友人、先頭を走った男だ


「子供できたなら一人でなにしてんのかなーって思ってさ」


う… この人は鋭いなこっちでも

ややこしくしそうだ


「なんか話しかけようと思ったらトイレに駆け込んでささっといなくなるしハンバーガー放置してくし…なかなかエクストリームなことやってるなぁって見てたんだよ」


「いやちょっと… 今日はお休みですか?」


「あぁちょっと用事あってね、一人で動いてた」


しかしそこから見てたのか、どうしようか…

そらもう不審者全開よな今の俺は


俺はこの人に隠し事するのが苦手だ、つい話してしまう… と言うかすぐにバレると言うか

俺が隠し事苦手なだけかもしれんが… 

多分こういうのがうまいんだろうこの人は、営業とか得意だもんな


わかった…

話したほうが楽かもしれないな、この御方は信頼に足る男だ

それに彼は俺同様オカルトやSFに寛大だ、UFO見たことあるって言ってたし


意を決した

違う世界でも友人であることに変わりはない、もっともこっちの俺との友人関係だが、それはこの際些細なことだろう

さてこの智昭くんがこっちの方面に寛大だといいが…


「智昭くんってSFとか好きでしたっけ?」


「え?随分話変えたね…」


「いや、関連事項なんすよ」


「SFっていうか俺達よくUMAとか宇宙人の話とかするじゃん、もしかしてなんか面白い話あった?」


よしビンゴ!この人変わらんわ!


「そういう意味で見てもとても面白い話になりそうですよ…らい」


俺は「信じられないと思うでしょうが…」と前置きをして自分が違う水橋功一だということを話した…

彼は最初は把握できなかったのかぽけーっとしてたが、徴兵制度があるのに俺がいる矛盾やこちらとの違いについて話すと次第に事を把握したのか目を丸くして話を聞いていた


「どうです?信じられます」


「いくつか質問していいかい?」


彼の質問はこうだ…


自分の家族構成を答えろ

嫁「春」 娘「梨子(りこ) 香代(かよ)


英介は独身?

既婚 嫁は早織(さおり) 子無し


功一の童貞を奪ったのは

くっ!これは…!あなたの紹介してくれた美樹(みき)ですよ!


なんだか最後のは胸を抉られた気分だが

これで気が済むならまぁ構わん…構わんさ…

やれやれ苦い思い出だ


「わかった、なるほどね…」


智昭くんはそう言うとこちらとの違いについて教えてくれた


まず家族構成について

奥さんは春さん、同じだ… 違ったらどうしようかという不安はあったがこっちでも同じだった

なにか運命力のようなものが働いてるのかもしれない

けれども娘は現在一人で梨子ちゃんだけらしい…

しかし春さんは妊娠していて女の子なら香代にしようかと思っていたそうだ


ここで早速ズレがでたか…


英介は結婚していない、ただ戻ったら記念にプロポーズすると言ってたそうだ

相手は同様「早織」だ


智昭くんは最後に驚くべきことを教えてくれた


なんと俺の初めては優香(ゆうか)さんという歳上の女性で高校生の時に済ませているらしい…


え… 優香さんってマジか… いろいろしてくれそうではあるけど…


彼女にも覚えはある、今は連絡こそとってないが古い知り合い程度の仲だ

あの人は5個上だからな、きっと性格の不一致で別れたんだ、高校生はまだまだ子供だから迷惑かけたことだろう


俺が過去にどんな恋愛をしたかとかはどうでもいいんだ、優香さんとはどうだったんだよ!ちくしょー!


「それで… どうです?」


緊張が走る… 彼も笑ってるふうではないし、俺も真面目な顔をしていただろう

少し間を起き彼は答えた


「偶然にしては辻褄が合いすぎているね」


徴兵される時みんなで飲み会して送り出したから間違いなく行っている、向こうに行ってから一ヶ月も経っていない… らしい

いたら連絡くれるだろうし行かないように策があるなら聞いているはず、とのことだ


「わかった、信じる…しかなさそうだ!

なんか徴兵水橋ともそう違いは無いみたいだしね」


やった!

流石だぜ旦那ぁ!


俺達ははそのあと異世界について話した


無論言えないこともあるので伏せるとこは伏せた

仲間二人のことも一応伏せた


この人は好奇心が尋常じゃないのでソフトスポットの話をすると“異世界入門“しそうだ

まぁ入ってもおっさんに帰らされるんだろうけど… 智昭くん変なとこで冷静だならなぁ、おっさん出し抜くかもしれん…


最後に気になってることがあった俺は智昭くんに質問をする


「あの…俺も聞いていいです?」


「いいよ、なに?」


「俺の彼女って… 誰です?」


「あぁ“絵理”(えり)って知らん間に功一が知り合ってた子だよ」


おお… お、同じだ!これが運命の力か!

やはり運命の赤い糸とかあるんだろうか?


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