異なる場所に転移する
「異世界ぃぃ~~連れてけっ!」
男が魔方陣の中で叫ぶ。
「………」
しかし何も起こらない。
「ちょっと、あんた! ヒマしてるなら料理の手伝いぐらいして頂戴!」
男の女房が魔法で薪に火をつけながら怒鳴る。
すると男は慌てて
「もうこんな時間だ! 畑の見回り行ってくるから、じゃっ!」
家を飛び出していった。
「ふぅ、危ない危ない。面倒な事になるとこだった」
男は独り言を呟き畑に向かった。
「しかし、時間的にはちょっと早いし、さっきの続きでもするか」
そう言うと男は魔方陣を書き出した。
「よし。続き続き。・・・異世界ぃぃ~~連れてけっ!」
男の姿が消える。
男は洞窟の中にいた。
「成功したのか?」
男が洞窟から出るとそこは
「………なんとなく見覚えがあるな」
男はまた魔方陣を書き
「異世界ぃぃ~~連れてけっ!」
叫ぶ。男の姿が消える。
男は草原にいた。
周りを見渡すと男は
「とりあえず帰るか」
と呟いた。
男はまた魔方陣を書き
「元の世界にぃぃ~~戻れっ!」
男の姿が消える。
男は元の畑へと続く道に居た。
「戻ってきた」
男はとりあえず畑仕事に向かった。
畑仕事が終わり、男はさっきの続きをする。
「異世界!」
男の姿が消える。
男は家の前にいた。
「なんか、見覚えしかないけど入ってみるか」
ドアを開け中に入ると
「あれっ! おかえり。ずいぶんと早く帰って来たね」
男の女房がいた。
男は異世界転移ではなく自世界転移をしていたのである。
男はそれから異世界転移を諦めたのだった。




