プロローグ「俺曰く一目惚れは絶対」
俺、風見 大志は高校生という響きが好きだ。立ち位置が好きだ。これから迎える三年間が好きだ
なぜなら義務教育の枠を出て、だが大人なるにはまだ少し早い、そんな時期だから。一番、青春を謳歌できるそんな時期だから。恋に全力を注げる、そんな時期だから!
「いや、お前それ平常運転だろ」
俺がこれから始まる高校生活に胸踊らせながら通学の道のりを歩いていると隣を歩く川上 竜也に横槍を入れられた
「いやいやいや、お前なめてるだろ。高校なめてるだろ?」
そんな竜也に俺は高校生とはなんたるやを説いてやることにした
「中学生という真っ青に青臭い時期を脱し、なおかつ熟れるにはまだ早いそんな甘酸っぱい時期なんだぜ高校生は!」
「中学時代50戦50敗に言われても腐臭しかしねぇけど…」
昔のことをぐちぐちとうるさいやつだなぁ
「それは昔までの俺だ。だがしかし、今日この日、入学式からの俺は違う。一味どころか三味くらい違う」
「その発言のセンスのなさから今まで通りを感じるよ」
「見てろよ、在学中に俺は恋人を作るからな。めっちゃ可愛い彼女を作るからな。キャッキャウフフな三年間を送って見せるからな」
「いや、まぁそろそろ幸せなお前を見てみたいから応援はしてやるよ。頑張れ、本当に」
そんなくだらないやりとりをした、高校入学の朝
「俺、生徒会長に惚れたわ」
そして、その日の昼には、恋をしていた