エピローグ
「どうしてあの二人が生きてるの? 確かに始末した筈ではなかったの?」
皆本清十郎の野心を刺激し、また陰から支援することで起こさせた帝国内でのクーデター。
それが二年前に始末したはずの円卓第1位と第14位の邪魔によって失敗したとの報告を受けてから早半月。
もはや口癖のようになってしまった言葉をジョセフィンはぶつぶつと呟いていた。
興奮冷めやらず思わず声を荒げると、気づいた時には両の拳をワナワナと握りしめてホテルの豪華な机に叩きつけていた。
ガシャッと音を立ててカップからコーヒーが零れたが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「最悪だわ……」
言いながら、落ち着きなく足を組み替える。
今回のクーデターに合州国が一枚噛んでいることがバレた以上、必ず帝国からの報復があると見ていい。
だが、ジョセフィンがこうも焦っているのは、帝国との本格的な戦争が始まりそうだからという理由だけではない。
帝国と戦端を切り開くための準備ならこの三十二年でとうに終えている。
それどころか、合州国軍は今すぐにでも帝国へ侵攻出来る状態だった。
清十郎のクーデターが成功しようがしまいが、どのみち合州国は即座に帝国へ向けて軍を差し向けるつもりだったからだ。
合州国が清十郎のクーデターを支援した目的は、四橋重工を押さえて肆十無湊の天才的頭脳の産物であるオーバーテクノロジー『重力子エンジン』を手に入れるためだった。
全長750キロに渡るスカイリニアの線路を浮かせ続けているあの重力制御技術も魅力的ではあるが、あくまでもそれは目的の副産物。
本命は帝国全土の電力を一基で全てまかなってなお片手間仕事といわれるその発電機能である。
中東を始めとする産油国の石油資源が枯渇の兆候を見せ、原油高が進行する昨今、次世代エネルギーの確保は世界的な急務となっている。
もちろん合州国とてそれに対してただ手をこまねいているわけではない。
シェールガスや海底に眠るメタンハイドレートの採掘、人工石油の実用化などあらゆる計画が進められているが、そんな中でも本丸と目されているのがルナリング計画。
一国の経済力だけでは実現困難なため、世界中の国家が協力し合って進行中であるこの一大計画は、巨大な太陽光発電装置を月の外周にぐるっと敷き詰め、集めた電力をマイクロ波に変換して地球の受信機に送り、地球で再び電力に戻すというとてつもなくスケールの大きいものだ。
地球と違って月面の大気は薄いため、地球上よりも太陽光発電の効率がはるかに良い。
そのため、ルナリング計画で生み出される電力だけで、地球全ての必要エネルギーがまかなえるだけの量が得られる予定になっている。
この壮大な計画が実行に移されたのは三十年前。
しかし完成までには今よりさらに二十年の歳月が必要となる。
これが実現すれば地球上のエネルギー問題が全て解決すると言われているものの、残念ながらまだまだ先の話で即効性は期待できない。
とはいえ、エネルギー問題が解決するということは、地球上の戦争の理由のほぼ三分の一が解決されることになるといってもいい。
正に夢の計画。
――しかし、そううまくいくのだろうか。
現在も着々と無人ロボットによって月面にソーラーパネルを敷き詰める作業は続けられている。
だがもし何らかの理由でソーラーパネルが壊れてしまったら?
パネルでなくても送電機、あるいは受信機が故障、もしくは破壊されてしまったら全世界の電力供給が一斉に止まってしまう。
むき出しの弱点を持つルナリングは事故やテロに弱い。
もしも地球上の全エネルギーがルナリングに依存した状態でそれが失われてしまうようなことがあったなら、地球上の文明は瞬く間に壊滅してしまうに違いない。
そんな最悪の事態を回避するため、合州国や日本ではそれとは別に核融合発電の研究も進められているのだが、残念ながらまだそれは実用段階には至っていない。
だが、幸か不幸か、そんな未知数なものよりも、安定的なエネルギー供給を確保するのにもっと確実で手っ取り早い方法があった。
そう、帝国の誇る重力子エンジンを手に入れてしまえばいいのだ。
そして、今回予定している帝国侵攻はそのための重要な足がかりでもある。
核融合発電を遥かに凌駕すると言われるそのエネルギー量。そして放射性物質を一切発生させないクリーンさ。どちらも発電装置として理想的な条件だ。
それさえ確保できたならば、もう合州国にとって清十郎は用済みの存在だった。
酷い裏切り行為だと清十郎側は我々のことを非難したかもしれない。だが、そもそも彼との取り決め自体が表立ったものではないので、文句を言われたところで知らぬ存ぜぬを通してしまえばそれで済む話だった。
だが、結果としてクーデターは失敗し、真の標的である清十郎も皇帝の手で処刑されてしまった――。
……とまあ、このような経緯があるので、こと帝国との開戦という点に関して言えば既定の路線からそう大きくは外れていない。
想定外だったのは、合州国にとって最悪の二人が生きていたことだ。
特に肆十無湊の生存が確認されたことは、由々しき事態と言ってもいい。
三十二年間の血の滲むような努力の結果、やっと帝国との技術差が埋まりつつあるという所まで漕ぎ着けたというのに、彼のテコ入れによって再び引き離されてしまう可能性が出てきてしまったからだ。しかも、今度は追いつけないほどに遠くまで。
いや、その懸念は既に手遅れかもしれない。
そもそも彼が帝国に戻ってからこのクーデターまでの二年間、大人しく静観の姿勢を貫いていてくれたとは到底考えられないからだ。
二年といえば長いように思えるが、新しい兵器を開発するのに決して十分な時間とは言えない。
だが同時に、実現不可能なほど短い期間でもないのだ。
合州国軍は既に臨戦態勢にあるとはいえ、事前に想定された敵のレベルを引き上げ、艦隊の規模を当初の予定より大幅に拡充させなければならないことは間違いないだろう。
それともう一つ深刻な問題がある。
合州国は二年前に対帝国用の切り札の一つを彼に見せてしまっているということだ。
本来ならば「死人に口なし」で目撃者も残されていないはずだったのだが、あの二人が実は生きていたとなると話が大きく変わってくる。
相手が既に対抗手段を確立しているという前提で考えておかないと、逆にこちらが痛い目を見ることになりかねない。
加えて、今回のクーデターの一件では人的喪失が大きかった。
今回のクーデターで帝国は円卓である皆本清十郎とその部下で天野大輔を筆頭とする階位騎士十八名を失っているが、行方不明とされていた円卓三人と階位騎士五名、そして何より皇帝自身の復帰は、その穴を埋めておつりが出てしまう。
それに比べて合州国は、ケイビスパーク大佐を筆頭に彼の麾下の部隊の優秀な能力者たちをただ無意味に消耗させてしまった。
これから始まるであろう帝国との戦いを考慮すると、今回の作戦で喪失した戦力は質量ともに極めて深刻なレベルだと言わざるをえない。
それもこれも肆十無湊と霧咲円が生きていたからだ。あらかじめその事実を知ってさえいれば、別のやりようだっていくらでもあったはずなのに……。
だが、いまさらそんな泣き言を言っても始まらない。
それにしても彼らは一体どうやってあの状況から脱出したというのだろうか。
ミサイルを発射した基地のレーダーでは間違いなく撃墜は確認されていたし、現場海域からは肝心の遺体やエンジンこそ上がらなかったものの、主翼を始めとする機体の残骸は見つかっている。
軍部の解析の結果からそれは間違いなく『燈火』と同型機のものであるとの結論も出された。
つまりその残骸は『燈火』のプロトタイプである『神無』のもので間違いないだろうと思われていたのだ。
もちろん撃墜されるまえにパラシュートで脱出していたという可能性もあるが、撃墜直後、真っ先に合州国の部隊が現場海域に到着している。
帝国側がその部隊の目を盗んで湊たちを回収することは状況から考えておそらく不可能だろう。
考えられるとしたら能力者の力によってということになるが、こうなると逆に心当たりがありすぎてさっぱりわからない。
「……こんなところでグチグチ考え込んでいても結論は出ないわね」
独りごちて、ゆっくりと椅子から立ち上がる。
と、まるでタイミングを計ったかのように、ジョセフィンのバッグの中の携帯端末がジャカジャカとメロディを奏で始めた。
半世紀以上も前に世界を席巻したエングランド人四人組の代表曲だった。
画面でコール主を確認して思わず顔をしかめる。
メモリに登録されていない番号だったからだ。
ちなみに今鳴っている電話機はジョセフィンのプライベート用のもので、家族を含めごくごく親しい者にしかその番号を教えていない。
従って、間違い電話やいたずら電話でもない限りは、登録してない番号からのコールを受けるわけがないのだ。
電話に出るかこのまま無視してやり過ごすか暫し悩んだが、コールが止む気配が全くないので仕方なくジョセフィンは通話ボタンを押した。
どうやら相手は自らの姿をこちらに晒すのを拒否しているようで、本来ならば空中に投射されたディスプレイに映るはずの相手の姿はなく、音声通話のみでの通信という十年以上前に廃れたスタイルでの接触だった。
「……もしもし?」
まるで目隠しされているみたいな不安を抱えながら恐る恐ると声をかけると、端末の向こうから、
「やあ、お久しぶりですね。ミセス・ローレンス」
流暢なエングリッシュで、若い男の声が返ってきた。
「あなた、誰っ? どうしてこの番号を知っているの!?」
この電話の相手は自分の正体を知っている……そのことに軽いパニックを起こしながら、ジョセフィンは握りしめた携帯に向かってヒステリックに叫んだ。
「まあまあ、大国の大統領ともあろう人がそんなに取り乱しなさんな」
男は慌てふためく彼女を揶揄するように笑うと、
「俺が誰だか分からないのか? なら、その部屋の窓から外を見てみればいい」
と、楽しげな口調で告げてきた。
「外?」
物陰に隠れながらも、男に言われるまま外に視線を向けてみる。
今ジョセフィンが宿泊滞在しているスイートルームはホテルの最上階にある。
その窓から見下ろすように広がる右手の大きな公園、続いてホテルのエントランスに繋がるメインストリートに視線を這わすが、警備員以外人っ子一人立っていない。
左手にはこのホテルの別館の建物があるが、その前にもそれらしい人影は見られなかった。
「どこ? どこにいるの?」
不安に駆られてキョロキョロと視線を彷徨わせる彼女の姿を嘲笑うかのように、青年は耳元で優しく囁いた。
「どこを見ているんですか? 俺がいるのは下じゃないです。正面ですよ、正・面!」
「正面と言われても、どこにも人影は……」
目の前に広がるのは街の中心に向かって突き進むメインストリート。そしてそれを挟むように広がる小さなビル群である。
そしてその先、遥か前方にあるのは、この都市のランドマークである超高層ビル……。
「まさか!」
ジョセフィンがハッとして声を上げると、まるで彼女の頭の中を読んだように、
「ご名答! 間もなく君の部下が道具を持ってきてくれるはずですから、それを使ってご対面といこうじゃないですか」
電話の向こうの声が言った。
間もなく、彼女の部屋のドアが何者かによってノックされる。
予め決められたノックのタイミングと回数――彼女のSPだった。
招き入れると、一つの紙袋を渡された。
それほど大きなものではないが、ズシリとした重さが手に伝わってくる。
「大統領宛にロビーに預けられていたものです。爆発物や盗聴器の類は仕掛けられていないことは確認してありますが……これで何を……?」
SPは首を傾げたが、ジョセフィンにはおおよそ中身の見当はついていた。
「ありがとう。貰っておくわ」
にっこり笑って受け取り、おもむろにその袋の中身を取り出すと、彼女は飛びつくような勢いで窓際に移動した。
受け取った品物のスイッチを入れるとランドマークに向けて覗き込む。
低いモーター音とともに自動的にピントが調整され、目的の場所が拡大されて映しだされた。
ビルの屋上を左側から逆端に向けてなぞるように視線を移していくと……。
(いた!)
屋上のちょうど真ん中あたりに四人の若者の人影が見えた。
黒い眼帯をした青年がこちらを向いていて、その青年にベタリとくっつくように寄り添っている銀髪の美少女は何やらしきりに携帯をいじっている。その隣ではスラリと背の高いモデル張りのスタイルをした美女と、小柄な黒髪の美少女が互いに何か言葉を交わし合っていた。
「姿を確認したわ。ミスターミナト、お久しぶりね」
努めて冷静を装ってジョセフィンが言うと、隻眼の青年はこちらに向かって挨拶するように軽く手を振ってみせた。
しかし、彼のこの爽やかさが癖者なのである。
「大統領閣下につきましてはご壮健のようで何よりです。おかげさまで俺の方も何とか元気にやっていますよ。それと……二年前には俺たちの見送りのためにわざわざあんな高価な花火を打ち上げて頂いてありがとうございました」
相変わらずの切れ味たっぷりな嫌味がチクリと受話器越しに耳に突き刺さって、ジョセフィンは思わず顔をしかめた。
二年前に湊たちに向けて発射した対能力者用戦闘機迎撃用ミサイルには一発六百万ドル、日本円に換算して約六億円もの費用がかかっている。
こうして彼らが生きている以上、ただの打ち上げ花火だと揶揄されても仕方がないところではあった。
だが、このまま言い負かされているわけにもいかない。
「いえいえ。こちらこそお見送りのための花火が偶然にもそちらの国の渡り鳥を撃ち落としてしまったみたいで、本当に申し訳なく思っていますわ」
ほほほと上品に笑ってみせる。
ミサイルが撃墜した能力者専用戦闘機『神無』の開発費は、どんなに少なく見積もっても数千億、下手すれば兆を超える単位のお金がかかっているはずだ。
もちろん量産配備されているわけだから一機あたりの値段はそこまではいくまいが、最低でも数百億円はするだろう。
一発五億のミサイルで数百億の戦闘機が撃墜できたのならむしろ安い買い物といえた。
かつて一機約三億六千万ドル(約三百六十億日本円)もしたF-22ステルス戦闘機ラプターや、X-47B無人ステルス戦闘攻撃機ペガサスを何十機も落とされた合州国としては、ようやく溜飲が下がったところであった。
「……渡り鳥? それは何のことでしょうか」
「隠さなくてもいいんですよ。こちらは海に翼が落ちているのを見つけていますから」
とぼけようとした湊に追い打ちをかける。
「翼……ああ、翼ですね。あれ、見つけちゃいましたか?」
「はい。見つけちゃいました。こちらで厳重に保管させていただいてますよ」
「おやおや、それは困りましたね……」
お互いに心のこもっていない愛想を振りまいてニッコリと微笑み合う。
「………………」
「………………」
「それじゃ、お手数ですが宅急便で至急送り返していただけますか? 着払いで結構ですよ」
「いえいえ、あれはこちらできちんと処分致しますからおかまいなく」
貴重な『神無』のサンプルを易々と返すわけにはいかない。
「それはそれは。そちらの海にこっそりと捨てて逃げた壊れた『燈火』の翼をわざわざ拾っていただいた上に、粗大ごみの処分までしていただけるとは……不法投棄のお叱りを受けるかと思っていましたが……さすがは合州国。懐が広いですね」
「…………は? 『燈火』?」
思わず首を傾げてしまう。
二年前、湊は確かに自分が搭乗した戦闘機のことを『神無』と言ったはずだ。ならば、海に落ちた破片は『神無』のものでないと辻褄が合わないではないか。
「ええ、『燈火』ですよ」
事もなげに彼は言った。
「ふむ。どうやらあなたたちは大きな勘違いなさっているようですので、ここで一つ訂正しておきましょうか」
厳かな口調で彼が言うと、隣の銀髪の少女が笑いをこらえるように口元に手を当てていた。
「二年前、こちらの渡り鳥はそちらの花火には撃ち落されていません。従ってそちらがその件に関して気にする必要は全くないという訳です。こちらがたまたまその近くによく似た粗大ゴミを不法投棄してしまったために、そちらに事実を誤認させてしまったようで……それについてはこの場を借りてお詫びさせて頂きます。大変申し訳ありませんでした」
はるか遠いビルの上で、湊が優雅に一礼するのが見えた。
(騙されていた!?)
タネを暴露した後の悪戯っ子のような表情を浮かべている湊に軽い殺意さえも覚えながら、ジョセフィンはギリリと奥歯を噛んだ。
「そんな……『神無』のスペックであのミサイルを振り切れるはずが……」
二十年前、帝国内の反皇帝組織のリーダーで、皇帝や円卓筆頭霧咲円と並び称される最強能力者の一人でもある『奇跡なる聖櫃』梶原隆成率いる一団が、帝国から『燈火』八機と指揮官仕様の『轟炎』一機を強奪して、そのまま合州国に亡命してきたという事件があった。
その機体から得たデータと、第二次太平洋戦争の際に計った『神無』のデータを元に合州国の対能力者戦闘機用ミサイルは開発されている。
仮に『神無』があとマッハ1か2早かったとしても余裕で捕まえることが出来るように設計されているし、そもそも当時レーダーに映っていた機影も撃墜ポイントで消滅していたはずだ。
「もう一つ訂正しておきましょうか」
湊は言った。
「あなたたちは『神無』が『燈火』の単なるプロトタイプだと思っているようですが、そもそもこの二機は全く違うコンセプトで開発された別型機です」
「別型機?」
「ええ、人間で言うなら、親子でも兄弟でも親戚でもない全くの赤の他人というわけですね。あなたにだって飛行機とスペースシャトルが似て非なるものだということくらいは分かるでしょう?」
「……ええ」
かなり馬鹿にされている気がしたが、しぶしぶと同意する。
「それと同じように、『神無』と『燈火』は全くの別物。そもそも搭載されているエンジン自体が異なる推進方式によるものです」
「エンジンの推進方式が……違う?」
彼のその言葉は、合州国の大統領として聞き捨てならないものだった。
合州国の主力戦闘機である第6.5世代型ジェット戦闘機F-26B『スタルマⅡ』がターボファン方式のジェットエンジンなのに対し、『燈火』とその兄弟機である『轟炎』はリニアエンジンと呼ばれる未来のテクノロジーを搭載している。
だが、合州国としてもそうそう帝国に置いていかれる訳にはいかない。
科学者たちの血の滲むような解析と研究開発の結果、近年ロールアウトしたばかりの合州国第7世代型戦闘機F-29『グレイ・フェニックス』用のエンジンとしてこのリニアエンジンを開発することにようやく成功したのだ。
しかしこのリニアエンジンはコア部分にブラックボックスが多く、機体を帝国から得てから二十年、合州国の優秀な研究者たちを総動員して解析にあたっているが、いまだに完全には再現することが叶わないという途方もないシロモノだ。
したがってグレイ・フェニックスのエンジンも帝国のリニアエンジンの完全なコピーという訳にはいかず、素材やシステムが間に合わせの劣化版であるに過ぎない。
だがそれでも既存のエンジンに比べると出力が桁違いなのだ。
そんなものを独自開発したというだけでも驚きだというのに、その裏でもう一つ別方式のエンジンを開発していただなんて、そんな馬鹿げた話を易々と信じることはできない。
「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか」
「そんなことを言われても……」
驚くなという方が無理だ。
「いいえ、驚く必要はないんですよ。だって、あなたはもう既にそのエンジンの存在を知っているのですから」
「嘘よ……」
「嘘じゃないです。というか、そもそもあなたたちはそれが欲しくて、皆本のバカたれをそそのかしてクーデターを起こさせたのでしょう?」
湊の言葉を聞いた瞬間、ジョセフィンの全身にザワリと鳥肌が立った。
「まさか! まさか、重力子……エンジン?」
「正解! 良くできました」
「そんな……そんなに小型なものだったなんて……」
重力子エンジン――それは全長750キロもある橋を何の支えもなく宙に浮かせ続けることを可能にする重力制御装置でもあり、日本列島にある帝国領土全ての電力をたった一基(緊急用にもう一基あるらしいが)で賄っているという常識外れの発電装置でもある。
帝国の誇る重力子潜水艦(実は潜水艦ではなく宇宙戦艦だという報告も入っているが)『死屍累々』に搭載されていることからかなりのコンパクト化が進んでいるとは予想されていたが、まさかそれが戦闘機に乗るサイズだとは思いもよらなかった。
それに、潜水艦、戦闘機……ときたら、三十二年前に合州国軍を壊滅に追いやったもう一つの兵器にもそれが搭載されている可能性を考えなくてはならなくなる。
「もしかして……衛星兵器にも重力子エンジンが……?」
「ご明察!」
湊は出来の良い生徒を持った大学教授のようにニッコリ微笑んだ。
衛星軌道上から地上のどこへでもレールガンや荷電粒子砲、高密度レーザーでの攻撃が可能といわれる帝国の極悪兵器――それが最低四基はあるとされる軍事衛星だ。
なんとかその位置を特定しようと合州国がこの三十二年間血眼になって探しているのだが、その隠蔽は完璧でいまだに発見出来ていない。
そのこともあり、一部の研究者からは衛星兵器の存在自体が帝国のブラフではないかという声も上がっているくらいだ。
もちろんその説にも根拠はある。
衛星兵器が搭載していると言われているレールガンと荷電粒子砲、その両方には威力を上げるために莫大な電力が必要だという共通点がある。
レールガンも荷電粒子砲も技術的には今の科学技術で実現可能だ。
しかしそれを兵器として実用化するためには、膨大な電力供給が必要だという大きな壁が立ち塞がってしまう。
もちろん合州国はその問題を既にクリアしていて、二基のガスタービンで必要電力をまかなえるレールガンや荷電粒子砲を搭載したミサイル艦の配備に成功している。
しかし衛星軌道上からの攻撃となると話は違ってくる。遥か天空の彼方から荷電粒子砲で地上を攻撃するために必要な電力は計り知れない。
いくら宇宙空間における太陽光発電のエネルギー変換効率が桁違いに良いからといって、解決できるレベルの問題ではないのだ。
従って、その両兵器を軍事衛星に搭載するのは現状では不可能だとされている。
しかし、帝国の衛星兵器が重力子エンジンを搭載していると考えると、全ての辻褄が合ってしまうのだ。
日本列島の半分の消費電力をたった一基で余裕で賄えるだけの出力があれば、レールガンや荷電粒子砲を搭載したところで痛くも痒くもないだろう。
「そもそも、あなたはなぜ『神無』が帝国の国名を冠しているのかを考えたことがありますか?」
急に真面目な口調で湊は質問してきた。
「……それは、『神無』が絶対に落とされない戦闘機だからですよ。重力子エンジンを搭載した『神無』に比べれば、『燈火』ですらおもちゃも同然です。もっとも、その『燈火』も一部はもうバージョンアップして新型の電子兵装に移行済みですが……」
「………………」
「だから、第二次太平洋戦争時にそちらがこそこそと計測したデータが、『神無』の性能の全てだと思ってもらってはいささか心外なのです。そもそも先進国ならどの国の戦闘機もステルスという昨今、レーダーに無防備に機影を晒すだなんてあり得ない話ですよ。少しは情報を疑ったらどうなんですか?」
「ただのレーダーじゃないわ。ステルス機でさえも補足できる対ステルスレーダーシステムよ」
「それはあなたたちの常識ですよね? 確かに複数のレーダーのデータをリンクして敵を捕捉する対ステルスレーダーシステムをもってすれば、通常のステルス機ならば補足可能でしょう。しかし『神無』の装甲の電波吸収性能は完璧ですからね。ステルス性を確保するために空力を犠牲にして強引に飛ばしているあなたたちの残念な機体とは一緒にしないでください」
「つまり……あなたたちは第二次太平洋戦争の際、全力じゃなかった。手抜きして合州国艦隊を全滅させたということ?」
「手抜きというと語弊がありますけどね。能ある鷹は爪を隠すと言うじゃないですか」
つまり、ジョセフィンたちが追いつき追い越せと必死に目指していた目標は、帝国の尻尾ですらなかったということになる。これはジョセフィンたちの立てていた戦略プランにとって大きな誤算だった。
とはいえ、仮に湊の言うことが本当であったとしても勝算はまだある。
帝国において『燈火』の配備数は500機程度と言われている。指揮官機の『轟炎』に至っては基本的に上位百名の階位騎士までにしか配備されていない。これはおそらく『燈火』の配備数を制限することによって機密保持を図っているのとともに、階位騎士のみが『轟炎』を駆ることが許されるという希少性をもって帝国国民の羨望と憧憬を一手に集めようとしたからだろう。
しかし、合州国が国運を賭けて配備を急いだ戦闘機F-29『グレイ・フェニックス』の総数は三千に届く。これは合州国の抱える能力者の人数とほぼ同じ数字だ。そしてこの数は帝国が配備している『燈火』『轟炎』合わせた数のおよそ5倍にあたる数字でもある。
そこへ今までの主力機である『スタルマⅡ』を加えれば更に数的優位が保つことが可能だ。
劣化版とはいえ同じリニアエンジンを搭載した機体で5倍の兵力差があれば、敵の機体がバージョンアップによって多少の性能が上がったところで数の力で押し切ることは十分に可能だろう。
確かに主力戦闘機の性能が敵国より劣っているという事実は大きな不安要素ではある。
しかしそれが結果として合州国が帝国に「敵国に劣っている技術力を大量の物量で補う」という付け入る隙を与えてくれたとも言える。
カジワラたちの裏切りによって得られた敵機からのリバースエンジニアリングという運的な要素が大きかったとはいえ、少数精鋭主義を採用した帝国の方針が結果的には完全に裏目に出てしまったのだ。
仮に帝国が今から慌てて『燈火』を増産にかかったとしても、この戦いには絶対に間に合いはしない。
なのに……。
(気に入らない……)
ジョセフィンは思った。
先ほどの湊の話が本当ならば、重力子エンジンを搭載した『神無』は確かに脅威だ。
だが、所詮は戦闘機。たった三機しかない以上、戦局を覆すというところまではいかないだろう。
その程度のことは湊ならば痛いほどに分かっているはずなのだ。
なのに平然と構えた彼のこの余裕の態度。本当に気に入らない。
そんなこちらの心の内を知ってか知らずか、湊は「やれやれ……」とジョセフィンを憐れむような、嘆息交じりの口調で、
「というか、そもそも『神無』は戦闘機じゃないですけどね」
こちらの虚をつくような、到底理解しがたいセリフが耳元で囁かれた。
「……どういうこと?」
「どういうこともなにも、あなたも思ったよりもニブイ人ですね」
湊はくくっと喉で笑う。
「重力子エンジンを搭載した『神無』は重力制御出来るんです。これがどういうことだかお分かりですか? 重力制御できるということはつまり機体も操縦者もGの呪縛から完全に解き放たれているってことなんですよ」
「――――!!」
湊の言葉にジョセフィンはかつてない衝撃を受けてハッと顔を上げる。
彼の言う通りだった。
確かに『神無』は戦闘機ではない。あんなものが戦闘機であるはずがない。
重力の枷を外されたということは、理論上どのような機動も可能になるということだ。
仮に超高速移動をしている最中で突然直角に曲がったり、前進していて突然急停止やバックをしたとする。
通常ならそんな機動は不可能だし、出来たとしても強烈なGで機体もパイロットもグチャグチャになってしまうところだ。
しかし、重力制御が可能な『神無』にならその程度の動きは朝飯前だろう。
ジョセフィンたちはそんなものを戦闘機とは呼ばない。
それはもはや未確認飛行物体と呼ぶべきものだ。
この話を聞いたら合州国の科学者たちはおそらく仰天し、鼻血を吹いて倒れてしまうに違いない。
それほど信じがたい技術だった。
しかし、だからといってショセフィンは臆したりはしない。
能力者専用戦闘機用ミサイルが無効化されたとしても、合州国には戦術高エネルギーレーザー兵器を始めとする対抗策がまだ幾つも用意してある。
『神無』が帝国に三機しかないという事実も変わらない。局地戦では苦戦するだろうが、それだけで大局は動かない。
戦術上の不利など、戦略レベルでいくらでも覆すことができるのだから。
とはいえ、手札が全て判明していると思っていた帝国側にもそれ以上の奥の手があると判明した今、至急戦争プランを練り直さないと手痛い敗北を喫した過去の二の舞になってしまいかねないのもまた事実。
それに湊がこんな簡単に己の手の内の全てを晒してくれるような生温い相手だとは到底思えない。きっとこちらが予想することも出来ないような切り札をまだまだ隠し持っているに決まっているのだ。
(これは……場合によっては予定していた宣戦布告を延期する必要も出てくるかもしれないわね……)
苦虫を噛み潰したような表情を隠そうともせずにジョセフィンは思考を巡らせた。
しかし大国の傲慢さからだろうか、この時のジョセフィンは「戦争が必ずしも自分たちの方から一方的に起こすだけのものではない」というごくごく基本的な事柄をすっかりと失念していたのだ。
「まあでも、今日こうしてあなたを訪ねて来たのには別の用件があるからですし、この話はもう終りにするとしましょう」
時間もありませんしね……と彼は付け加えた。
「時間がない? なんのことかしら?」
「雑談が楽しくて随分と時間を取ってしまいましたが、ここからが本題です。よく聞いてください。いいですか?」
「……ええ」
「間もなく帝国は皇帝の名において合州国に対して宣戦を布告します。そしてその二時間後、挨拶がわりにワシントンにあるホワイトハウス、その中でも合州国政府の中枢であるウエストウイングを衛星兵器で跡形もなく吹き飛ばす予定です。これを防ぐことはおそらくあなた方には不可能でしょう」
あまりに衝撃的な内容に、ジョセフィンは愕然とした。
「…………なっ、何を言っているの? バカな真似はやめなさい!」
声を荒げるが、落ち着き払った湊の言葉は止まらない。
「最も有名で歴史あるメインハウスはわざわざ残してあげると言っているのに、そんなにご不満ですか?」
「ご不満もなにも、ウエストウイングとはいえホワイトハウスを破壊するだなんて、これはテロ行為よ! 国連が絶対に許さないわ。分かっているの?」
「きちんと宣戦布告するのにテロとは失礼な話ですね。テロリストというのはクーデター軍に紛れて攻めこんできたあなたたちのことを言うんじゃないんですか? そちらが先に手を出したことは、証拠映像も含めてこちらからもう第三国を通じて国連には報告済みですよ。まあ、宣戦布告直後の攻撃ということに関しては我々も後から国連に色々と言われることもあるかもしれませんが……これも中立国には既に報告済みですし、先ほど言ったように先に手を出してきたのは合州国らだということを考えれば、それも特に気にする必要はないでしょう。それにそもそもが国連に加盟していない我々に国連からの通達があったところで今更ですしね。幸いなことに帝国とあなた方は国交が全くないわけですから、開戦までに自国の国民を慌てて本国に引き上げさせるような面倒事もありません。宣戦布告直後に開戦してもお互いに何の問題もないはずですが?」
「………………」
彼の主張が正論すぎて返す言葉がなかった。
「とはいえ、結果はともかくとして、戦闘行為に及ぶにあたってまず能力者を送り込んできたというあなたのやり方には個人的に賛同するものがありますけどね」
「どういうこと?」
「これからの戦争は能力者同士のぶつかり合いが中心になって欲しいという希望です。なにしろ兵器での戦闘になるとこちらからの一方的な虐殺になってしまいますからね。それはそれで構わないのですが、やりすぎてしまうと世界中の人々に帝国への恐怖を植え付けてしまうことにもなりかねませんし、そもそも帝国において能力者の特権というのはいざという時に自分たちが率先して血を流すという条件の下に与えられている訳ですから、そちらが能力者同士の戦闘を望まれるということであれば、こちらとしてはむしろ願ったり叶ったりといったところなのです。しかし、そちらがどうしても後者の方が好みだというのであれば、俺たちには別にそれに反対する理由はないです。『燈火』を駆るのも結局は能力者なのですから」
「………………」
能力者の国を排除するのに能力者の力に頼るという矛盾。
それを是正したくて技術開発を進めてきたというのに、相手に更に上をいかれてしまっているという最悪の現実。
現に自分たちは合州国の権威の象徴ともいえるホワイトハウスを衛星兵器で攻撃されようとしているのに、それを指をくわえて見ていることしかできない。
これから先、強大な科学力を有する帝国に対抗していくためには、より多くの国々と力を合わせていかないといけなくなるかもしれない。漠然とだがそんな予感がジョセフィンの頭を掠めていった。
だがそうなれば待っているのはもはや第三次世界大戦。
それは軍事的にも経済的にもあまりにリスクが高すぎる。とても安易に選べる道ではない。
しかし、その悩みとてこれから起こるだろう帝国との一戦を無事にしのげたならというのが前提の話だ。
「まあそれはともかく、ウエストウイングに詰めている副大統領を筆頭に、閣僚、スタッフを至急ホワイトハウスの外かイーストウイングの核シェルターにでも退避させたほうがいいと思いますよ」
言われなくても、電話を切った後すぐにそうするつもりだった。
「ねえ、今からでもやめることはできないの?」
虫がいいのは承知の上でジョセフィンは尋ねた。しかし……
「警告は既に二年前に済ませていますよ。マダム・プレジデント」
湊からの返答は素っ気ない。
「それともう一つ。これは俺からあなたへの挨拶です」
言い終わるや否や、ホテルの部屋にピシッと甲高い音が響き渡った。
同時に窓ガラスに小さな穴が穿たれ、蜘蛛の巣のようなヒビが全面に広がっていく。
粉々になったガラスの破片は、陽の光を浴びてキラキラと光りながら部屋の中にゆっくりと舞い散っていった。
「きゃっ、なに? なんなの!?」
突然のことに理性が追いつかず、ジョセフィンは悲鳴混じりにわたわたと逃げようとした。だが次の瞬間、左足に強い違和感を覚えて勢いのままその場にバタリと転倒してしまう。
見ると、左足の靴の踵がそっくり姿を消してしまっていた。
ライフルによる狙撃のためだと気付いたのはそのすぐ後だった。
騒ぎを聞きつけたSPたちがジョセフィンの周りに殺到し、身を挺して肉の壁を作った。
これ以上の狙撃は無理と判断したのか、あるいはその一発で目的を達していたのか、狙撃者はそれ以上撃ってくる気配はない。
落ち着いたところで確認をするが、幸い身体のどこにも怪我はないようだった。
「いきなり何をするのよ!」
電話越しに文句を言うと、
「はは、もう撃ちませんから慌てないでも大丈夫ですよ。あなたを殺すつもりならいつでも出来るわけですし……ね。ただそんなことをしても大統領の首から上がすげ変わるだけで意味がないことですから」
さらっと恐ろしいことを言われたが、それが決して誇張でないことは自分が誰よりも知っている。
彼にその気があるのなら先ほどの会話の最中だけで自分は何回死んでいたか分からないだろうし、今このタイミングで彼が自分を殺したところで、それによって向こうが得るメリットが見当たらない。したがって、相手にこれ以上の害意はないということだけは信じても良さそうだとジョセフィンは判断した。
尻餅をついたスカートの裾をおさえ、背筋を伸ばすと、ジョセフィンは座ったまま双眼鏡で湊たちを確認した。
彼等の様子はさきほどと変わっていないように思えたが、たった一人、彼の横に立っている銀髪の美少女だけは違った。
その右手に、細く華奢な身体に全く不釣合な軍用ライフルがしっかりと握られていたからだ。
湊との会話にばかり気を取られていたため気付かなかったが、いつの間にか彼女はその手にライフルを構え、自分に狙いを定めていたのだ。
「言っておきますが、彼女は狙いを外した訳じゃないですよ。『赤い貴婦人』の代名詞、確かに撃ち抜かせていただきました」
言われてさきほど強い衝撃が走った左足に視線をやると、彼の宣言通り赤いハイヒールの踵部分だけが綺麗に撃ち抜かれていた。
奇しくも、それは二年前、湊と初めて会った時に履いていた靴と同じものだった。
あの時は飛行場のタラップでヒールを破損してしまったのだが、この靴は特にお気に入りだったので、専門の職人に依頼して壊れた箇所を修理して貰っていたのだ。
「右足の踵に続いて今度は左足。いやはや因縁めいてますね」
ジョセフィンはわずかに眉をひそめた。今自分が履いている靴が以前と同じ物だということに彼は気づいていたのだ。
分かっていたこととはいえ、いまいましいほどの記憶力だった。
「さてと、挨拶も済ませたことですし、俺たちはそろそろお暇させていただきますよ」
宣言した後、湊は受話器越しにもう一言だけ、しっかりと聞き耳を立ててかろうじて聞こえるくらいの声音で囁きを残すと、次の瞬間には彼を含めて四人、まるで始めから誰もその場にはいなかったかのように一瞬でビルの屋上からその姿を消してしまった。
「ちょ、ちょっと! ミナト!」
携帯に向かって慌てて声をかけたが、いくら叫んでも通話の切れた音が虚しく返ってくるだけだった。
携帯の通話状態を解除し、双眼鏡を持った手をダラリと落とした後も、ジョセフィンはしばらくその場を動かず、彼らがさっきまでいたランドマークタワーをじっとみつめていた。
「宇宙から降る光の調べは長い長い冷戦の時代の終わりを告げる。そして……」
ジョセフィンは無意識のうちに湊が最後に耳元で囁いた言葉を口に出して反芻していた。
「…………紅蓮の皇帝が炎の時代の到来を世界へ布告する」
これで、本作は一応第一部完となります。
続きの構想はあるのでこれからも随時更新していきたいとは思いますが、さすがに今までのペースのようにはいかないと思います。できるだけこまめに更新したいとは思っていますので、長い目で見守ってあげて下さい。
あと、本作は二度目を通すことでより楽しんでいただけるように書いた……つもりです。お時間があれば、ざっと流し読みでもしてみていただけると幸いです。麻耶とか、実はかなりうかつな子であること等々が分かるかとw
も一つ、手元のデータが流用できれば、円卓の14名及び公開できる範囲での階位騎士の一覧を上げたいと思っています。あくまでもざっくりとしたものですが。これはデータ整理して明日中にでもアップできればと考えています。
それでは、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。




