11月29日 火曜日
真名、由香と共に学校を出て、バイト先へと向かう。
今日は久々のバイトで、俺たち3人は学園祭の準備やらで最近入ることが出来ていなかったから、今週は全部入ることになっている。
店に着き、制服に着替えてキッチンに出ると、チーフがいた。
適当に挨拶をしたところでちょうど呼び出しがあり、俺が行くことにした。
まあ、久しぶりだったとじゃ言え、バイトは何の問題も起こることなく終わった。
由香を家の近くまで送ってから、俺と真奈もアパートに帰った。
鈴野達は仕事の話なのか、炬燵のテーブルの上に数枚の紙が置かれている。
邪魔するのも何だから、俺は真奈の部屋に少し邪魔することにした。
「にしても、あいつら、なんで俺の部屋で話し合ってんだろうな?」
「裏央のいる空間って不思議と落ち着くんだよ?気付いてないだろうけど」
いきなりそんなことを言われてもな・・・。
「多分みんなも殆ど無意識だと思う。本当になんとなく、裏央の部屋に来てるんじゃないかな?」
そう言いながらベッドに腰掛けて、制服のリボンを解く真奈。
「さて、まずはお風呂入りたいけど、溜めるには時間がかかるから、先にごはん作ろうか?」
「ん?俺の分も作るつもりなのか?」
「もちろん。何がいい?」
当然のように聞いてくる真奈に、俺も手伝うと言って、一緒に台所に立ち晩飯と、おそらく遅くなるであろう、鈴野達に夜食の握り飯を作った。
晩飯を食べ終わり、真奈は風呂に入ると言ったので、俺は退散することにした。
「また明日ね?」
「ああ」
部屋に戻ると、鈴野達は麻里を残して皆寝ていた。
「お疲れ」
「ああ、裏央くん・・・ごめんね?勝手に部屋借りちゃって」
「いや、構わないさ。ほら、夜食だ。少しでも食っておけよ?」
ラップを取って皿をテーブルの上に置くと、礼を言いながら一つ手に取って、口に運んだ。
「ふう・・・美味しいわ」
「礼は真奈にな?もう、今日は泊まっていけ。疲れてるだろ?」
「いいのかしら?」
「だから言ってるんだよ。紙は触らないから、早く休め。明日からが余計に辛くなるぞ?」
「それならお言葉に甘えるわ。お休みなさい」
「ああ」
ベッドに麻里が入ったのを確認して、俺は風呂に入り炬燵で鈴野達と一緒に眠った。




