11月25日 金曜日 学園祭 真奈
真奈の仕事が終わるまであと1時間ほどあるらしいので、俺は妹を探すことにした。
途中で、通りかかった露店なんかを見ながら探していき、大体30分後、ベンチに座っている妹を見つけ、一緒に教室に戻った。
「結構楽しいですね?色々あって」
「そうか。後2日あるが、それも来るか?」
聞くと妹は首を横に振った。
来るのは今日だけみたいだ。
やがて真奈の仕事も終わり、学園祭を回ることになり、妹を真奈が誘ったが断られていた。
人混みに来たのは久しぶりだからそれで、人当たりしたみたいだ。
それを気遣ってか岡部がお茶を出してくれた。
礼を言うとさっきのお返しと言われたので、そうかとだけ返して、俺と真奈は教室を出た。
ノワールは俺が怖くもなんともない話をした時からずっと寝ている。
「さて、どこに行く?」
「えっと~・・・由香さん達の所に行きたい」
「じゃ、この上だな」
俺たちは由香達のクラスに向かった。
結構繁盛している様で、客はそれなりにいた。
最後尾に並び、10分ほど待って中に入ると、由香と葵が出迎えてきた。
「いらっしゃい」
「いらっしゃい、裏央くん、真奈ちゃん」
「おう」
「こんにちわ」
とりあえず席に着いてホットドッグが来るのを待っていると、由香が持ってきた。
「はい。熱いから気を付けてね?」
「はい。いただきます」
真奈が丁寧に手を合わせて、一口ホットドッグを食べた。
「あんた、大丈夫なの?脂っこいのは苦手なんでしょ?」
「ホットドッグならなんとか大丈夫だ」
俺も手に取り、一口囓る。
「美味いな」
「うん」
味はこの前食べたやつよりも良かった。
「2人はこの後はどうするの?」
「真奈が行きたい所を適当にな」
「そう。ま、楽しみなさい」
そう言って由香は別の客の所に行った。
ホットドッグを食べ終わり、教室を出て、次は講堂へ向かった。
有志のバンドやマジックショーなど、色々あったが、なんというか微妙だった。
「出るか?」
「うん」
飽きたので途中で外に出た。
「あ、もう休憩終わりだ。教室に戻らないと・・・」
出て少し進んだところで真奈がそういった。
携帯の時計を見てみると、もうすぐで1時間経つ所だった。
「んじゃ、戻るか」
「・・・うん」
少し寂しそうに俯く真奈。
「明日も回りたいなら回るぞ?どうせ暇なんだからな?」
「え?ホント!?」
「ああ」
途端に明るくなり、絶対だよ!と言ってきた真奈にああ、と答えて、俺たちは自分の教室へと戻った。




