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俺と私  作者: 大仏さん
29/50

8月2日 火曜日~8月13日 土曜日 Lets go to the sea!(合っているかどうかは知らん)by裏央 だそうです。


亜紀ちゃん達が転校してきてすぐに夏休みに入った。

でも、由香さんたち3年生は夏季講習があって、成績に関わらず参加しなければならないみたいで、夏休みが実質半分くらいしかない。


私は今裏央と一緒に亜紀ちゃんたちの引っ越しを手伝っている。


何でもマネージャーさんがそうしろと言ったみたいだ。

多分裏央がいるからだけど・・・空いていた部屋は2階に2部屋あったから、それぞれ、亜紀ちゃんと魅沙ちゃんが、沙羅さんと莉子さんが同じ部屋になった。


魅沙ちゃんが裏央と同じ部屋が良いと言っていたけど、それはマネージャーさんが許可を出さなかった。


理由を聞いてみたら、ずっとくっついているわけにもいかないとのこと。


甘える相手ができたの良いことだけど、今までそういう相手がいなかった分甘えるから、少しは我慢できるようにしないといけないとか・・・。


でも、それなら魅沙ちゃんはマンションにいたままの方が良かったんじゃ・・・?


それを聞くと今度は


「それだとかわいそうでしょ?」


とのこと。


なんとなくお姉ちゃんに似てるな~・・・と思った。


容姿とかじゃ無くてもっと根本の方が・・・。




「亜紀ちゃん、これってここでいいの?」


「あ、うん。細かな調整は後でするから」


「分かった」


女の子だからどうかは分からないけど、大きな荷物はあまり無い。


精々冷蔵庫とかテレビくらいだ。

タンスはなんかクリアボックス式の奴だったから裏央に手伝ってもらわなくても運べた。


裏央は沙羅さんたちの方を手伝っている。


まあ、それで魅沙ちゃんはさっきから黙々と作業してるけど・・・裏央に借りたヘッドフォンで音楽を聴きながら・・・。


いいなぁ・・・。


私も今度買おうかな?


お金も少しは貯まったし。



それからも作業を続けて大分片付き、後は小さな荷物だけになったから一旦休憩になった。



「真奈」


「あ、裏央。お疲れ様」


「ああ」


私たちより少し遅れて出てきた裏央に呼ばれて振り向くと、汗をタオルで拭いていた。

今日は結構暑いからね・・・。


そこで少し話していると後のドアが開いて誰かが裏央に抱きついた。


「おお、赤坂。お疲れ」


一つ頷いて裏央のお腹辺りに顔を擦りつける。


裏央はそんな魅沙ちゃんの頭を優しく撫でていた。


多分魅沙ちゃんに尻尾があったら凄い勢いで振ってると思う。




時間も丁度お昼くらいになり、庭でバーベキューをすることになった。



寝ていた恵理ちゃんを起こして目が覚めるまで私が待つことになり、裏央たちが準備をすることになった。


「どうしても目が覚めない時は脇腹を突けば一発だからな?まあ、10分以上目が覚めない時だけだが・・・」


「どうして裏央がそんなこと知ってるの?」


「ああ、どうすれば起きるか色々試した結果、それが一番効果があったんだ」


「色々って・・・やっぱりいい、聞かない」


「そうか?」


じゃ、と言って裏央は庭に出て行った。


それから恵理ちゃんを起こしたけど、どうにも寝ぼけている様でそのまま5分程経った。


「恵理ちゃん・・・そろそろ起きよう?」


「ん~・・・」


どうにも起きない・・・。



そのまま更に6分くらい経ったけど起きなかったから脇腹を


「ちょい」


と突いてみた。


すると


「ふゃん///」


可愛い声を出してベッドに倒れた。


効き目ありすぎ・・・。


その後恵理ちゃんにバーベキューのことを伝えて、着替えるのを待ってから私たちも庭に出た。


裏央が串に刺していたのは8:2位の割合で野菜が多かった。


みんなも既に裏央が脂っこいモノが苦手なことは知ってるからそれについては何も言わない。


隣では魅沙ちゃんが小さな手で造ったおにぎりが並んでいた。

傍から見ると兄妹って感じがする2人に思わず頬が緩む。


亜紀ちゃん、沙羅さん、莉子さんも串にお肉やらを刺していて、大皿2つ分くらいの串ができあがっていた。


私たちもそれに加わり、私はおにぎり、恵理ちゃんは串の手伝いをする。




おにぎりを握っている途中、いまいち盛り上がりに欠けるな・・・と思って由香さん達がいないことに気付いた。

そう言えばマネージャーさんもいつの間にかいなくなってる。


携帯を取り出し由香さんに電話を掛ける。


『もしもし、真奈?どうかしたの?』


「こんにちわ、由香さん。いきなりなんですけど、今からバーベキューをするんで一緒にしませんか?葵さんも一緒に」


『いいわね・・・丁度お昼時だし、分かったわ。葵に伝えてそっちに行くから。何か持っていた方がいい?』


「いえ、材料はもう十分あるので、大丈夫です」


『そ。それじゃ、後でね?』


「はい」


通話を切ってみんなに由香さんと葵さんが来ることを伝えると、今度は裏央がマネージャーも呼んだらどうだと言って、亜紀ちゃん達も問題ないと言ったので、呼ぶことになった。


それで、亜紀ちゃんが電話を掛けようとした所で


「つっても、呼ぶ必要ないんだがな?」


裏央がいきなりそんなことを言った。


「え?」


「いや、そこにいるし・・・」


そう言って裏央が指さしたのはアパートの屋根。


しばらく見ているとひょっこりとマネージャーさんが顔を出した。


何をしていたんだろう?


まあ、それよりも屋根からはしごも何も使わずに飛び降りたことに驚いたけど・・・。


「よく気付いたわね?」


「なんとなくな・・・てことであんたも手伝え」


「串をこっちに向けないでよ」


「それからその暑苦しい格好も止めろ。何で夏にコート着てんだ?」


確かに。


裏央の言う通りマネージャーさんは夏なのにコートを着てマフラーもしている。


本人が言うのは特注の極薄コートだからそんなに暑くないらしいけど、見てるこっちは暑い。


「まあ、いいじゃないか・・・それとも脱がせたいのか?」


「アホ」


「ひどっ」


まあ、準備も着々と進んでいき、焼き始めた頃に由香さん達が来て、それからみんなで楽しくバーベキューを行った。


途中で先生たちも加わってかなり賑わった。


バーベキューが終わって片付けをしている最中、先生が裏央に何か聞いていた。


しばらく見ていると話は終わったみたいで片付けに戻った。





それから1週間とちょっと。


13日土曜日。


バイトも休みだから部屋で読書をしていたら、携帯が震えた。


見てみると送り主は裏央だった。


「なんだろう?」


開くと


『明日から全員で2泊3日の海水浴に行くから準備しておけ。ちなみにバイトの方は許可もらってるから心配するな』


と書かれていた。


「え?」


それからどういうことか聞こうと思って返信を打とうとしていたらまら裏央からメールが来た。


『理由は聞くな』


「え~・・・ま、いいかな?海なんて随分行ってないし」


そこでふと水着がないことに気が付いた。


持っているけど、それは学校指定の水着だ。


昔の物は多分入らないし・・・断じて太ってないから!


「よし!買いに行こう!」


私は鞄に携帯と財布を入れて商店街に向かった。




「とりあえず楽しもう!」



折角の海だからね!


楽しまないと勿体ない!




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