7月15日 金曜日 転入生
赤坂達が部屋に来た日からはや2ヶ月が経過した。
あれから暇があるときはよく来るようになり、マネージャーというのか?
そんな人とも知り合い、なんか任された。
ちなみに女。
とりあえずそれ以外にあったことと言えば、俺とskyが歩いている時に不良になり損ねた不良って感じの奴らがナンパしてきたから鳩尾に3発ほど拳をめり込ませたら沈んだ。
後は真奈が風邪を引いたりして付きっ切りで看病したり、由香が俺らと同じ店でバイトを始めたり、赤坂達が俺らの学校に転校してきたりなどと色々あったな。
転校してきて初めて分かったが、赤坂は1年、鈴野は2年、安藤と桐野は3年みたいだ。
桐野が3年ってのは意外だったな・・・それを言うと頬を膨らませたが。
クラスは鈴野は同じになった。
自己紹介の時俺と真奈を見つけて手を振り、挨拶もせずに駆け寄ってきた。
それだけでなぜかクラスの奴らの視線が集まった。
まあ、結局涼子に叩かれたが・・・俺が。
なぜ?
赤坂はD組で安藤と桐野はそれぞれA組とC組。
まあ、葵たちもいるから大丈夫だろう。
鈴野が最初は質問攻めにあっていたが上手く抜けていた。
この学校に来た理由が多かったが、一番多かったのは俺との関係だったな。
俺だけなのが少し気になったが、どうでもいいかと思いヘッドフォンで音楽を聴いていた。
隣ではなんか真奈が溜息を付いていたが・・・何だったんだろうな?
「む?」
突然ヘッドフォンが取られて目をあけると鈴野だった。
「どうした?」
「アタシこの学校のこと知らないから案内して?」
「そういうのは学級委員の仕事じゃねえの?」
「良いじゃない、どうせ暇なんでしょ?」
「どうせってなんだ・・・まあ、そうだが」
「それに、あんた麻里さんにも頼まれてるでしょ?アタシたちのこと」
「・・・あいつまりっていうのか?」
「覚えてなかったの!?」
まあ関わることなんか殆どないだろうしな。
「裏央、行ったほうがいいぞ?バレたらまた叩かれるかも知れないし」
「ああ・・・それはまずいな。これ以上馬鹿になるわけにはいかん」
結局俺が案内することになり、教室を出ると廊下に生徒がかなりいた。
赤坂は大丈夫か?
安藤達の方は2人がいるから何とかなるだろう・・・葵ってキレると静かに怒るから怖いんだよな。
「なあ、鈴野・・・まずは赤坂の所に行った方が良くないか?」
「そうね、あの子まともに話すのはあんただけだし」
人波を抜けて階段を下り赤坂のクラスに行くと同じように人が溢れていた。
かき分けて中に入り周りにいる奴らを無視して本を読んでいる赤坂を発見する。
「はいは~い、ちょっと退けよ・・・赤坂」
「・・・裏央?」
「・・・・・・・」
本から顔を上げて俺と鈴野を見る赤坂。
「とりあえず、学校の案内するから来い」
「亜紀も一緒?」
「ええ」
「莉子と沙羅は?」
「葵たちがいるから大丈夫だろう?ほら、いくぞ?」
頷き立ち上がった赤坂と鈴野の手を引いて進み、一旦教室に戻り真奈も一緒に食堂に向かい、それぞれ好きな物を頼む。
盆をもって席を探していると
「裏央、真奈。こっち!」
由香が手を振っているのを見つけた。
近くにあった空いているテーブルと繋げて8人で座り食事を始める。
席順は俺を挟むようにして両サイドに真奈と赤坂が座っており、赤坂の隣に鈴野が座った。
向かいでは俺の前に由香、左に葵、由香の右側に安藤と桐野が座っている。
「お前らも大変だったか?」
「ええ、でも葵さんが一言言ったらそれで収まったわ」
「凄かったです」
「流石は天下の葵様だな」
「どういうこと?」
「いや別に」
とまあ、こんな感じで飯を食っているが周りの奴の視線がうざいな・・・。
「でも、改めて思うけどやっぱり莉子たちって有名人なのね?」
「そうですね・・・私たちの所でも大騒ぎでしたから」
「一番きついのは赤坂だな・・・せめて誰か知り合いいれば良かったんだが、こればっかりはどうにもできないか」
「そうね・・・だから裏央くんが守ってあげないとね?」
「俺なんかでいいのかねぇ?」
そんな大層なことができる人間じゃないんだが・・・。
きゅとシャツを摘まれたのを感じて横を見ると赤坂が俺を見上げていた。
「ま、できる限りはな?」
良いながら頭を撫でると目を閉じる赤坂。
なんかホントに猫みたいに見えてくるな・・・。
「いて」
撫でていると脇腹と脛に痛みを感じて真奈と由香を見る。
「どうした?」
「「何でもない!」」
とは言うが明らかに怒っているだろ?
「裏央くんも大変ね?」
葵たちはなんか、にまにましていた。
何なんだ?
とりあえず真奈と頭も撫でておいた。
「ふわ///」
なごむ。
そしたらまた脛を蹴られた。
本当、何なんだろうか?




