4月28日 木曜日 1
「それじゃ、行ってくる」
「ああ」
真奈は注文を取りに客の所に行った。
俺は相変わらず皿洗い中だ。
まあ、あの2人じゃないと敬語で接客しないといけないからな・・・そんな面倒なことはしたくないし。
昨日から、暇があれば殆どの時間を真奈に聞かれたことを考える時間に使っているか、未だに答えは出ない。
何故だろうな・・・友達なのは確かだとは思うが、どうにもそんな感覚とは違う。
では何かと聞かれても分からないし・・・。
「はあ」
「どうしたの?ため息なんてついて」
「チーフか・・・少し考えごとだ」
そういえばチーフが仕事してるとこを見たこと無いんだが、ちゃんと仕事をしているのか?
チーフになるってことはそれなりに経験はあるのかも知れないが。
良ければ相談に乗ると言われて、1人で考えていても仕方無いと思った俺はお言葉に甘えることにした。
「それって・・・真奈ちゃんを異性として意識してるんじゃないの?」
「は?」
「なんとなくそう思っただけなんだけどね?あまり深く考えなくても良いと思うわよ?」
「俺もそう思ってはいるんだがな・・・どうにも・・・」
「何が?」
話込んでいると真奈が戻ってきた。
既に伝えている様だ・・・仕事が早いな。
「お前に昨日聞かれたことを相談してたんだ・・・いくら考えても、分からなくてな?」
「そんなに急いで考えなくてもいいよ?」
「俺もそれは分かってるんだが・・・どうしてもな?考えてしまうんだよ」
「じゃあ、今はどう思ってる?」
「まあ、友達だな」
「それなら、今はそれでもいい。詳しく分かったらまた教えてよ」
「ああ」
なんとなくだが、すっきりした。
その後、真奈から、今日もあの2人が来ていることを聞いた。
しかも、真奈の部屋にいくらしい。
バイトが終わって、俺は真奈と一緒に2人と合流した。
「げっ」
「こんばんは、裏央くん?」
「おう。とりあえず夜は危ないからアパートまで送るよ。ゆかは嫌だろうが、我慢してくれ」
「・・・・・・」
無視かい。
まあ、いいが。
それから3人と一緒にアパートまで行って、俺がいつまでもどこにも行かないことに疑問を持ったゆかが聞いてきた。
「なんでまだいんの?」
「俺の部屋がここだから。それじゃ、真奈?あまり騒がしくするなよ?」
「ああ」
俺はそれだけ言ってから部屋に入った。
するとまた涼子達がいた。
「暇なのか?」
「「「うん」」」
即答かよ。
「勝手に風呂借りたぞ?」
「ご飯は今から作るからね?」
「真奈さんは一緒じゃないんですか?」
友達と一緒にお泊まり会だと説明すると、3人はそっちに行った。
あの2人がどういったリアクションを取るか興味があったが、流石に勝手んい入る訳にはいかんしな。
大人しく飯を食って風呂に入って寝るとしよう。
にしても・・・
『きゃ!涼子先生!どこ触ってるんですか!?』
『いいだろう?減るもんじゃないし』
『葵ちゃんってスタイル良いわね?』
『そうですか?』
『裏央って大きいほうが好みなのかな?』
『それじゃ、私に勝ち目がないじゃないですか!』
騒がしいな。
ちなみに上からゆか、涼子、美奈、葵、真奈、恵里。
「ま、こいつらが騒がしいのは別に嫌じゃないな・・・」
俺はそう想いながら眠りについた。




