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俺と私  作者: 大仏さん
15/50

4月27日 水曜日 0.5


「それで?なんでゆかは動かないんだ?」


「貴方に会いたくないって・・・」


「いや、そりゃそうだろうな。そもそも、お前らが来る必要性も感じなかったし」


「こら、裏央。敬語を遣わないと駄目だと昨日言ったばかりじゃないか」


それについては別にどうでもいい。


とりあえず教室に入って、ゆかの近くへ行き、葵が声を掛けると俺たちの方を見たが、俺の顔を見た途端逸らした。


「そんなに嫌われるようなことはしてないと思うんだが・・・」


「そうなんだけどね~・・・」


まあ、俺がいても話は進まないだろうから俺だけ戻ることにした。


真奈が一瞬だけ悲しそうな顔をしたような気がしたが、上との繋がりもあった方が良いだろうからな。

頭を軽くポンポンとして、教室に戻った。








「仲が良いのね?」


「・・・どうなんでしょうね・・・」


確かに学校で話すのは生徒なら裏央しか居ないけど、裏央がどんな思い出私と接してくれているのかは分からないし。

私は友達だと思ってるけど、裏央はそんなこと意識してるとは思えないし。


「違うの?」


「分かりません」


はにかんで言うと由香さんが口を開いた。


「あんな奴とは別れた方がいいわよ!まさか同じ学校だったなんて!」


「昨日のこと・・・やっぱり怒ってますか?」


「当たり前でしょ!あなたのことはいい子だと思ってるけど、あいつはむかつく!」


「わたしは別に構わなかったけど?」


「葵は気にしなさ過ぎ・・・大体女の子の前でカロリーがどうこう言うだけでむかつくのに!」


「それは仕方ありませんよ」


「「え?」」


私が言った言葉に同時に声を上げる先輩達。


「裏央は脂っこい物が苦手で・・・お弁当も野菜が中心なんです。精々ウィンナーが2本くらい入ってるだけで、見てるだけでも気分が悪くなってしまうみたいです」


「それと、昨日のことと、何か関係あるの?」


「裏央に取って、ハンバーグや唐揚げ、脂っこいものばかりの店で働くことが、ちょっとしたストレスに繋がったのかも知れません・・・それを無意識に発散しようとして、そんなことを言ったんじゃないかと・・・決して悪気は無かったと思います」


まあ、あくまで推測でしかないけど。


「でも、それならコンビニなんかでバイトをすればいいんじゃない?」


「確かにそうよね?なんでファミレスなの?」


「それは・・・」


「「それは?」」


「・・・・・・どうしてでしょうね?」


私にも分からない。


どうしてなんだろう?


「聞いてないの?」


「はい・・・特に何も考えずに決まったので」


「でも、そうだとしたら、ちょっと気の毒ね・・・少しなら、食べても問題は無いんでしょう?」


「どうでしょう?ウィンナーだってバランスを取るために入れてるだけかも知れませんし・・・聞いてみましょうか?」


「お願い出来る?」


「はい」


「それじゃ、ごはん食べましょ?もう、余り時間もないから」


言われて時計を見ると確かに時間は残し少なくなっていた。









「ただいま」


「お帰り。どうだった?」


ここは家じゃないんだが・・・。


「楽しかったぞ?裏央も一緒に食べれば良かったのに」


「ゆかがあれだからな」


あの状態で一緒に食べるなんてことは出来ないだろう。


昼休みが終わるまで適当にだべって午後の授業も適当に過ごして、放課後になり、俺たちはバイトに向かった。



バイトの休憩中、真奈が何故ここでバイトをすることにしたのか聞いてきた。


「特に理由はないが?」


「そうなの?」


「ああ。ま、同じ場所だったほうが良いだろうとは思ったがな・・・」


それ位しかない。


「じゃあ、もう一つ質問だけど、いい?」


「ああ」


「私のこと、どう思ってる?」


「・・・・・・」


聞かれて俺は咄嗟に答えることが出来なかった。

暫く考えこんでいると、真奈がやっぱりいいと言い出し、まだ休憩も終わってないのに部屋を出て行った。


「・・・考えたこと無かったな・・・友達か?」


俺も部屋を出て仕事を再開した。








「どうしてあんなことを聞いたんだろう?」


本当は先輩に言われたことを聞こうと思ったのに・・・気付いたら、あんなことを言っていた。


悩んでいると咲さんが来て、どうしたのかと尋ねてきたけど、どう答えたら良いのか分からなくて、何でも無いですとしか答えられなかった。

裏央も部屋から出てきて仕事を再開した。


呼び出し音が鳴り、向かうと由香さんと葵さんだった。


「また来てくれたんですね?」


「ええ。それで、聞けたかしら?」


「いえ・・・聞こうと思ったら、別のことを聞いてしまいました」


「別のことって・・・何をきいたの?」


「私のことをどう思ってるのかって」


「まあ、大胆ね?」


「いえ!そういう訳じゃ///」


その後主に葵さんにからかわれた。


注文を聞いてキッチンに戻り伝えてから、皿を洗ってる裏央の隣で待機している。


「さっきの質問だが・・・俺自身お前のことをどう思ってるのか分からない」


「え?」


「友達かとも思ったが・・・どうも違う気がしてな?」


「どういう感じに?」


「・・・何なんだろうな?本当に分からないんだ」


「そっか・・・いつか、分かったら教えてくれる?」


「ああ」


それから葵さん達と少し話して、仕事をして・・・私達はアパートに帰った。







「遅い!」


「待ちくたびれたわよ?」


「ホントですよ」


「いや、知らねえよ」


帰ると部屋に涼子、美奈、恵里がいた。


「先生方も恵里ちゃんも何してるんですか?」


呆れたように真奈が聞くと、


「「「なんとなく」」」


3人ハモって答えた。



結局、5人で晩飯を食った。



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