女が男をやっつける話【犯人をスカッとKO】
深夜のワンルームマンション。
侵入強盗の佐々木 隆(35)は、拳銃と凶器のナイフを手に、住人の女性を人質に取っていた。
被害者の小林 あかり(24)は、ごく普通の会社員。
大学時代に少しだけ空手を習った程度で、今は週末にヨガとジョギングをするだけの平凡な女子だ。特別な訓練も、格闘技の経験もほとんどない。
あかりはベッドに両手両足をガムテープで固く拘束され、口にもテープを貼られ、5時間以上も放置されていた。
佐々木は部屋を物色しながら、時々ナイフの刃であかりの頰や太ももをゆっくり撫で、
「朝まで大人しくしてろよ。動いたらこのナイフで顔をズタズタにしてやるからな」と脅し続けていた。
恐怖と屈辱で震えていたあかりだったが、5時間という長い時間の中で、
少しずつ手首のテープが汗で緩み始めていることに気づいた。
「このままじゃ……殺されるかもしれない」
その恐怖が、普通の彼女に「やっつけるしかない」という覚悟を芽生えさせた。
午前4時過ぎ。
佐々木が酒を飲んでソファでうとうとしかけた瞬間——
あかりは全力で手首を捻り、テープを引きちぎった。
足のテープも必死に引き裂き、ベッドから転がり落ちる。
「ん!? てめえ!」
佐々木がナイフを握って飛び起きた。
あかりは逃げようとしたが、部屋は狭い。佐々木がすぐ追いかけてきた。
「生き残るには戦うしかない……!」
恐怖と怒りが爆発したあかりは、近くにあったスタンド式の掃除機を掴んで振り回した。
重い金属部分が佐々木の腕に直撃し、ナイフが床に落ちる。
「このクソ女が!」
佐々木が素手で殴りかかってきた。
あかりは顔を庇いながらも、ヨガで鍛えた柔軟性とアドレナリンの力で体をよじり、
全力の膝蹴りを男の股間に叩き込んだ。
「ぐおっ!?」
佐々木が前屈みになった瞬間、あかりは近くの空のワイン瓶を掴んで頭部に叩きつけた。
ガシャンという音と共に瓶が割れ、佐々木がよろける。
そこから女の、必死の反撃が始まった。
あかりは倒れた佐々木に馬乗りになり、
両手で顔面をめちゃくちゃに殴り続けた。
拳が腫れるのも構わず、右、左、右、左——。
爪を立てて引っ掻き、目を抉るように攻撃した。
さらに近くに落ちていたヘアアイロンのコードで首を絞め、体重を乗せて何度も腹と顔を膝で踏みつけた。
「ボコッ、ボコッ、ドスッ」という鈍い音が部屋に響く。
5時間の恐怖がすべて拳と膝に込められていた。
佐々木の顔は血だらけで腫れ上がり、鼻が曲がり、唇が裂け、目が腫れてほとんど開かなくなっていた。
腹部は内出血で紫色になり、息も絶え絶えにうめくだけだった。
「や……め……助け……て……」
あかりは荒い息をしながら、最後に佐々木の股間に全力で蹴りを入れ、
「よくも……私を5時間も……!」と震える声で吐き捨てた。
午前5時15分。
近所の住民が騒ぎを聞きつけて通報した警察が、ドアを破って突入した。
「警察だ! 手を上げろ——」
特殊部隊の警察官たちが目にしたのは、
血まみれで顔をパンパンに腫らした巨漢の犯人が床に倒れ、
小柄な普通の女性に跨がられたまま、苦痛に身をよじって弱々しく泣き叫んでいる姿だった。
「う……ううう……痛い……この女……化け物……」
佐々木はもう抵抗する力もなく、ただ苦しそうにうめくだけ。
警察官の一人が思わず呟いた。
「……貴女が1人でやっつけたのか。。」
あかりはフラフラと立ち上がり、両手を上げて言った。
「……怖くて……やっつけるしかなくて……」
後日
ニュースは「5時間拘束された会社員女性、武装強盗を単独で制圧」と大きく報じられた。
世間には驚きと安堵が広がり、とくに女性たちから多くの共感と称賛の声が集まった。
「怖かっただろうに……最後まで諦めなかったの、本当にすごい。スカッとした」
「映画みたいだけど、必死に生き残ろうとしたんだと思うと胸に来る」
あかりは数日会社を休み、カウンセリングを受けながら静かに過ごした。
彼女はいたって普通の女だった。
でも、追い詰められた時、人は想像もできない力を引き出すことがある。
「もうやるしかない」と覚悟を決めたその瞬間、
彼女は恐怖さえ押し切って、犯人をねじ伏せたのかもしれない。
この物語は、特別に強い人間ではない普通の女が、極限状態の中で生き残るために犯人の男をやっつけるまでを描いた作品です。
恐怖に追い詰められながらも立ち向かう姿に、緊張感やカタルシスを感じてもらえたなら嬉しいです。




