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食堂の中の空気を変えるように、オホンと一声だしてからヘロド侯爵令嬢は
「ま、まぁその話は置いておくとして要は『魔熱症』にかかってない男性なら婚約者に迎えても良いということなのかしら?」
その言葉にエクリプス女伯は一瞬キョトンとした表情を見せた後
「まぁ、そうですな。どうしてもオケリー侯爵子息でなくてはいけない理由は、当時隣国の親戚の家に行っていて魔熱症に罹患しなかった貴族の子息が、父の前伯爵にはオケリー侯爵子息のデニス殿しか見けられなかった為に結ばれた婚約であるのは間違いありませぬ。 婚約の解消をしたいならどうか当エクリプス伯爵家にふさわしい婿がねをご紹介くだされ」
エクリプス女伯はキッパリと言い放つ。
「それは……分かりました。お父様と相談してその辺はまたお話させていただきますわ」
今すぐ解決できる問題ではないと判断して、ヘロド侯爵令嬢は一時撤退することにした。
「それはそうと、ヘロド侯爵令嬢」
「な、なにかしら」
「先ほど貴女様は、このエクリプス女伯を『当て馬』とお呼びになりましたな?」
「な……なによ……謝罪しろとでもいいたいのかしら?」
「いや、馬についてなにもご存じではないのだろうなと」
「は? どういうことかしら」
「そも、『当て馬』というのは、牝馬に発情を促すために一時的にあてがう存在です。、まぁその逆に牡馬に対してもあてがわれた例も少ないながらもあります。まぁ直接行為に及ばせることはありませんけれども……話を戻しますと貴女様がわたくしが当て馬であるとおっしゃるなら、オケリー侯爵子息デニス殿はわたくしという存在がいなくてはヘロド侯爵令嬢に発情しないということになりますが、貴女様はそれでよろしいのか?」
首を傾げつつ問うエクリプス女伯に
「はぁぁぁぁ⁉ バカにしないでよっ! 貴女ごときがいてもいなくてもわたくしとデニス様は結ばれる運命にきまってるでしょ!」
激高しながら食器の乗った机をバン!と叩き立ち上がるヘロド侯爵令嬢。
「ならば今後『当て馬』などと口に出されるのは控えたほうが良いでしょうな、何も知らぬ相手なら問題はないのでありましょうが当方は本職でありますので、その発言に大層驚きましたとも」
ウンウンと頷きながら忠告してくるエクリプス女伯、ヘロド侯爵令嬢は顔を真っ赤にして
「うるさいわね! 覚えてなさいよ!」
と、所作だけは美しく食堂を出ていくのであった。
「はぁ……騒がしい御仁であったな……」
と少し呆れながら、女伯はお茶の続きを楽しむのであった。
牝馬の当て馬が必要だったウ〇ーエ〇ブレムさんマジでやばいw
あと通りかかるだけで勝手に牝馬が発情する当て馬いらずのハーツ様もやばい。




