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第二話

 

 好奇心で記憶をのぞいたヴィクトルとセレナさんの夫婦生活は悲惨だった。

 お見合い会場にて、本来の婚約者候補だったセレナさんの姉を差し置きヴィクトルは部屋の隅にいた妹のセレナさんを指名すると早々と妻に娶ってしまったのだ。

 金銭的な援助を公爵家から受けているので立場の弱いセレナさんの家は抗議もできず、なくなく幼いセレナさんを差し出すしかなかったようだ。


「(しかもそこまでして娶ったセレナさんに対して『余計なことは何もするな』って命令して、屋敷に閉じ込めて……夜は無理矢理……コイツ本当に死んだ方が良いんじゃないか!!)」


 うっ、この身体に転生したのは何かの縁だ。この体はもう絶対返さない。ルシたんのパパの座もセレナさんの旦那の座も俺がいただくから安心して死ねヴィクトル。


「あの……閣下、様子が……」

「閣下だなんて他人行儀はさみしいな。セレナ、夫婦なのだしもっと親しみを込めた呼び方を」

「えっ」


 セレナさんの驚いた顔で思い出した。

 こいつであったばかりのセレナさんに『なれなれしくするな』とかほざいてやがる。

 本当にどうしようもない男だな。


「奥様、旦那様は頭を打って様子がおかしくなられたようです」


 存在感の消えていたセバスチャンがそっとフォローをした。ナイスだセバス!


「そうそう! そうなんだよセレナ! だが頭を打って俺がこれまでどれだけ異常なのかよくわかった! これまでのクズだったヴィクトルは死んだ! これからは誠実で家族思いなヴィクトルとして生きることにしたんだ」

「閣下……旦那様? 本当に?」


 ポロポロと涙をこぼして震えるセレナさんの肩を優しく触れる。

 セレナさんはかなり若い時に公爵家に嫁いできたから、5歳の子持ちだなんて全く見えない。どう見ても20歳くらいにしか見えないぞ。ええい、どうなっているんだ児ポ案件じゃないのか? この世界に児相はないのか児相は!!


「本当だ、これからは二人でルシたん……ルシフェルを育てよう! あの子を幸せな子にするために協力してくれるかい?」

「はい、旦那様」


 よし。協力者ゲット! ついでにかわいい奥さんも棚ぼたゲットだぜ! ルシたん救済ついでにセレナさんも幸せにしてやるから草葉の陰で指咥えてみてやがれクソヴィクトル!!

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