第15話衣装
「シンギュラー適応者っておかしくない?」
トモさんの話がてら、軟禁中のことも話題に出すと、アゲハが妙なことを言い出す。
「高校生活中になるべくシフトと将来のあり方を意識する考え方が馴染むようにって入学してすぐ専門授業があったわけ。マル肉持ってるのがプルーラルで、シャイ肉持ってるのがヴァリアントでしょ」
「うん」
「異象は大きく3つで呼び分ける。マル肉は異才に目覚めさせる。シャイ肉を食べた人は、怪異に目覚める。で、前例のない怪異な特異に目覚めた人を特異者とよんで、またその核肉を有していたシフターをシンギュラーって呼んでコード登録する」
「うん……ん?」
「シフターの時点でシンギュラーだと思っていたけど核肉摂取してみて目覚めた異象が似たような前例のある怪異だった例もある。したがって特異が確認されることで初めて定義づけされるって習ったから、ヒーちゃんがシフトする前からシンギュラー適応者って決めつけられてたの順番がおかしくない?」
「……言われて思い出した。そういやそんな感じのこと習ったっけ。もう3年前だけど。……でもさ、決めつけられてたと確定してたとでは話がまた違ってくるだろ。特異も広義には怪異だろ。言葉のあやっつーか、そういうことなんじゃね?」
「……とちったかも。なに……ニヤニヤした顔で見ないで!」
顔に出ないようニヤニヤしてるけど、ビビったぁ。
そうじゃん、言われてみればそうじゃん!!!──って、指摘されて一瞬おもっちまった。
宣告を受けたとき真壁さんがコードを言ってた気もするけど、保管識別用の仮コードかなにかと考えるのが妥当かな。
「よく勉強してんなって思ったのさ」
「たまたまだし。異象者(シフテット)は、異才者はGifted, 怪異者はAberrant, なのに特異者はSingularって英語では表記されるからどうしてかなって質問したの」
アゲハの疑問には根拠がある。
とにかく、確信に近い決めつけで扱われた俺が食わされた核肉の持ち主、それだけヘンテコな特徴を持っていたって示唆ではあるわけで。
「よっぽど特殊だったんだなぁ。どんなキショいシフターの肉食わされたんだろ」
「核肉摂食とか都市伝説とおもってた。エンガチョ、しとく?」
「切っても切れねぇー。アゲハもシャイ肉適性がでたら食えるぞ」
「日本でも1000人いるかいないかの怪異者には憧れるけど、なんだかなぁ」
「なんだかなぁって。俺が不憫みたいに」
「じゃあ週末気分転換にデートしよ!」
「いい……どうせ」
「ショッピングでーす!」
「だるいてー!」
「つーレーテーけー!デート!」
「……はぁ」
東京行く時にもらったプレゼントのお返しできてなかったし、何か買って渡そ。




