98.神の魔力は万能ですぞ
俺は水精霊から、適応を習得した。
これで結界がなくても、海の中で呼吸ができるぞ。それにしても水圧ってなんなんだろ……。
水精霊のレンに道案内してもらい、俺は海中を散歩する。
色とりどりの魚の群れが泳いでいく、幻想的な風景のなかの散歩は、実に心地よかった。
ほどなくして、俺たちのまえに、巨大な建造物が見えてきた。
「これが……サラディアス大聖堂か」
神聖皇国にあった、大聖堂と、外観がそっくりだった。
だが……。
「なんか……ぼろくないか?」
地上のやつとちがって、海中の大聖堂はだいぶ劣化してるのがわかった。
壁にフジツボとかついてるし。
『こんな海中に、大工なんて連れてこれないのです。それゆえ……建物のメンテは行われてこなかったのでしょう』
「ほー……なるほどね」
ん?
外から人が来れない……?
なら、中の人たちって、メシとかどうしてるんだろうか?
水は? まさか海水を飲むわけにもいかないだろうし。
うーん……。
まあ、中の人に聞けば良いか。
「入口はこっちなのです!」
レンが大きな扉を指さす。
俺は近くまでやってきて、扉に触れる。
おっと、このまま扉を開けたら、水が入ってきてしまうか。
「結界、展開っと」
この大聖堂を包み込むようにして、風の結界を展開する。
内部に空気のドームができる。
これで扉を開けたとしても……って!?
「あ、あれ!? なんか……建物、きれいになってないか!?」
さっきまでぼろっぼろだった建物が、綺麗になってる。
まるで新築のようだ。
「マスターのおかげす」
「また俺ぇ……? 何かやっちゃったのかぁ?」
「是:マスターが結界を張ったことで、神気がこの結界内に満ちました」
神気……神の魔力か。
「神気が建物に付与されたことで、ボロボロだった建物が、綺麗になったのです」
「し、神気ってそんな力あるの……?」
「是」
「OH……」
まさか俺の魔力に触れるだけで、そんなことができるなんて……。
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