97.また名前をつけて美人が増えた
俺は龍に食われていた人魚を蘇生させた、と思ったら水妖精に進化させていた。
で、信者が増えたのだった。
「神さま」
「あ、はい……なんでしょう」
俺に最初に話しかけてきた、水妖精の少女が、俺に問うてくる。
「神さま、お名前を伺ってよいでしょうか?」
『あっしにも名前を教えてほしいでやんす!』
そういや水妖精だけじゃなく、龍にも名前を名乗っていなかったね……。
色々ビックリ仰天するようなこと目白押しだったし、名乗るの忘れてた。
「俺は……」
『解:アベール。魔法神アベールです』
ミネルヴァさん!?
勝手に何答えてるの!?
「『魔法神……アベール!』」
ああ、ほら覚えちゃった……。
はずかしい……。
『問:マスターは既に神であることを認めてるのに、何をはずかしがってるですか?』
いや問いって……。
おまえ、どんな疑問に対しても、答えを導き出せるんでしょ?
全知全能さんなんでしょ??
なら……わかるでしょ?
『自ら神を自称するのが、恥ずかしいという気持ちは理解してるのですが、しかし言わせたいのです』
「なんでだよ……」
『解:好きな子には、いたずらしてしまうのです』
わ、わからん……。
好きなら好きって言えば良いのに。いたずらなんてする必要あるの……?
ともあれ、だ。
「そういや、おまえらには名前ないの?」
龍も水妖精も、どちらも種族名だろうし。
こいつら固有の名前ってないよな。
『神よ! ぜひ、あっしらに名前をつけて欲しいでヤンス!』
「わたしにも、ぜひっ!」
そっか、名前がないと不便か。
こいつらは俺の領民になった。
領主として、お願いを聞いてやるか。
「じゃあ……龍。おまえは……ドラ」
しゅおん!
「で……水妖精のおまえは、レン」
しゅおん!
……って、しゅおん?
「「おぉおおお! 力が、あふれてまいりますぅうううううううう!」」
「えええええええええええええ!?」
龍のやつが……人間になった。
しかも、女だ!
背の高い、髪の長い、褐色の女になった!
一方、水妖精は、こちらは大人っぽくなった。
背が伸び、体のラインにメリハリができてる。
どうなってんだこれ……?
『解:。龍は、龍魔人へ。水妖精は水精霊へと、存在進化しました』
進化……しんか……。
あ!
そういえば、ドワーフも俺の【D】って名前がついた装飾品をわたしたら、進化した。
まさか……。
『是:彼ら魔物は、大量の魔力を与えられたとき、ワンランク上の存在になります。この女達はマスターに、神の使徒として名をもらったことで、力を得て、進化したのです』
ああ~……
そうか、そういうくだり、あったね……。
「我らに名前と、さらなる力をお与えくださり、ありがとうございます!」
「すごいっす兄貴ぃ! はんぱないでヤンスぅう!」
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