90.隠されし大聖堂を軽く見つける
《アベルSide》
天導の連中がうっとおしかったので、クレームを入れに来た。
そしたら、リーダー格らしき男が、部下に命令して、俺を襲おうとしてきた。
俺が一睨みしただけで、部下も、リーダー格も気を失ったのだった。
「なんか弱っちくない……? もっと強いのを想定してたんだが……?」
リーダー格(全知全能曰く、バカラって名前らしい)も、そして聖騎士、聖職者に至るまで……。
全員が弱かった。
全知全能の書状態のミネルヴァが答える。
『彼らが弱いのではなく、マスターが強すぎるのです。神聖皇国の【七大司教】は、神の力の一部を使用できるとのこと』
「ん? なんだ、七大司教って……?」
『解:天導教会に所属する、七人の大司教のことです』
こんなのがあと七人もいるのか……。
「つか、なんで七人も司教がいるんだよ。一人で良いじゃん」
『解:天導教会があがめる主には、七人の眷属がいたとされます。それが由来となってるようです』
主……ねえ……。
七人も眷属作るなよ。めんどうだな……。
俺は領地を守りたい。
でも天導の連中は、俺を排除しようとする。
だから、天導の偉い連中をボコって、もう手を出すなって言いに来たのだ。
「残り六人って、どこにいるの? ここにいるのか?」
『否:世界各国に散らばっております』
「え? ここが総本山なのに……?」
『是:神聖皇国は、世界中に7つの領土を持ちます。そこにひとりずつ大司教と、大聖堂が建造されております』
「まじか……つか、なんで世界各国に領土があるわけ?」
『解:彼らがあがめる主、ノアール神は、かつてこの星に統一国家を築きました』
「ノアール神ねえ……」
そのノアール神とやらが世界統一後、各地で独立国ができはじめて、今の世界の形になったそうだ。
だから、世界各国に領地があるってわけか。
「ここ以外の大聖堂の場所ってわかる?」
『是:こちらに』
ぺら……と全知全能の書がめくれる。
世界地図が表示されていた。
あと六つの大聖堂の場所は把握した。
よし……。
「ば、ばかなぁ~……」
あれ、気絶してたはずのバカラが目を覚ましてる。
「大聖堂の場所は、信者以外には秘匿されてるはずぅ。どうして場所がわかるのだあ……?」
「ああ、それは……」
「これも邪神の力かぁ……くそぉ……なんて凄いんだぁ……」
ええ……なんか、勝手に神の力のおかげにされてますが?
普通に全知全能のおかげなんだが。
『マスター、うれしいですが、ワタシはマスターの一部。ゆえに、マスターの力がすごいってことになります』
そーゆーもんなのか……?
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