79.すごい結界すごい
神聖皇国に結界を張って、戻ってきた。
デッドエンドのミョーコゥ上空。
「あ、そうだ。ついでにこっちにも、結界張っとくか」
『ぴゅ? こっちにもって?』
「ほら、さっき皇国に張っただろ、七色の結界。あれ便利だから、こっちにも張っておこうかなって」
デッドエンド領は、奈落の森、櫛形山という二つの魔物の生息地に挟まれている。
マテオの魔除けのお香のおかげで、だいぶ魔物からの被害は抑えられてる。
が、それでも魔物の進入をゼロにできるわけでは無い。
そこで、さっき覚えたばかりの、極光結界を街に張っておこうと思ったのだ。
「【結界】!」
俺の手から七色の光が発生。
光はミョーコゥを包み込んでいく。
やがて、七色の光り輝くドームがミョーコゥの街を完全に覆った。
「おっし、結界構築完了」
しかし大規模な魔法を使ったが、やっぱり魔力が減らないな。
というかもう何をしても魔力が減る気配を感じない。
大賢神となった影響かね。
『ぴゅるるる~~♪ なんだかこの結界の中、とってもあったかいのねぇ~♡』
ん?
たしかに……そうだな。温かい。
今日は結構冷え込んでいたのに、中に入った瞬間、まるで春の日差しの下にいるかのようだ。
「解:この結界が外気を遮断しています」
あ、なるほど……って、ええ!?
「お、俺そんなの設定してない……」
「解:極光結界には七つの機能が付随されています。外気遮断はその一つです」
そ、そうなんだ……。
効果を知らず、ただ壊したモノを元通りにしただけだったんだが……。
「兄貴~~~~~~~~!」
ミョーコゥの街へ降り立つと、門番の青年モンバが駆け寄ってきた。
「兄貴! すげえよ! あんたの結界!」
「ど、どうして俺ってわかったんだ?」
「こんなすげえ結界張れるの、兄貴くらいだもん!」
「そ、そう……?」
ティアも結界は得意なんだけども……。
「兄貴が結界を張った瞬間! ジジババたちが、すげえ元気になってさ! ほら!」
ミョーコゥには老人が多く住んでいる。
現在、彼らはというと……。
「むぅうん!」「力があふれるぅうううう!」「みなぎってきたぁあああああああああ!」
曲がった腰が真っ直ぐになり、体が一回りくらい大きくなっている。
みんな、若返ったように見えた!
「え、なにこれ……?」
「解:極光結界の持つ効果の一つです。結界内部の人間に活力を与える」
「そんなことまでできるのか、極光結界って……!?」
「是:ただ、天導の主の結界よりも高性能です」
「どういうこと?」
「解:天導の主の結界は、外気遮断などたしかに効果はあります。が、マスターのものと比べると、数段付与される効果が落ちるのです」
たとえば、外気遮断。
主のだと、少し温かくなるくらいらしい。
たとえば、活力アップ。
主のだと、少し気分が良くなる程度の効果しかないらしい。
つまり……おなじ結界でも、使い手が異なると、性能が違ってくるってことか……。
「さすがマスターです。この調子でこの結界、あと5つ凄い効果が付与されております。今のうちに驚かれる覚悟をしておいたほうがいいですよ?」
なんだよ、驚かれる覚悟って……。
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