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77.バカラ、結界が一瞬で壊れ直され驚愕す



「ば、……ばか、ばかなぁ……」


 バカラ大司教は、目の前で起きたことが信じられず、呆然とつぶやく。


「そ、そ、そんな……主の結界が……やぶられる……だと……? ばかな……そんな……そんなあり得ていい話じゃない!」


 バカラは知ってる。

 極光結界が破られた、これが、どれだけの異常事態であるかを。


「主の結界は……絶対不壊。今まで、他者の干渉で壊れたことは、一度も無かったと聞く……」


 彼らが信じる主は、バカラが生まれる前から生きてる。

 長い神聖皇国の歴史上……。


 誰かの手によって、極光結界が破壊されたことは、ただの一度だってないのだ。

「結界が摩耗し、主が張り直すという自体は幾度もあった……しかし破壊されるなんてことは、ただの一度も! ただの一度も! ありはしなかったこと!」


 バカラは頭を抱える。


「そんな……ありえない……」


 主は、絶対的存在だ。

 主の張った結界が壊された。これは、主より強い存在が居る……ということ。


「そんな……ばかな……」


 バカラは、こんなものが現実だと認めなかった。

 何かのトリックだ、とか。


 そういう根拠の無いことを考えるも、しかし、結界の無い空が、それを否定する。


「うぐううう……ふぐぅううううううううううううううう!」


 主を信じる気持ち。

 主の結界が破壊されたという事実。


 二つがぶつかりあい、バカラは身もだえする。


「ば、バカラ大司教……」


 別の聖職者が部屋に入ってくる。

 ぎょっ、と死体となった聖職者を見て、彼は目を剥く。


「い、一体何が……?」

「貴様には関係ない! それより、なんだ!?」


「あ、え……いや……」

「なんだ? と聞いている! 主の代行者たる、大司教のワタシが!」


 これ以上の異常事態が起きていたら大変だ。

 直ぐに、報告を聞かねばならなかった。

 バカラの鬼気迫る表情に気圧され、聖職者は報告する。


「極光結界が……は、破壊されました……。魔物が、皇都に流れ込んでおります……」


 それを聞いて、バカラは絶望の表情を浮かべる。

 ……結界が消えた(見えなくなった)という可能性が、完全に否定される。


 魔物の侵入を防いだ結界。

 魔物が入ってきたと言うことは、つまり、結界が壊れたということ。


「そんな……そんなぁ……」


 固く信じていたものが、ガラガラと音を立てながら崩れていく。

 盲目的に信じていたバカラ。


 しかし信じていたものが、否定され、彼は精神的支柱を失い……その場に倒れてしまう。


「大司教!? どうなさりました!? 大司教ぅ!?」


 聖職者に抱き起こされ、治癒の魔法をほどこされる。

 でも大司教の精神は快復しない。


「大司教! 目を覚ましてください! あなたが指揮を執ってくれないと、皇国民たちが魔物の餌食になってしまいますぅううううううう!」


 しかし、バカラは正気を失ったままだ。

 よっぽど、主を否定されたのが辛かったのだろう。


 彼は「そんなぁ……」と情けなくつぶやくばかり。

 一方で魔物は皇国に攻めてくる。

 

 ……このままでは、多くの民が犠牲になる……とそのときだった。


「なっ!? 何だあれはぁ!?」

「ふぇええ……?」


 消えたはずの、結界が、元に戻っていくではないか。


「「なにぃい!? 結界が修復されていくだとぉおおおおおおおお!?」」


 驚愕する二人。

 目の前でまたしても、奇跡の所業が繰り広げられている。


「しゅ、主が張ったのでしょうか……?」

「いや……主は今、地下でお眠りになられている……」



 さしもの主も、寝ている状態では、魔法を使うことができない。


「で、では……あの結界は……?」

「主では無い誰かが……結界を張ったのだ……神の、結界を……」


 バカラは、もう訳がわからなくて……考えるのを辞めた。

 仕方ない。

 

 まさか、結界を壊した張本人と、結界を直した人物が、おなじとは……。

 誰も、信じないだろうから。

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