75.極大消滅魔法
天導教会ってところが、俺の領地にちょっかいを出してきてるらしい。
「どうすりゃ、嫌がらせ辞めるかね」
こう言うとき頼りになるのは、全知全能。
「解:彼らにとってアベル神が脅威であることを、見せつけるべきだと思います」
どうやら俺への呼び方は、アベル神で統一されたらしい……。
「示威行為ってやつ?」
「是:彼らがデッドエンドにちょっかいをかけてくるのは、アベル神の強さを理解していないから」
「俺を舐めてるって言いたいの?」
「是:彼奴らは本物の神の力がどれほどなのか、知らないから攻めてくるのです」
まあ、なんだ。
じゃあ俺が凄いことして、相手を本気でビビらせればいいわけか。
「でも、具体的にどうすりゃいい?」
「何かとんでもないことをするのがよいかと」
急にふわっとしてきたな……。
「なんか良いアイディアない?」
「解:奴らの国防結界を破壊するのは、どうでしょうか」
「こくぼー……けっかい?」
なんだそりゃ?
「天導教会の本拠地である、神聖皇国には、彼らが主が張った結界があります。それを、一部でも良いから破壊するが無難かと」
なるほど……。
やつらの頭が張った結界を、俺が壊せば、やつらもびっくりするって寸法だな。
「よし、それで行こう。ミネルヴァ、やつらの本拠地である神聖皇国ってところはどこにあるんだ?」
「解:ここより南西に、海を渡った先にある、小島が神聖皇国です」
おし、次なる目的地は決まったな。
「じゃあ、神聖皇国ってところに行って、ちょっと暴れてくるか」
「その必要はありません」
「? どういうこと?」
「マスターならば、ここより、魔法での狙撃が可能です」
は……?
いやいやいや……。
「海の向こう側に、魔法なんて届けられるわけ無いだろ?」
「否:可能です」
「……ほ、本気で言ってるの?」
「是:本気です。大賢神となったマスターならば、海の向こうへ攻撃魔法を放つことは可能。これもまた、示威になるかと」
なるほど……わざわざ向こうに行ってぶっ壊すより、こっから狙撃した方が、脅威度は高くなる……か。
ん……?
あれ? 脅威度が上がると、まずいんじゃ……?
より強く攻撃してきたりして……?
「マスター? どうさったのですか?」「あ、いや……」
まあでも、何もしなかったらまた向こうが、調子乗ってくるだけだ。
きちんと俺が脅威であることを、示しておくべきか。
「よし……じゃあ結界をこっから、ぶっ壊す。その魔法を今考えてみる」
長距離狙撃+結界破壊。
この二つの性質を持った、新しい攻撃魔法を考える。
全知全能も使い、アイディアを形にする……よし。
「いくぞ」
俺は両手を広げる。
「右手に、極大魔法【煉獄業火球】」
続いて、左手に別の魔法を集める。
「左手に、極大魔法【絶対零度棺】」
極大の炎。
極大の氷。
同時に、極大の魔法をぶつけることで生じる、圧倒的な破壊の力。
「できた……いくぞ……【超新星】!」
俺の目の前に、小さな光の玉が出現する。
それは空に浮かぶと、一瞬で消えた。
「こ、これで……おわりなの?」
ドゥーエが首をかしげる。
「ああ。この魔法は、消滅魔法」
「しょうめつ……?」
「二つの極大の魔力をぶつけることで、消滅のエネルギーを生むんだ。で、あの光の玉は、狙った場所に転移するようプログラミングされてる」
超新星は、転移+消滅の力がある。そうなるように、俺が術式を組んだ。
「ミネルヴァ、神聖皇国の様子って表示できるか?」
「是」
俺の前に、1冊の古びた本が出現。
全知全能の書は、ここから遥か先にある、神聖皇国の様子を写しだす……。
『わあああ!』
『な、なんだぁ!?』
『国防結界だけが消滅したぞぉ!?』
『信じられない!? 主が張った絶対の結界が破られるなんてぇ!?』
うん、狙い通り結界だけを破壊したようだ。
「やろうと思えば、結界ごと、国ごと消滅できたのでは?」
ミネルヴァの問いかけに俺はうなずく。
「できたな。だが、別に今回は殺しが目的じゃないしな」
「なるほど……さすがマスター。恐ろしい魔法です」
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