72.聖騎士まひろもワンパン
天導教会の聖騎士がやってきた。
……で、俺が何かする前に、自警団に捕まっていた。
さて。
俺は地下牢へと移動する。
「でたな、化け物め!」
その子は俺の顔を見るなり、そう、吐き捨ててきた。
年齢は10代後半くらいか。
身長は170と高め。
青みが掛かった髪の毛に、すらりとした体躯。
結構な美人だ……が。
俺をにらみつけるその瞳には、明確な敵意と殺意が浮かんでいた。
「化け物じゃない。俺はアベル。アベル・D・キャスター。君は?」
「ふんっ! 化け物に名乗る名なんぞない……が、特別に教えてやろう」
教えてくれるんかい……。
「私は天導教会の聖騎士、No.13。マヒロ・オブセだ」
まひろ……オブセ?
なんだか妙な名前だ。この辺の人間じゃないのかな……?
「No.ってのは?」
「貴様に答えるギリは無い!」
「あ、そう……」
あとでサンシィタかミネルヴァに聞けば良いか。
「で、聖騎士のまひろ……ちゃんは」
「ちゃんづけするな、気色悪い!」
……言葉が強いなぁ。
まあ子供だからな、しょうがない。
「まひろは何しに来たんだ?」
「邪悪なる存在を討ち滅ぼしにきたのだ!」
「邪悪なる……存在? 誰?」
「貴様に決まってる! なんだその、尋常ならざる力は!」
あれ?
魔力を制限してるんだが。
まひろはどうやら、俺の制限してる力を見抜いてるみたいだ。
何か特別な力、あるいは、目を持ってるのだろうか。
いやでもそれがあるなら、モンバに後れを取るのはどうして……?
「やはり化け物! ここで滅す!」
まひろは手に何も持っていない。
だが、こちらに近づく彼女からは、異様な気配を感じた。
ばっ! とまひろが手を上げる。
何も握っていない……。
しかし俺は、そこから嫌な予感を感じた。
「ぜやぁあああああああああ!」
俺はとっさに一歩下がる。
ずばんっ! という快音がする。
牢屋の鉄格子が、一瞬で溶けたのだ。
「おお」
魔力……ではない。
なんだこれは? また違う力のように感じだ。
何らかの力を凝縮し、剣のように振るった。
その結果、鉄格子が溶けた……ってところか。
「悪鬼即滅! それが我ら天導の聖騎士の理念! 死ね……!」
またまひろが見えない攻撃を仕掛けてくる。
俺はとりあえず、魔力で鎧を作り、軽くガードを……。
「ぐあぁああああああああああああああああああああああああ!」
「は?」
まひろが背後に吹っ飛んでいった。
壁にぶつかると、そのまま、ぐったりと倒れ込んでしまう。
「え、ええ……。魔力で身体を覆い、ガードしようとしただけなんだけど……」
あ、これあれだ。
魔力撃のときとおなじだ。
しまったぁ……。
魔力の出力も上がってるんだった。
俺はカノジョに近づく。
「だいじょ……って、ええ!? し、死んで!?」
まひろに近づくと息をしていなかったのだ。
俺は急いで魔法を使う。
「死者蘇生!」
問題なくまひろが生き返る。
一方、まひろは俺を見て驚愕していた。
「な、なんなのだきさま……わ、私は……確かに毒を飲んで自害したのに!」
あ、なんだ……。
俺が殺したんじゃなかったのか。
どうやら口の中に毒でもしこんでいたらしいい。
「何故助ける……? 貴様は悪いやつでは……?」
「違うよ。ただの、辺境領主さ」
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