71.覚悟しておきな、聖騎士は強いぞ(弱い)
ミョーコゥの牢屋にて。
サンシィタから、天使について話を聞いた。どうやら結構強かったらしい……。
「つまり、なんだ。天導教会は俺を排除しようとしてるってことか? サンシィタ」
こくこく、とサンシィタがうなずく。
「おっしゃるとおりで。今後も天導の愚者どもは刺客を送ってくるでしょう。先ほどの天使は、その先遣部隊かと」
サンシィタはすっかり改心してるようだ。
天導をバカとか言ってるし。
俺は全知全能の書を手に取って、心の中でミネルヴァに問いかける。
『サンシィタは信用していいかな?』
『是:マスターを心酔しております。死ねと言えば死ぬレベルで』
こわ……。
はぁ……まあそれならいいか。
俺は牢屋の扉をあけてやる。
「出ろ」
「よ、よろしいのですか……?」
「ああ。おまえには今後も力を貸してもらいたいしな」
「ははぁ! ありがたきしあわせぇええええ!」
サンシィタが俺の前で跪いて、頭を下げる。
「このサンシィタ、偉大なる【アベル神】様のもと、身を粉にして働く所存であります!」
「あ、アベル神ぅ?」
それって俺のこと……?
「はい!」
「ええー……」
まあもう今更か。周りも俺を神扱いしてくるし……。
しかしついに名前に神がつくなんてな……。
本物の神さまに怒られる……っって、あれ?
天導が切れてるのってそこなんじゃないか……?
「アベル神は控えるように」
「で、ではなんと……」
「それ以外ならなんでも」
「わかりました、神! 仰せの通りに!」
……っもういいや。
さて、と。
「目先の問題を解決しないとな」
「と、おっしゃられますと?」
「今回天使を放り込んだ犯人をつかまえないとな」
「なるほど、天使は召喚結晶から呼び出されるモノ。召喚主が近くに居るやもしれないということですね!」
そういうことだ。
まあ、全知全能を使えば直ぐにわかる。
「ミネルヴァ、天使を使った敵は今どこで何をしてる?」
「解:牢屋に運び込まれてきてます」
「は……?」
どういうことだ……?
困惑する俺を他所に、サンシィタが言う。
「天使の召喚主は、気をつけてください。かなりの手練れでございます」
「そ、そうなの……?」
「はい。天導には【聖騎士】と呼ばれる、特殊な武装集団がおります」
「聖騎士……」
「彼らは剣や槍などの武術の達人でもあります。高位冒険者でも彼らには歯が立たないと」
「へ、へえ……」
そいつが今、ここに運ばれてきてるみたいなんだけど……?
と、そこへ……。
「あれ? 兄貴じゃないっすか、なにしてるんすかこんなとこで?」
「モンバ」
自警団リーダー、モンバ・シューエイが、首をかしげながら問うてきた。
その手にはロープが握られており……。
「え? だれそれ……?」
白いローブを身に纏った、変なやつが、モンバに捕まっていた。
「なんかミョーコゥうろついていたんで、捕まえてきたっす!」
「そ、そう……。サンシィタ? こいつってもしかして……」
サンシィタが驚愕の表情を浮かべる。
「せ、聖騎士です! こいつですよ! 天使を召喚したのは!」
「ああ、やっぱり……」
あ、あれぇ?
強いんじゃ無かったのか……?
俺や嫁以下の戦闘力しか無い、モンバに負けてるぞこいつ……?
「なあモンバ、こいつ強かった?」
「クソ雑魚でしたよ! まあ、兄貴に教わった色々がなきゃまけてたかもっすけど!」
な、なるほど……。
「神はやはりすごい! 聖騎士を凌駕する戦闘員を育成するだなんて! さすがです!」
あれこれ、脅威でもなんでもないかも……。
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