66.辺境の大賢神
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
『条件を達成しました』
リッチーの魂を浄化し、新しい肉体を与えた。
ドゥーエはどうやら高名な呪術師だったそうだ。
「さて……と。あとはこいつだな」
「どひぃいい!」
奈落の森の入り口にて。
天導教会の聖職者の野郎を、問い詰める俺。
「天導はなにをたくらんでいるんだ? リッチーを呪具で無理矢理操り、魔銀を使うやつらから高いお布施をふんだくって」
だれがどう見ても、カタギのやることじゃない。
どうしてこんなことを……?
「ぐ、くそぉおお! 主ょお! あなた様の足を引っ張ることはしません! 我が命をもって、こやつらを道連れにぃいいいいい!」
ずぶ! と聖職者が自分の手を、心臓に突き刺す。
「告:敵は自爆するそうです。周囲一帯を巻き込んだ強力な爆発術式を発動します」
「わかった」
……強力な自爆技か。
前の俺だったら、慌てただろう。
でも今の俺には力がある。
みんなを守りぬく力が。
それが俺の心の有り様を変えてしまったのかも知れない。
俺は冷静に、事態への対処法を考える。
「多重結界」
俺はティアが使う、結界魔法を発動。
何十もの結界が、聖職者の体を包み込む。
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!
やつの爆発術式が結界を破壊していく。
だが、無数の結界が爆発を決して外に逃がさない。
やがて……爆発が収まる。
「……す、すごい……あんな大規模な爆発を、防いでしまうなんて……」
ドゥーエが驚愕してる。
そうか、俺の力を実際見るのは、この人は初めてか。
「しかし……なんて野郎だこいつは。情報を漏らさないために自死するならともかくとして、周りを巻き込んで死ぬなんて……」
爆心地には、黒焦げになった、天導の聖職者が倒れている。
俺はそいつのそばまでやってきた。
「即死です」
全知全能でなくとも、こいつが死んでいるのはわかる。
体は炭化し、手足は千切れ、完全に死亡していた。
「情報を引き出す前に死にやがって……ったく」
天導の怪しい動きについて、こいつからちゃんと、情報を仕入れておきたかった。
領民を守るためにな。
「マスター、先ほどのように、死者を蘇生させるのはいかがでしょうか?」
「さっきのか? いやでも、あれは結構カケな部分あったし、もう一回できるか……」
するとミネルヴァが言う。
「大丈夫です。職業が進化した、今なら」
「なに? 職業が、進化しただって……?」
「ええ。先ほど英雄譚が更新されました」
英雄的な行動をすると、新しい力に目覚める、という俺の力だ。
「マスターは賢神から、大賢神へとランクアップしました」
「……神になってもさらに、強くなれるのか」
「ええ。さすがマスターです」
たしかにさっきよりも、自信というか、できるって気持ちが強くなっている。
これが神として、さらに進化したからだろうか。
「大賢神となったことで、魔法使用権限レベルがあがりました。古代儀式魔法【死者蘇生】を、単独、無詠唱、儀式省略で発動できます」
「な!? そんな……信じられない……!」
ドゥーエがなぜか驚いていた。
「どうした、ドゥーエ?」
「……どうしたじゃないわ。だって、死者蘇生は、古代魔法の中でも、特に難易度の高い儀式魔法。神に選ばれた天才が、長い年月と、己の生命を削って、ようやく発動できる秘技。それを……単独で、詠唱・儀式なしに行使できるなんて……」
そういえばドゥーエはいつの時代の呪術師なんだろうか?
わからんが、高位の魔法職が驚くくらいには、この死者蘇生って魔法はとんでもないものなんだろう。
「効果は……俺の想像してるとおりでいいんだな?」
「是;死者を蘇生させます。無論、細かい条件はありますが。今でなら、ノーリスクで、そこのゴミ屑を蘇生できます」
なるほど……。
さすがに無条件でどんな死者でも蘇生できるわけじゃないのか。
……このクズな聖職者に、力を使うことに、嫌悪感を覚える。
が、力を試しておきたかったしな。相手から情報も仕入れたいところ。
俺は、魔法を発動する。
「死者蘇生」
その瞬間、俺の足下に魔法陣が展開。
何十もの魔法陣が光輝くと、空から、光の柱が降り注ぐ。
その光を浴びた聖職者の体が、みるみるうちに元通りになる。
壊れた組織はなおされ、さらにそこへ、魂が宿る……。
「かは! はあ……はあ……お、おれは……いったい? 死んだはずでは……?」
「悪いな、俺の都合で、あんたを生き返らせてもらった」
死者の蘇生。
とんでもない魔法だ。だが、……なんでだろうな、達成感は特になかった。
相手がクズ野郎だからかな。
「う、うぉおおおおお! あなたが、本当の神ですかぁ……!」
天導の聖職者が、俺の前で跪き、涙を流す。
「はぁ? 違うが」
「いいや! 死者を蘇らせる! それは我らが主にも不可能なこと!」
どうやらこいつらのボスも、死者蘇生は使えないらしい。
「解:死者蘇生の魔法を取得した元人間は、歴史上存在しません」
「まじか」
「まじです」
人類初……ってことか。
多分人類以外は使ったことあるんだろうけど。
「神! おれは仕えるべき相手をまちがっておりました! どうか、あなたの配下に!」
「はぁ……。とりあえず、隠してること全部しゃべってもらうぞ」
「喜んで!」
しかし……はぁ。
死者を生き返らせるなんて、これもう完全に、神じゃないか。
「マスター。賢神となった時点で、あなたは人の範疇を超えた、超すごい存在ですよ」
「そうか……まあ、だとしても……やることは変わらんな」
この力を、領民達の平和のために使うんだ。
俺は改めて、そう決意するのだった。
【★☆大切なお願いがあひます☆★】
本話をもって、第2章 完結となります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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