表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/196

59.やることなすこと全部驚かれる



 櫛形山くしがたやまのなかで、キムズカジーの親戚イッコジーを助けた。

 その後、俺は地方移住スキルで作った転移門ゲートをくぐり、首都ミョーコゥへと戻ってきた……のだが。



「なんやてえええええええええええええええええ!?」


 転移門ゲートを見ながら、驚愕の表情を浮かべるイッコジー。

 ああ、そうか。


 転移門ゲートはダンジョン内にしかないはずだから、こんなとこにあって、驚いてるのだろう。


転移門ゲートなんであるん!? どうやってんや!?」

「俺の職業ジョブ、辺境領主の力を使ってるんだ」

「へ……!? は……!? な、なんやそんな職業ジョブ! 聞いたことあらへんよ!?」


 俺も聞いたこと無かったな……。


「ちょぉ、まってや! ええと……確か……」


 イッコジーが自分の魔法袋(モノを異空間に収納する便利魔道具)から、分厚い辞書を取り出す。


「辺境領主辺境領主……、ないわ! つまり、【ユニーク職業ジョブ】ってこっちゃな!」

「ユニーク……職業ジョブ……?」


 なんだか、聞いたことない単語が出てきたぞ?


「ユニークっていうのは、その人固有のって意味や。この職業ジョブ辞典にはな、天地創造から今日まで、女神はんから授けられた職業ジョブが書いてある。そこに記載がないっちゅーことは、大魔導士はんだけに与えられた、超レアな職業ジョブってことや!」


 なるほど……。

 剣士や魔法使いといった職業ジョブは、歴史上(というか現実でも)複数人居る。


 歴史上、その人ひとりしか発現したことがない職業ジョブを、辺境領主って……。


「それ……もしかしてすごい?」

「もしかしなくてもすごいわ! そもそもユニークなんて滅多でぇへんのや! 直近だと【ヒラクモノ】なんちゅーのがあったけど、それも何世紀も前やからな」


 なるほど……。

 ユニークはほとんどでないのか。


 数世紀ぶりに、ユニーク職業ジョブが、俺のもとに発現したと……。


 やっぱり、凄いことだったらしい。


「あれ? でも大魔導士はんって、確か職業ジョブが大賢者やなかったっけ?」

「ああ、第二の職業(セカンド・ジョブ)として得たんだ」


「せ!? う、うそやん!?」


「イヤ、ほんとだよ」


 ぽかんとするイッコジー。


「大魔導士はんが嘘つくお人やないとおもうけど……。ま、まじなん?」

「ああ……。なんだったら第二、第三と複数職業ジョブを……ってイッコジー?」


 ぶるぶるぶる、とイッコジーが身体を震わせてる。


「あ、あかん……もう驚きすぎて身体がもたんわ……これ以上すごいこと、せえへんでくれます?」


 どこからが、これ以上のすごいことなんだろうか……。

 逆にどれくらいが、凄くないんだろうか……。


「って!? なんやこれぇ!?」

「今度は何に驚いてるんだ……?」


「これ! この外壁! なんやこれ! 見事すぎるやろ!!!!!!!」


 ミョーコゥを包む外壁を見て、イッコジーが驚いている。

 え? 普通の外壁のようなきがするんだが……。


「見てみぃこの外壁! つなぎ目が一切あらへん! おかしいやん!」

「どこが……?」


「普通、外壁っちゅーんはな、レンガなどのブロックを積み上げてできるもんや。となると、外壁につなぎ目がどうしても生じてしまう。けど! これにはそれが一切あらへんのや!」


 確かにつなぎ目は全くないな……。


「まあスキルでぽんって出したから……」

「なぁあああああああああ!?」


 げ、元気な人だなこの人……。


「えと、辺境領主のスキルに、地方創生ってスキルがあるんだ。領民が増えると、スキルでぽんっと、作りたいものが作れるようになる」


 デッドエンド領をもらったことで、領民が増え、作れる種類も増えたのである。

「それ……創生スキルやないかい!」

「ああ。やっぱり知ってたか」


「あったりまえですやん! 地方創生スキルちゅーたら、全商人の夢の一つ! 鑑定、アイテムボックス、そして創生! どれか一つでも持っていたら、巨万の富を得ることができる! 特に創生スキルがあれば、商業の神を名乗れますよ!」


 ……………………まじか。

 また、神になってしまうのか俺……。


 というか、鑑定もアイテムボックスも持ってるのだが……。


 さすがに驚き疲れてしまうだろうから、黙っておこう。


「こない立派な外壁までつくれるなんて、辺境領主おそるべしやな……」

「ま、まあほら、あんま周り見ないでおくれよ。俺が領主となったばかりで、いろんなもんが足りてないからさ」


 本音は、また何かを見てイッコジーが仰天したら、大変だからな。

 さっさと用事を済まさせて、帰ってもらおう。そのほうが負担は少ないだろうからな。


「あ、兄貴~! おつかれっすぅ~」


 門の入り口前に、若い男が立っていた。

 モンバ・シューエイ。


 俺の弟子でもある男だ。

 ……で、彼の足下には、でかくて赤いドラゴンが倒れていた。


「火竜やぁん!? なんでここに!?」

「兄貴が居ない間に襲ってきたんで、おれが倒しておいたっす!」

「なんやてぇええええええええええええええええええええ!?」


 ああ、またイッコジーを驚かせてしまった……。


「火竜ってAランクのドラゴンやで!? あ、あんた……もしかして名うての冒険者だったりするん?」


「いえ! 自分はこの地方都市ミョーコゥの、門番をしてるしがない若者っすよぉ?」


「!? ただの門番が……Aランク倒しちまうん!?」


 するとモンバが胸を張って言う。


「アベル兄貴に鍛えてもらったっす! そしたら、ドラゴンくらいみんな、簡単に倒せるようになったっすよー」


 ……イッコジーが「な、なにゃ……」

どしーん! と倒れる。


「イッコジー!? どうした!?」

「きゅう……」


 ……ティアが直ぐに患者の様子を見る。

「叫びすぎて、酸欠ぎみになってしまわれたようです。すぐ」


 ……たいしたことなくてよかった。

 

【★☆大切なお願いがあります☆★】


少しでも、

「面白そう!」

「続きが気になる!」

「アベルやばすぎだった件」


と思っていただけましたら、

広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】から、

ポイントを入れてくださると嬉しいです!


★の数は皆さんの判断ですが、

★5をつけてもらえるとモチベがめちゃくちゃあがって、

最高の応援になります!


なにとぞ、ご協力お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これは...ヒラクモノの後の世界ということでよろしいでしょうか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ