表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/196

56.片手間に国宝つくっちゃう


 キムズカジーのとこで、神威鉄オリハルコンの剣をパワーアップさせた。


 俺はミョーコゥにある、マテオの茶屋のテラス席にて、のんびり茶をすすっていた。


「平和だ……」

「ベルさんのおかげでね」


 街は加速度的に便利になっていっている。


 デッドエンド領をまるっともらったことで、統治する人数(領民の数)がふえ、地方創生スキルで作れる建物のバリエーションが増えたからである。


「外壁、建物……作るのに手間が掛かるもん、一瞬でつくっちまうんだもん。やっぱベルさんは、凄いよ」

「そりゃ……どうも」


 最近思うところがある。


「どうしたんだい? 浮かない顔して」


 マテオは直ぐに俺の異変に気づいたようだ。

 こまかいところに、よく気づく女だ。


「ちょっと悩んでて」

「どうしたんだい? 悩みを聞くよ」


 マテオが隣の席に座る。

 心配そうな表情で俺を見ていた。俺のこと、大事に思ってくれてるんだな。……いい女と結ばれて、俺は幸せだ。


「最近……」

「うんうん」

「なんか、人間離れしてない……俺?」


 賢神けんじんの力を手に入れてから特に、だ。

 なんか俺のやることが、全部常識を越えるような、凄いことばかり。


 まるで、ホントに神になった気分……。

「え、何言ってんだい? 最近もなにも、最初からでしょ? 人間離れしたのって」

「あ、あれぇ? そ、そうかな……?」


 マテオが真顔でそう言ってきた。

 嘘じゃ無くて、本当なのか……。あ、あれ……?


「そもそもベルさん、賢神けんじんに成る前から規格外でしょ? 魔神倒すくらいに強いんだし」

「いやまあ……でもあれは、七剣星セブンスがいたからで……」


 俺単体で倒したわけじゃないっていうか。


「ワイズマンから聞いたよ。復活魔神に、ワイズマンほか6人の攻撃はまるで歯が立たなかった。ベルさんがほぼひとりでやったって」


「いやあれは……」


 確かに皆倒れて、俺だけが立っていたけれども。


「それでも、皆の助けがなかったら成し遂げられなかったよ。魔神殺し」

「でも、人の助けを借りて、魔神倒せるやつなんて、ベルさんくらいさ。なんにせよ、あんたは最初からヤバかったよ」


 うんうん、とマテオがうなずく。

 すごかったのかわからないが、まあ、マテオが凄かったというのならそうなんだろうな。


「ところでベルさん、何やってんだいそれ?」


 マテオがテーブルの上においてある、剣を指さす。


神威鉄オリハルコンの剣。身体強化エンハンス以外の魔法が付与できないかなって」


 知的好奇心からだ。

 身体強化エンハンスでヒトミがレベルアップしたんだ。


 他の魔法も使えるようにできたら、役に立つかなって。


「ベルさん付与魔法って、大魔導士時代使わなかったの?」

「ああ。道具に魔法を付与する必要なかったかな」


「それに魔法でだいたいワンパンできたからな」


 道具に付与しての運用は、魔力量の少ない、戦闘職系の職業ジョブのやつが使う手だったしな。


「しかし付与魔法ってこないだ、初めてやってみたけど、案外簡単だったな」


 自分の身体にかけるように、道具にかけるような感じ。


「今度は属性魔法を付与してみようかなって」

「できるんかい? 補助魔法の付与より、属性魔法の付与の方が難しい……」


「できた」

「はや!?」


 ずずずず……と刃に魔力が宿っている。

「って!? なんだい、この魔力量!? いったいどんな魔法を付与したんだ!?」

天裂迅雷剣ディバイン・セイバーだけど」

「でぃ!?」


 ん?

 どうしたんだろうか……。


「極大魔法じゃないかい!」

「ああ。なんかいけたな」


「信じられない……」


 信じられない?


「攻撃魔法の付与を行う場合、魔法のランクが上になるほど難しくなるんだよ? 常識……ないね」

「ああ」


 そうだったのか。


「魔法の威力が高くなると、制御が難しくなるさね。ただ相手にぶち当てるより、付与するほうが難しい。極大魔法の属性付与なんて、理論上まあできなくないけど、やったやつなんて見たことないよ」


「そうだったのか」


「……ベルさん、ほんと魔法学校に通っとくべきだったね。奨学金制度とかあったんだよ?」


「そ、そうだったのか……」


「そうだったのか言い過ぎだよ! もう!」

「す、すまん……」


 しかしそうか。

 学校、学校かぁ……。


 俺みたいなのが、今後増えないように……。


「学校とか作ってみたいかな」

「ベルさんがそうしたいなら、してみたらいいんじゃないかい? せっかく自由にしていい土地をもらったんだしさ」


 なるほど……。

 自由、か。


 自分で何でもやっていいなら、今までやってこなかったことを試してもいいかもしれんな。


「で、ベルさんの極大魔法を付与した剣だけど……性能は……って、えええ!?」


 ん?

 どうしたんだろうか。


「べ、ベルさんこれ……装備ボーナスがついてるよ! それも……二つも!」


 装備、ボーナス……?


「装備してる間だけ、使えるようになる特別なスキルさ」

「ほー……便利だな」


 あんま武器使ったことないから、知らなかったが。


「いやね、装備ボーナスつきの武器って、作るのとても技術力がいるんだよ! キムズカジーでも、無理なことなんだよ!」

「えー!? マジかよ!」


「ああ……装備ボーナスを二つもつけるなんて……。どうやって……?」

「ただ適当に魔法を付与しただけなんだが……」


 身体強化エンハンスを付与したときのように、ただ付与しただけである。


「そっか……。そもそも一般人は極大魔法を付与する、っていうその時点で高度に超が100くらいつく高等技術だったね。ベルさんは簡単にやってるけど、前提として高等テクを使っていたわけか」


 それが装備ボーナスをつける条件だったのかもしれん。


「【鑑定】」


■雷速剣(S+)

→装備ボーナス:雷速、雷掌

 

「装備すると素早く動けるようになる、雷速。攻撃に麻痺属性を付与する雷掌。二つのスキルを付与されるみたいだな」


「……………………」


 マテオがまた、大きくため息をついていた。

 これは……。


「またやっちゃったか」

「ああ、やっちゃってるよ……ものすごいやつ。二つとも。これ……国宝レベルさね」


 え?

 えええ!?


「こ、国宝!? こんな……適当に魔法を付与した剣が……!?」


「ああ。雷速、雷掌、どっちもSランクスキル。装備するだけでこんな凄いスキルを得られるんだ。国宝の条件を十分満たしてるさね」


 そ、そうだったんだ……。

 しかし、国宝ねえ……。


「マテオを疑うわけじゃないが、こんなテキトーに作ったものが、そんな価値があるとは思えんのだが」

「ほーん……ワイズマン!」


 ちょうど、ワイズマンが警邏活動から帰ってきた。


「これベルさんからプレゼントだって」

「! ありがとうございますわ! どれどれ……」


 雷速剣を見て……どさっ! とワイズマンが腰を抜かす。


「こ、国宝レベルの魔道具ですわーーーーーーーーーーーーーー!」


 あ、やっぱりそうだったのか……。


「アベル様! ありがとうございます! 家宝にいたしますわ!」

「お、大げさな……」


 テキトーに作っただけだから、とは言えんな……。

 こんなに喜んでるし……。


【★☆大切なお願いがあります☆★】


少しでも、

「面白そう!」

「続きが気になる!」

「アベルやべえええ!」


と思っていただけましたら、

広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】から、

ポイントを入れてくださると嬉しいです!


★の数は皆さんの判断ですが、

★5をつけてもらえるとモチベがめちゃくちゃあがって、

最高の応援になります!


なにとぞ、ご協力お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] なんか、やってる事は凄い内容なんだけれど、 なんともアットホーム雰囲気でほのぼのしてますね。
[一言] 王家の家宝なら国宝と同義では(笑)
[一言] 国宝が家宝にランクダウンw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ