表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/196

49.高難度技術を簡単に習得させてしまう



 モンバたち、街の自警団を鍛えることになった俺。

 場所は、奈落の森。


 どうやら俺の使っていた、魔力操作というのは、とても高等な技術、なのか?


【解:魔力操作の習得難易度は、A。上級魔法を習得するのと同じ難易度となります。魔力操作を身に着けることが、一流冒険者、英雄と呼ばれるようになるための最低条件となります】


 ……ってことらしい。

 

「これ、そんな高等テクだったのか……」


 一流や英雄になるための必須条件とはな……。


「俺、呼吸するように使えてたんだが。ティアも結構簡単に会得したし、てっきり魔法職の必須テクかと」

「ベルさんもティアも、この世界では上澄みだってこと、ちゃんと理解してほしいね!」


 マテオがぷりぷりと怒っている。


「でも、じゃあおれらは身に着けるのむずいっすかね。兄貴レベルじゃないと使えないなんて」


 モンバが悔しそうに言う。

 自分にはできない、と思って落ち込んでいるんだろう。ちょっとかわいそうだ、やる前からお前にはできない、なんていわれるなんてな。


「俺が考えた、訓練方法があるんだ。よければ、試してみないか?」


 それでティアがすぐに魔力撃覚えられたしな。

 まあティアが凄いやつなのは否定しないけど、でも、他のやつでもできると俺は思う。


「ぜひ!」

「よし。じゃあ、モンバ。手を出してくれ」

「はいっす!」


 モンバの手を取る。


「何するんだい? ベルさん」

「今から、モンバの体に魔力を流す」

「魔力を流す?」


「魔力操作で一番つまづくのは、魔力を流すって感覚が理解できない、ってことだと思うんだ。だから、外部から魔力を流す。そうすることで、感覚をまずは把握させるんだ」

「な、なるほど……。なんとなく理屈はわかったよ。でも、そんなことで、簡単に習得……」


「できたっすぅ!」

「えええええええ!?」


 ごうごう! とモンバの体から魔力があふれ出ている。


「兄貴に魔力を流してもらったら、おれも自分で魔力を流せるようになったっす!」

「なんだって!?」


 やっぱり俺の訓練方法は間違いじゃなかったようだ。

 ほかの自警団の子らにも、魔力を流す。


「できたぁ!」「うぉお! これが魔力を流す感覚ぅ!」「あんだ案外簡単じゃーん!」


 俺の訓練法を試した結果、全員が、魔力操作を習得した。


「す、すごすぎるよ……! ベルさん。習得難易度Aの高等テクを、一発で習得させるなんて! しかも、こんな訓練方法、魔法教本にも書いてなかったよ!」


 魔力を流す。ただそれだけで、魔力操作を覚えられるなんて。


「でもさ、マテオ。誰でもこれくらいは、考えつくと思うんだがな?」

「そう……さね」


「どう思う?」

「うう……わからないよ! 教えなよ、全知全能!」


【解;女房(笑)】


「ベルさん! 燃やそう! この全知全能の書! 燃やそう!」

「お、落ち着けって……」


 それに燃やしても多分、また出てくると思うんだよな。

 これスキルが具現化したものだし。


【解:魔力を流す訓練法は、アベル・キャスターにしかできない】


「どうしてだ?」


【解:一定以上の高い出力で、魔力を流さないと、魔力を操作する感覚を身に付けることができない】


 つまり……このやり方で魔力操作を覚えさせるためには、ただ魔力を流せばいってわけじゃない。

 ある程度、強めに魔力を他人に流せるやつがならないと、修得不可能ってことか。


【是:今の世界で、高い魔力出力を持つのは、アベル・キャスターただひとり】


 だから俺にしかできないってわけなんだな。


「やっぱベルさん……凄いね。ベルさんとキスすれば女は強くなるし、このやりかたで簡単に超高等テクが身につくなんてさ。こんな凄い師匠、他にいないよ」


「さすがっす兄貴ぃ!」


 ううん、まさか俺にこんないろんなことができるとはな。知らなかったな。


【問:誰のおかげ?】


 ……問いかけてきやがった。


【問:誰のおかげ?】


「ベルさん、この女ムカつくわ……」

「いや、女って。スキルに性別ないだろ?」


【是:願望を強いて言えば雌性体】


 願望!?


「自我のあるスキルなんて聞いたことないよ……。これもベルさんの影響によるものなのかね?」


【是:全知全能は賢神けんじんアベル・キャスターが生み出した固有エクストラスキル。彼の資質、思いが、スキル発現に関わっている】


 なんか難しいが、俺が全知全能を生み出したってことらしい。


【是:ダーリン♡】


 ダーリン!?


「ベルさんに女が増えるのはいいけど、アタシ、こいつだけは嫌だわ……」

「なんでだよ?」


【解:今までデカいツラして知識をひけらかしていたけど、全知全能がいるとそれができなくなるから】


「こういうのが嫌なんだよ!!!!」


 俺はマテオを鎮める。


「く、訓練の途中だったな。魔力操作ができれば、あとは簡単に魔力撃が使えるようになるよ」

「ほんとっすか!?」


 俺はうなずいて右手を前に突き出す。


「ベルさん、また森を消し飛ばしたいのかい?」

「そ、そうだな……」

「ふふん。やっぱりベルさんには、しっかりした女房がいないとねえ。質問に答えることしかできない、欠陥品じゃ役不足だね」


【否:アベル・キャスターの役に立っている。また、その役不足は誤用】


 またマテオが全知全能とバチバチしだした……。

 ていうか、全知全能って言いにくいな。

 別の呼び名とか着けるかな……。


【是非】


 是非!?

 やっぱり自我がおありのようだ……。


「その前に……っと。魔力撃で森を破壊しないように……。【錬成】」


 俺は地面に手を置いて、土魔法【錬成】を使用する。


■錬成

→初級土魔法。周辺の鉱物の形を変えたり、加工したりできる。


 ずずずずずず……!


「兄貴の目の前に、でっけえ壁が出現したっす!」

「錬成の魔法だ。地面の形を変形したり、硬くしたりできる。この壁に向かって魔力撃を撃てば、森に被害がでないだろ?」


 俺は錬成で作った壁に向かって、魔力撃を放つ。

 ドがぁんっ……!


 大きな音がするも、しかし壁はびくともしない。

 ひび割れすらしていなかった。


「よし訓練を……」

「ちょ、ちょっと! ベルさんストップすとぉおおおっぷ!」


 マテオが待ったをかけてきた。


「どうした?」

「いやどうしたじゃないよ! 何この壁!? ベルさんのヤバい威力の魔力撃を受けて、ひび割れ一つ起きてないじゃないかい! 変だよ、変!」


 変って言われても……。


「ただの錬成で作った壁だけど? これでよく、敵の攻撃を防いでた」


 結界の構築(ゼロから作り出す)より、周辺の鉱物(土)から、壁を作る錬成のほうが、使い勝手がいいんだよな。

 素早く作れるし。


「ベルさん……今これ、鑑定してみたんだけど……。神威鉄オリハルコンだよ!」

神威鉄オリハルコン……?」


【解:神威鉄オリハルコン。この世で最も硬い鉱物です。古竜の全力の体当たりや、ドラゴンブレスを受けてもびくともしません】


 鑑定の文章よりも、わかりやすいな。

 時折鑑定の文章って、何言ってるのかわからないときがあるからな。


【解:全知全能は、鑑定と違って、使い手の知能にあわせた解説が可能です】


 す、すごいな全知全能……。


【(@^▽^@)】


 なんだこれ!? ついに変な文字まで、本に出てくるようになったぞ!?


「と、とにかくこの壁に向かってみんな、魔力撃を撃つように。目標は、魔力がからになって倒れるまで!」

「「「はい!」」」

【★☆読者の皆様へ 大切なお知らせです☆★】


先日の短編が好評のため、連載版はじめました!

タイトル変わりまして、


『有能な妹がS級パーティを追放されたので、最強盗賊の俺も一緒に抜けることにした~今更土下座されても戻る気はない、兄妹で世界最強を目指すんで~』


広告下↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!


リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n2140iq/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 変な文字(絵文字
[一言] なんかその内 実体化して降臨しそう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ