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207.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

「せっかくだから、少し領内を案内しようか」


 キキョウの緊張をほぐす意味も込めて、俺たちは茶屋を出て、街を歩くことにした。

 外に出た瞬間、キキョウの目が極限まで見開かれる。


「こ、これは……」


 彼女が絶句するのも無理はない。

 目の前に広がるのは、近代的な街並みだ。

 泥道ではなく、幾何学模様に敷き詰められた石畳のアスファルト。

 左右に並ぶ家々は、隙間風ひとつない断熱構造のコンクリート建築。

 上下水道も完備され、街全体が魔道具の街灯で明るく照らされている。


 多分全知全能スキルを使った結果だ。ミネルヴァのやつが、知識を授けて、みんなの技術、レベルを上げていたんだ。


「な、なんという高度な建築技術……。歪みが、数ミリも存在しない……」


 キキョウが震える手で、建物の壁に触れる。


「それに、この気配はどういうことですか? すれ違う村人たちが、全員異常なほどの魔力と身体能力を秘めているのですが」


 ちょうどその時、畑仕事を終えた老婆――近所に住むマーサ婆さんが通りがかった。

 彼女は背中に、巨大な岩のようなものを背負っていた。

 いや、岩じゃない。あれは森の主クラスの魔獣、ギガント・ボアだ。


「おや、領主様。こんにちは」

「おうマーサさん。大物ですね」

「ええ、畑を荒らしに来たもんで、クワで小突いたら死んじまって。今夜は猪鍋ですよ」


 マーサ婆さんは「ほっほっほ」と笑いながら、推定三トンはある魔獣を軽々と担ぎ直して去っていった。


「……あ、あの老婆、今……」

「ん? ああ、みんな元気でいいことだよ」

「元気のレベルが違います! 今の魔獣、Aランクですよ!? それを単独で、しかもクワで!?」


 キキョウが頭を抱える。

 だが、驚くのはまだ早い。


「見てくださいアベルさんっ! 今年のトマト、こんなに大きく実りましたよっ!」


 ティアが畑を指差す。

 そこには、俺の『魔力』の影響を受けた作物が実っていた。

 バスケットボール大のトマト、黄金に輝くトウモロコシ、そして大根に至っては、大人の身長ほどもある。


「ぴゅあ、これ好きなのー! あまくておいしいのー!」


 ピュアが畑の隅で、巨大なイチゴを頬張っている。


「……信じられない」


 キキョウが膝から崩れ落ちた。


「飢えも、病もなく、民草は英雄並みに強く、インフラは王都すら凌駕する……。ここは、本当に地上なのですか?」

「え? ああ、ちょっと発展してるけど、元ただの辺境村だよ」

「いいえ、違います」


 キキョウは確信に満ちた瞳で、俺を見上げた。

 その目には、畏怖と信仰の炎が燃え盛っている。


「ここは『神のエデン』……。貴方様が地上に顕現させた、理想郷そのものです」

「いや、だから違うって」

「ああ、なんと尊い……。このような楽園の民になれるとは、キキョウは果報者です。一生、この地に骨を埋めます」


 キキョウが地面に額を擦り付けて拝み始めた。

 ティアとピュアも一緒になって「パパはすごい神様なのー!」「さすがアベルさんですっ!」とはしゃぎ回る。


 ……だめだ。

 何を言っても「神の御業」として処理されてしまう。

 俺は反論を諦め、ただ遠い目をするしかなかった。

【お知らせ】

※2/5(木)


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