200.保護
神パンチによって、邪教徒を改心させてしまったわけだ。
「で、こいつどうしようか」
フードをかぶった邪教徒。
俺のパンチを食らって正気に戻って、戻って、戻ったっていえるのかなぁ?
「パパが望むままにやればいいのでは?」
ミネルヴァがコテリと小首を傾げ、透き通るような瞳で俺を見上げてくる。
うーん、俺に選択肢を持たせてきたか。
まあここのリーダーは俺だからなぁ。俺が決めないと。
「あんたはどう思う? どうしてほしい?」
俺は邪教徒に意思を確認してみる。ほら、なんか俺の一存で、こいつの行く末を決めるのって、なんかかわいそうじゃん?
「煮るなり焼くなり、好きにしていただいてかまいません……! 殺しても何も問題ありません!」
邪教徒は恍惚とした表情で、地面に額を擦り付けんばかりに平伏した。
「ありすぎるだろ」
俺は思わずのけぞった。
思想、こわ。邪教徒のときからして、偏っていたのに。
しっかしどうするかな。このまま放り出してもまあいいんだが。
「ミネルヴァ。こいつ、他の邪教徒に殺される確率どんくらい?」
「100%ですね」
ミネルヴァは即答した。鈴を転がすような愛らしい声で、残酷な事実を告げる。
全知全能の力を持つ彼女がいうんだ。100で殺されるんだろう。ええー。
「なんでや」
「邪教側からすれば、余計な情報をパパに与えたくないのでしょう」
「だから始末すると」
うーん、そりゃちょっとかわいそうすぎやしないかな。
俺は別に、バトりたいわけでも、大いなる野望があるわけでもない。
ただ、田舎でのんびりまったりしたいだけだ(最近ちょっとできてなかったが。……ちょっと?)。
巨悪を倒したいわけではない。だから、別にこいつを殺したい気持ちはない。
し、こいつが俺の居ないところで殺される、っていうのも、ちょっとやだ。
そういう、荒事は嫌いなんよ。ずっと、孤児で、冒険者やってきて、命のやりとりをしてきたから、こそ。
鉄の錆びたような血の匂いも、死臭も、もううんざりなんだ。
命が掛かってない生き方を望む。それは、俺だけじゃあない。俺の周りの連中にも、だ。
それがたとえ、元は邪教徒、敵だったとしてもよ。
「しゃーね、こいつを保護するか」
俺は一つ大きく息を吐き、ガシガシと頭をかいた。
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※12/24
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