185.
で、だ。
「ベルさん……どういうことかな……?」
竜王国にて。
俺は……石畳の上で正座をしている。
俺の隣では、つやつや顔のアシュローン……。
目の前には、鬼の形相のマテオさん……。
「あ、はい。その……やってしまいました……」
「……ただでさえ、お手つき女が多いのに、これ以上女増やしてどうするんだい……? しかも……相手は王族。どう責任とるつもりなのかい?」
そう……そうだよなぁ。
アシュローンも今や、国を治める一国の王。
そんな王様相手に、やってしまったわけで……。
「パパ……」
ミネルヴァもちょっと引いていた。ティアだけが「まあまあ」と言う。
「良いではありませんか。アベルさんの強い遺伝子が、増えることは、この世界にとって益をなすかと」
「ティア……」
優しい子だなぁ……。
「いや、いや。あのね、今までと違って、今回相手は王族なのさ。王を孕ませたりでもしたら、どうするんだい!?」
「どうって……アシュローンさんもアベルファミリーに入れば良いのでは?」
あ、アベルファミリー……?
なんそれ??
「みなでアベルさんの女となり、仲良く暮らしましょう」
「いやいやいや……だから、相手は王族……」
するとアシュローンが言う。
「難しいことなんてないだろう? 王の婿となればさ♡」
……………………はい?