180.無事で
アシュローンのいる竜王国にて。
呪われし世界樹に、とらわれてる娘を助けるべく、呪いを解呪した。
枯れ果てていた世界樹に、みるみるうちに活力が戻っていく。
あっと言うまに、みずみずしい葉をつけた姿へと戻った。
「すげえぞアベル……! 枯れてた世界樹が、瞬く間に元通りになっちまったぜ!」
竜王アシュローンが驚く一方、俺は、駆けだしていた。
「ミネルヴァ……!」
世界樹の幹に埋まっていた彼女が、落ちてきたのだ。
俺はミネルヴァのもとへかけより、ジャンプし、受け止める。
ミネルヴァは安らかな寝息を立てていた。
無事であることが、直感的にわかった。
「う……」
「起きたか、ミネルヴァ……?」
「パパ……」
……元々は、彼女はスキルだった。人間じゃあなかった。
でも……無事であることを目の当たりにし、俺は……知らず涙を流していた。
「無事で良かったよ……!」
なんだかんだいって、この子のことは、本当の子供のように思っていたのだ、俺は。
「パパ……ごめんね。心配かけて」
「いや、無事ならいんだ」
すると……。
「ぴゅぃいいいいいいいい! みねるう゛ぁーーーーーーー!」
人間姿となった、ピュアがこちらへとかけてきて、抱きついてくる。
「無事でよかったよぉおおおおおおおおおおおおおおん!」
ミネルヴァはピュアと遊んでいる最中に、連れ去られた。
ピュアは誰よりも、ミネルヴァの行方がきになっていたんだろう。
「ごめんね、ピュア」
「ぴゅいぃいいいいいいいいいいいいん!」
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