162.事情
上空にて。
俺は友人アシュローンの呪いを解いた。
「アベル! すまねえ! おまえに迷惑かけちまってよぉ!」
上空にて。
人間の姿になったアシュローンが、俺に頭を下げてくる。
彼女はピュアの背中の上で土下座していた。何度も何度も頭下げる。こんなアシュローン初めてみた。本当に申し訳ないって思ってるんだろう。
「やめてくれよ、アシュローン。俺たち友達だろう? 困っていたら助けるのは当然さ」
アシュローンとは同じパーティのメンバーだった。
友達だ。助ける理由なんてない。心からそう思っている。
「あべるぅ~……うわーん! 結婚してぇ~!」
「なぜそうなる急に……」
アシュローンが俺にくっついて、おろろんと涙を流す。
「結局何があったんだい?」
マテオがアシュローンに尋ねる。
「おれらのシマに、妙な連中がやってきてよ」
「妙な連中……?」
「ああ。黒いフードで体を覆った、妙な連中だ」
「人間か?」
「わからない。妙な気配をしていたのは確かだ」
「そいつらにやられたのか?」
「面目ねえ……。あいつらおれの攻撃を完全に見切ってきてよ」
……なるほど。アシュローンは竜の頂点だ。
並大抵のやつには負けない。それでも負けてしまったのはおそらく……。
「悪い、アシュローン。俺のせいだ」
「? どういうことだ?」
「多分敵は、全知全能の力を使ったんだと思う」
ミネルヴァは全知全能。
敵の攻撃をすべて予想できるのだ。(質問に答えることで)
アシュローンが負けたのは、ミネルヴァがいたから。つまりは、ミネルヴァの親である俺の責任でもある。
……よし。
「アシュローン。その連中のとこに連れてってくれ。俺がやっつける」
【★大切なお知らせ★】
新作
『虐げられてた片田舎の治癒師、自由気ままに生きる〜辺境の村で奴隷のようにこき使われてた私、助けた聖獣とともに村を出る。私が居なくなって大変お困りのようですが、知りません』
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